二重抗体薬talquetamab、再発難治多発性骨髄腫に有望/NEJM

再発/難治性多発性骨髄腫患者において、Gタンパク質共役受容体クラスCグループ5メンバーD(GPRC5D)とCD3に対する二重特異性T細胞誘導抗体であるtalquetamabの405μg/kg週1回ならびに800μg/kg隔週の皮下投与は、いずれも同様の安全性プロファイルと有効性を示すことが、米国・マウントサイナイ医科大学のAjai Chari氏らによる第I相の「MonumenTAL-1試験」で明らかとなった。GPRC5Dは、正常なヒトの組織にはほとんど発現しておらず、悪性形質細胞に過剰発現しているオーファン受容体である。talquetamabは、GPRC5DとCD3の両方に結合してT細胞を動員および活性化し、GPRC5D発現骨髄腫細胞の殺傷を誘導する。著者は、「CAR-T細胞療法だけでなく二重特異性抗体によるアプローチでの抗骨髄腫活性は、GPRC5Dが骨髄腫の治療標的であることを立証している」とまとめている。NEJM誌2022年12月15日号掲載の報告。