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- 2024/12/20
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子宮頸がん検診の間隔、5年以上でも安全か/BMJ
ヒトパピローマウイルス(HPV)陰性女性では、子宮頸がんおよびGrade 3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)の長期的なリスクはきわめて低いが、陽性女性ではCIN3+の長期的リスクがかなり高いことが、オランダ・アムステルダム自由大学医療センターのMaaike G Dijkstra氏らが進めるPOBASCAM試験で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2016年10月4日号に掲載された。HPV検査およびHPV検査+細胞診の組み合わせによる子宮頸がん検診は、細胞診のみの検診よりも早期に、Grade 3のCINを検出することが示されているが、5年以上の間隔を置いた検診の安全性のエビデンスは不十分とされる。オランダでは、2017年に、HPVベースの検診プログラムにおける40歳以上のHPV陰性女性のHPVの検診間隔が、5年から10年に延長される予定だという。
低体温療法、院内心停止例に有用か/JAMA
院内心停止蘇生後患者に対する低体温療法の施行は、通常ケアと比較して生存退院率および良好な神経学的予後について、いずれも低い可能性が、米国・Saint Luke's Mid America Heart InstituteのPaul S. Chan氏らによるコホート研究の結果、示唆された。低体温療法は、院外および院内の心停止蘇生後患者に対して施行されるが、院内心停止患者に関する無作為化試験は行われておらず、有効性に関するデータは限定的である。JAMA誌2016年10月4日号掲載の報告。
医師の燃え尽き症候群、既存の治療戦略は有効か/Lancet
医師の燃え尽き症候群(burnout)の治療では、これまでに実施された個々人に焦点を当てた介入や組織的な介入によって、臨床的に意味のあるベネフィットが得られていることが、米国・メイヨークリニックのColin P West氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年9月28日号に掲載された。米国の研修医および開業医の全国的な調査では、医師の燃え尽き症候群は流行の域に達していることが示されている。その帰結として、患者ケア、専門家気質、医師自身のケアや安全性(精神的健康への懸念や交通事故を含む)、保健医療システムの存続性への悪影響が確認されているという。
高リスク抜管後患者への高流量酸素療法、NIVに非劣性/JAMA
高リスクの抜管後患者に対する高流量鼻カニューレ酸素療法は、再挿管および呼吸不全の予防に関して非侵襲的人工呼吸器療法(NIV)に非劣性であることが、スペイン・Hospital Virgen de la SaludのGonzalo Hernandez氏らが行った3施設604例対象の多施設共同無作為化試験の結果、示された。両療法とも再挿管の必要性を減じるが、高流量鼻カニューレ酸素療法のほうが、快適性、利便性、低コスト、付加的な生理学的機構の面で優っていた。今回の結果を踏まえて著者は、「高リスクの抜管後患者には、高流量鼻カニューレ酸素療法のほうが有益のようだ」とまとめている。JAMA誌オンライン版2016年10月5日号掲載の報告。
CYP2D6阻害SSRI、タモキシフェンの有効性を低下せず/BMJ
タモキシフェンと選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の併用において、CYP2D6を強力に阻害するSSRIのパロキセチンまたはfluoxetineは、他のSSRIと比較し死亡リスクを増加させないことが確認された。米国ハーバード・メディカル・スクールのMacarius M Donneyong氏らが、5つの国内医療保険データベースを用いたコホート研究の結果、明らかにした。乳がん女性の半数近くはうつ病や不安症を抱えており、タモキシフェンを使用している女性の約4分の1はSSRI薬を服用しているという。タモキシフェンはCYP2D6によって代謝され活性型となるため、CYP2D6の強力な阻害作用を持つSSRI薬との併用は、理論上、活性代謝物が減少し有効性が低下する可能性が示唆されていた。BMJ誌2016年9月30日号掲載の報告。
