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- 2024/12/20
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スタチンと糖尿病リスク増大の関連判明/Lancet
スタチンによる2型糖尿病リスクの増大について、同薬による3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリルCoA還元酵素(HMGCR)阻害の関与が明らかにされた。英国・ロンドン大学のDaniel I Swerdlow氏らが、遺伝子解析と無作為化試験のデータを分析した結果、無作為化試験のスタチン治療とHMGCR遺伝子におけるSNPについていずれも、体重増加および2型糖尿病の高リスクとの関連が確認された。著者は、「体重増加は、2型糖尿病の最も強いリスク因子であるインスリン抵抗性と関連する。そのことがスタチン治療患者における2型糖尿病の高リスクを、部分的であるが説明するものとなるかもしれない」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月24日号掲載の報告より。
2030年までに70歳未満死40%削減を/Lancet
国連が掲げる「2030年に向けた持続可能な健康開発目標」に対して、ノルウェー・ベルゲン大学のOle F Norheim氏らは「各国の70歳未満の早期死亡40%削減と、すべての年代のヘルスケア改善」を提案した。40%削減という数値の根拠として各国の死亡率の傾向を国連およびWHOのデータでレビューし、「2010年現在の死亡率を維持推進すれば、戦争や紛争、新たな疫病がない地域では達成可能である」としている。また、高所得で低死亡率の国でも重大かつ達成すべき目標であると述べている。Lancet誌オンライン版2014年9月19日号掲載の報告より。
糖尿病患者への降圧治療、長期死亡リスク減/NEJM
オーストラリア・ジョージ国際保健研究所のSophia Zoungas氏らは、ADVANCE試験被験者について試験後フォローアップしたADVANCE-ON試験6年時点の結果を発表した。2型糖尿病患者への降圧治療および強化血糖コントロール介入の、長期的なベネフィットについて評価した本検討において、降圧治療の死亡に対する有益性は介入終了後も減弱はするものの明白に認められた。その一方で、強化血糖コントロールの影響については、長期的な死亡および大血管イベントに対する有益性のエビデンスが認められなかったという。NEJM誌オンライン版2014年9月19日号掲載の報告より。
肺がんPET、肺感染症流行地では不適/JAMA
18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査による肺がんの診断は、肺感染症の流行を繰り返したり蔓延している地域(流行地)での使用は支持できないことが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのStephen A. Deppen氏らによるメタ解析の結果、明らかにされた。FDG-PETによる肺結節に対する診断精度は非常にばらついており、FDG-PET+CTによる悪性腫瘍の特定は、肺感染症流行地では同非流行地と比べて低いことが判明したという。FDG-PETは肺がん疑い症例への非侵襲的な診断手法として使用が推奨されているが、著者は、「今回のデータは、肺感染症流行地での使用は、診断精度が同程度にならない限り支持できないことを示すものであった」とまとめている。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告。
エボラウイルス病、11月には2万例超えるか/NEJM
西アフリカのエボラウイルス病(EVD)患者は、感染対策の抜本的な改善がなされなければ、今後、毎週数百~数千例の割合で増加し続け、11月初旬には2万例を超えると予測されることが、WHO Ebola Response Teamの調査で明らかとなった。2014年3月23日、WHOはギニアにおけるEVDのアウトブレイクを公式に認定した。また、8月8日には、この流行に対し「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(public health emergency of international concern)」を宣告している。NEJM誌オンライン版2014年9月23日号掲載の報告。
米国糖尿病、直近5年は横ばい/JAMA