LDL-C低下に関与する遺伝子変異、糖尿病リスクと関連/JAMA
NPC1L1など低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)の低下に関与する遺伝子変異が、2型糖尿病のリスク増加と関連していることが確認された。英国・ケンブリッジ大学のLuca A. Lotta氏らが、脂質低下薬の標的分子であるNPC1L1などの遺伝子変異と、2型糖尿病や冠動脈疾患との関連性を評価するメタ解析を行い報告した。著者は、「所見は、LDL-C低下療法による有害な影響の可能性について洞察を促すものである」と結論している。エゼチミブおよびスタチンの標的分子であるNPC1L1やHMGCR近傍の対立遺伝子はLDL-C低下と関連しており、これら脂質低下薬の有効性の検討で代理指標として用いられている。一方で、臨床試験においてスタチン治療による糖尿病新規発症の頻度増加が示されており、HMGCR近傍の対立遺伝子は2型糖尿病のリスク増加とも関連していることが知られていた。しかし、NPC1L1近傍の対立遺伝子と2型糖尿病との関連は不明であった。JAMA誌2016年10月4日号掲載の報告。
心筋梗塞後の平均余命、病院パフォーマンスで格差/NEJM
急性心筋梗塞の入院30日死亡率が低い(高パフォーマンス)病院に入院した患者は、同死亡率が高い(低パフォーマンス)病院に入院した患者に比べ、平均余命が0.74~1.14年長いことが明らかにされた。米国・ボストン小児病院のEmily M. Bucholz氏らが、患者約12万例を17年間追跡したデータを分析し明らかにしたもので、NEJM誌2016年10月6日号で発表した。病院の質を評価する際に、心筋梗塞入院患者の30日リスク標準化死亡率が用いられるが、今回の検討により、同指標が患者の長期生存率にも関連することが示された。
ショック未発症の重症敗血症にヒドロコルチゾンは有用か/JAMA
ショックを発症していない重症敗血症患者に対し、ヒドロコルチゾンを用いた補助療法を行っても、2週間以内の敗血症性ショック発症リスクは減少しないことが示された。集中治療室(ICU)内および院内死亡リスクや、180日時点の死亡リスクについても減少しなかった。ドイツ・シャリテ大学のDidier Keh氏らが、380例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果、明らかにしたもので、「検討の結果は、ショック未発症の重症敗血症患者に対するヒドロコルチゾン補助療法の適用を支持しないものだった」とまとめている。同療法は「Surviving Sepsis Campaign」において、難治性敗血症性ショックに対してのみ推奨されており、ショック未発症の重症敗血症に対する同療法については議論の的となっていた。JAMA誌オンライン版2016年10月3日号掲載の報告。
重症大動脈狭窄症への生体弁SAVRの予後、93試験のメタ解析/BMJ
生体弁による外科的大動脈弁置換術(SAVR)を施行された重症大動脈狭窄症患者は、同年代の一般人口に比べ生存期間がわずかに短いが、長期的には脳卒中の発生率が低減し、20年後までに約半数が弁劣化を経験することが、カナダ・マクマスター大学のFarid Foroutan氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2016年9月28日号に掲載された。重症大動脈狭窄に対する生体弁を用いたSAVRでは、周術期や長期的な死亡率は許容範囲とされることが多いが、統合データに基づく予後は明らかにされていない。SAVR後1年以内の弁劣化はまれだが、それ以降は増加することが知られているという。
アジスロマイシン追加で緊急帝王切開の母体感染リスク低減/NEJM
緊急帝王切開時の標準的な予防的抗菌薬投与に、抗菌スペクトルを拡大するためにアジスロマイシンを追加すると、術後の母体の感染リスクが低減することが、米国・アラバマ大学バーミングハム校のAlan T N Tita氏らが行ったC/SOAP試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2016年9月29日号に掲載された。米国では、妊娠関連感染症は母親の死因の第4位を占めており、母体感染は入院期間を延長し、医療費を増加させる。帝王切開は最もよく行われる手術手技であり、子宮内膜炎や創感染を含む手術部位感染率は経膣分娩の5~10倍に達するという。