米国1980~2012年の糖尿病の有病率(糖尿病と診断された人の割合)と発生率(年間新規診断者の割合)を調べた結果、1990~2008年では倍増していたが、直近の2008~2012年は横ばいに推移していることが判明した。米国疾病予防管理センター(CDC)のLinda S. Geiss氏らが報告した。糖尿病の有病率と発生率については、直近10年の動向については調査が行われ、増大傾向であることが報告されていた。しかし、長期にわたる全米レベルでの統計的な調査は行われていなかった。JAMA誌2014年9月24日号掲載の報告より。
腎結石疑いの画像診断、超音波 vs. CT/NEJM
腎結石疑いの患者に対する初回の画像診断法として、超音波検査法とCT検査法とでは、その後のアウトカムに有意差はないことが報告された。一方で、検査によって受ける累積被曝量については、超音波検査のほうがCT検査より低かった。また、超音波検査について、緊急救命室(ER)の医師が同室で行う「ポイント・オブ・ケア(POC)超音波検査」と、放射線科医による超音波検査を行った場合を比較した検討では、アウトカムは同等であることが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のR. Smith-Bindman氏らが、2,759例について行った多施設共同無作為化比較試験の結果、報告した。NEJM誌2014年9月18日号掲載の報告より。
化療奏効の進展型SCLCへの胸部RTは有用/Lancet
化学療法奏効の進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)患者に対し、胸部放射線療法を行うと、1年生存率は変わらないものの、2年生存率は有意に増大することが判明した。また6ヵ月の無増悪生存を達成した割合も、胸部放射線療法を行った群で高率だった。オランダ・VU大学医療センターのBen J. Slotman氏らが、498例の患者について行った第III相無作為化比較試験の結果、明らかにした。結果を踏まえて著者は、「化学療法が奏効したすべてのES-SCLC患者について、予防的全脳照射に加えて胸部放射線療法を考慮すべきである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2014年9月14日号掲載の報告より。
VTEの8つの治療戦略を比較/JAMA
急性静脈血栓塞栓症(VTE)の治療戦略について、8つの抗凝固療法の有効性、安全性について検討した結果、低分子量ヘパリン(LMWH)+ビタミンK拮抗薬療法との比較で他の療法に統計的な有意差はなかったが、有効性が最も小さいのは非分画ヘパリン(UFH)+ビタミンK拮抗薬であり、安全性ではリバーロキサバン、アピキサバンの出血リスクが最も低かったことが明らかにされた。カナダ・オタワ大学のLana A. Castellucci氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。これまで、いずれの治療戦略が最も有効および安全であるかについてのガイダンスは存在していなかった。JAMA誌2014年9月17日号掲載の報告より。
HPVスクリーニングに尿検査が有用/BMJ
尿検査による子宮頸部ヒトパピローマウイルス(HPV)検出の精度は良好と思われ、初尿サンプルを用いるのがランダム尿や中間尿を用いるよりも正確であることが判明した。英国・ロンドン大学のNeha Pathak氏らがシステマティックレビューとメタ解析の結果、報告した。細胞診検査による子宮頸部HPV検出は精度の高いスクリーニング法とされるが、侵襲的な検査のため現行スクリーニングプログラムの大きな障壁となっている。今回の結果を踏まえて著者は、「サブグループで子宮頸部細胞診検査が困難であるときは、受け入れ可能な選択肢として尿中HPV検出を検討すべきであろう」と述べている。BMJ誌オンライン版2014年9月16日号掲載の報告より。
LABA/ICS vs. LABAの長期有効性を観察/JAMA
66歳以上慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とした住民ベースの長期コホート試験の結果、とくに喘息を有しており長時間作用性抗コリン薬(LAMA)の治療を受けていない患者で、長時間作用性β2刺激薬(LABA)+吸入ステロイド薬(ICS)組み合わせ投与はLABA単独投与と比べて、死亡またはCOPD入院の複合アウトカムの発生リスクが有意に低かったことが示された。カナダ・サニーブルックヘルスサイエンスセンターのAndrea S. Gershon氏らが報告した。JAMA誌2014年9月17日号掲載の報告より。
新たな生体吸収性ステントは金属ステントと同等/Lancet