ヒトの感知能力を司る遺伝子を特定/NEJM
ヒトの機械知覚(mechanosensation)を司る遺伝子PIEZO2を特定したことを、米国立補完統合衛生センター(NCCIH)のAlexander T. Chesler氏らが発表した。機械知覚とは、感知能力(触覚と自己受容によって認知範囲が喚起される)のことであり、機械刺激を検出し変換する能力に依存する。ヒトや動物に、周辺環境に関する重大な情報を提供し、社会生活を送るうえで重要かつ必要となる感覚であるが、その基礎をなす分子・神経メカニズムは、十分に解明されていなかった。研究グループは、マウスモデルで機械知覚に必須であることが示されたストレッチ依存性イオンチャネルPIEZO2に着目し、ヒトにおける役割を調べた。NEJM誌2016年10月6日号(オンライン版2016年9月21日号)掲載の報告。
TAVI vs.SAVR、アウトカムは留置経路で変化/BMJ
重症大動脈弁狭窄症で周術期死亡リスクが低度~中程度の患者に対する弁置換術について、大半の患者、とくに余命が短い患者、あるいは長期的な弁変性のリスクに留意する必要のない患者では、経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)が外科的大動脈弁置換術(SAVR)よりもネットベネフィットが認められるようだ。ただし、留置経路について経大動脈アプローチが候補とならない患者に関しては、SAVRのほうがアウトカムは良好になるという。カナダ・トロント大学のReed A Siemieniuk氏らがシステマティック・レビューとメタ解析の結果、報告した。BMJ誌2016年9月28日号掲載の報告。
スタチン療法 vs.非スタチン療法、心血管リスク低減は同等/JAMA
LDL受容体の発現増加を介して低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値を低下させるスタチン療法と非スタチン療法の比較において、LDL-C値低下当たりの主要血管イベントの相対リスクは同等であることが明らかとなった。LDL-C値の低下が、主要冠動脈イベント発生率の低下と関連することも確認された。これまで、非スタチン療法によるLDL-C低下の臨床的な有益性はよくわかっていなかったが、米国・ハーバード大学医学大学院のMichael G. Silverman氏らが、LDL-C低下と相対的心血管リスク減少との関連を、スタチン療法 vs.非スタチン療法で検討するシステマティックレビューとメタ解析を行い報告した。JAMA誌2016年9月27日号掲載の報告。
アンチセンスオリゴヌクレオチド、リポ蛋白(a)濃度低下を第II相で確認/Lancet
低比重リポ蛋白(LDL)にアポリポ蛋白(a)(apo[a])が結合したリポ蛋白(a)(Lp[a])の増加は、心血管疾患および石灰化大動脈弁狭窄症の遺伝的リスク因子であることが知られている。現在、apo(a)を標的としたオリゴヌクレオチドのIONIS-APO(a)Rxと、肝細胞に高度かつ選択的に取り込まれるようデザインされたリガンド結合アンチセンスオリゴヌクレオチドのIONIS-APO(a)-LRxが開発中であるが、とくに後者がLp(a)濃度を低下させる有効かつ忍容性のある新しい治療薬として有望であることが明らかとなった。米国・Ionis PharmaceuticalsのNicholas J Viney氏らが、IONIS-APO(a)Rxの第II相試験とIONIS-APO(a)-LRxの第I/IIa相試験の2件の無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。IONIS-APO(a)Rxの健常成人を対象とした第I相試験では、用量依存的に血漿Lp(a)濃度が減少することが示唆されていた。Lancet誌オンライン版2016年9月21日号掲載の報告。
脳梗塞の血栓除去療法、7.3時間以内がアウトカム良好/JAMA
米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のJeffrey L. Saver氏らが、これまでに発表された無作為化試験についてメタ解析を行った結果、大血管虚血性脳卒中の患者に対し、血栓除去療法と薬物療法を早期に行うことで、薬物療法のみを行った場合に比べて、3ヵ月後の障害の程度は有意に低かった。また、血栓除去療法は、症状発症から7.3時間以内に行うことで3ヵ月後のアウトカムがより良好となり、7.3時間以降に実施した場合は、アウトカムについて有意差は認められなかった。第2世代デバイスを用いた血栓除去術の有益性は認められているが、施術時間に関するアウトカムについて詳細は示されていなかった。JAMA誌2016年9月27日号掲載の報告。
NSAIDs27種の心不全入院リスクとの関連を検証/BMJ
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)服用の心不全による入院リスクについて調べた結果、現在(2週間以内)服用者は半年超(183日)前に服用していた人に比べ2割程度リスクが高いことが明らかにされた。また、ジクロフェナク、etoricoxib、インドメタシン、ピロキシカム、rofecoxibについて1日量の2倍以上を服用している場合、同リスクは2倍に増大していた。イタリア、ミラノ・ビコッカ大学のAndrea Arfe氏らが、オランダ、イタリアなどの欧州4ヵ国の医療データベースを基に行った、コホート内ケース・コントロール試験の結果、示された。BMJ誌2016年9月28日号掲載の報告。
肥満遺伝子は減量介入の効果に影響するのか/BMJ
脂肪量および肥満関連(fat mass and obesity associated:FTO)遺伝子のマイナーアレルは、生活様式の変容や薬剤による減量介入の効果に影響を及ぼさないことが、英国・ニューカッスル大学のKatherine M Livingstone氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2016年9月20日号に掲載された。肥満は公的医療の主要な負担であり、有病率は世界的に増加している。FTO遺伝子ホモ接合体(rs9939609)のマイナーアレルは、肥満のリスク増加と関連することが報告されている。
食事・身体活動を監視する装着型デバイス、減量効果は?/JAMA
肥満者の減量法として、標準的な生活様式への行動療法的介入に、食事や身体活動を監視してフィードバックを提供する装着型デバイス(wearable device)を加えても、減量効果はむしろ低下することが、米国・ピッツバーグ大学のJohn M Jakicic氏らが行ったIDEA試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年9月20日号に掲載された。食事療法や身体活動を強化する介入の短期的な減量効果が確認され、この効果の長期的な維持が課題とされる。標準的な介入への装着型デバイスの追加により、長期的な減量効果が改善する可能性が示唆されている。
抗TNF薬で効果不十分の関節リウマチ、生物学的製剤が優れる/JAMA
抗TNF薬の効果が不十分な関節リウマチ患者の治療では、TNF以外を標的とする生物学的製剤のほうが、他のTNF薬による治療よりも有効性が高いことが、フランス・ストラスブール大学病院のJacques-Eric Gottenberg氏らが行ったROC試験で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2016年9月20日号に掲載された。腫瘍壊死因子α(TNF-α)阻害薬は、メトトレキサートの効果が十分でない関節リウマチ患者のQOLを改善するが、約3分の1の患者は疾患活動性が持続し、効果は不十分とされる。これらの患者の治療選択肢の指針は確立されていない。
乳児期の卵・ピーナッツ摂取でアレルギーのリスク低下/JAMA
乳児食として、早期に卵およびピーナッツを導入すると、これらのアレルゲン食品によるアレルギー性疾患のリスクが低減することが、英国インペリアル・カレッジ・ロンドンのDespo Ierodiakonou氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2016年9月20日号に掲載された。アレルゲン食品の導入時期が、アレルギー性疾患や自己免疫疾患のリスクに及ぼす影響への関心が高まっている。乳児食のガイドラインは、両親にアレルゲン食品の導入を遅らせることを推奨しなくなっているが、多くの場合、早期の導入を勧めてもおらず、最近の6つのアレルゲン食品の早期導入の無作為化試験(EAT試験)では、いずれの食品でも予防効果は認められていない。