エベロリムス溶出ステントの新たなデバイスである生体吸収性スキャフォールドステントについて、エベロリムス溶出金属製ステントと比較検討した試験ABSORB IIの結果が報告された。英国・インペリアルカレッジのPatrick W Serruys氏らが虚血性心疾患患者501例を対象に行った単盲検多施設無作為化試験の1年時点の評価において、安全性、有効性は同等であった。また事後解析の有害事象報告において狭心症発生の低下が報告され、著者は、さらなる臨床的・生理学的調査の根拠を示す所見が得られたと述べている。エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールドステントは、冠動脈疾患治療において急速に使用が広がっているが、従来の金属製ステントと比較検討したデータはこれまで報告されていなかった。Lancet誌オンライン版2014年9月14日号掲載の報告。
ベンゾジアゼピン系薬とアルツハイマー病リスク/BMJ
アルツハイマー病リスクの増大に、ベンゾジアゼピン系薬の使用が関連していることが、フランス・ボルドー大学のSophie Billioti de Gage氏らによるケースコントロール試験の結果、示された。ベンゾジアゼピン系薬は先進諸国では使用の頻度が高く、勧告にもかかわらず高齢者では慢性的に投与されている。ベンゾジアゼピン系薬使用者での認知症リスクの増大は確認されているが、因果関係については明らかになっていない。著者は今回の結果を踏まえて、「保証のないベンゾジアゼピン系薬の長期使用については、公衆衛生問題として検討するべきである」と指摘し、「高齢者におけるベンゾジアゼピン系薬の処方は、診療ガイドラインに準じるべきである(半減期が短い薬を優先して短期的に用いる)」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年9月9日号掲載の報告より。
GLP-1受容体作動薬+基礎インスリンは有用/Lancet
2型糖尿病患者の管理において、GLP-1受容体作動薬と基礎インスリンの併用療法は、他の抗糖尿病治療に比べ、低血糖を増加させず、体重減少と良好な血糖コントロールの達成をもたらすことが、カナダ・マウントサイナイ病院のConrad Eng氏らの検討で示された。GLP-1受容体作動薬は、経口抗糖尿病薬が無効となった後の2~3次治療として使用されており、至適な役割は確立されていない。また、基礎インスリンとの併用の理論的根拠として、血糖降下作用の増強のほか、基礎・追加インスリン療法に比べ低血糖のリスクが低く、インスリンによる体重増加の回避が可能な点が指摘されている。Lancet誌オンライン版2014年9月12日号掲載の報告。
結核へのモキシフロキサシンレジメン、非劣性示されず/NEJM
薬剤感受性結核に対し、モキシフロキサシン(商品名:アベロックス)ベースレジメンの短期4ヵ月投与について検討した試験の結果、対照レジメンと比較し治療効果の非劣性は示されなかったことが報告された。英国セント・アンドルーズ大学医学部のStephen H. Gillespie氏らが行った、第III相無作為化試験の結果、明らかにされた。これまでに行われた初期フェーズおよび前臨床試験の結果、モキシフロキサシンベースのレジメンは4ヵ月治療について検討可能であることが示唆されていた。NEJM誌オンライン版2014年9月7日号掲載の報告より。
心臓手術周術期のコルヒチンは有用か?/JAMA
イタリア・Maria Vittoria病院のMassimo Imazio氏らが、360例について行った試験の結果、心臓手術周術期のコルヒチン投与は、術後3ヵ月の心膜切開後症候群の発生リスクを10%減少することが示された。一方で、術後心房細動や術後心膜炎または胸膜滲出の発生リスク減少は認められず、またコルヒチン投与による胃腸障害発症リスク増大が示され、著者は「胃腸障害発症リスク増大でベネフィットは減少した」とまとめている。JAMA誌2014年9月10日号掲載の報告より。
新規抗IL-5抗体薬が重症喘息のステロイド低減/NEJM
喘息コントロールについて経口ステロイド薬を必要とする重症患者に対して、新たな抗IL-5抗体薬メポリズマブは、有意に経口ステロイド薬の服用を節減し、急性増悪の低下および喘息症状を改善したことが、オランダ・アムステルダム大学のElisabeth H. Bel氏らによる無作為化二重盲検試験の結果、報告された。メポリズマブについてはこれまでに、重症の好酸球性喘息患者において、急性増悪を低下したことは示されていた。NEJM誌オンライン版2014年9月8日号掲載の報告より。
急性冠症候群の新薬、第III相試験の結果/JAMA
急性冠症候群に対する新たなLp-PLA2阻害薬ダラプラジブ(darapladib)について、プラセボと比較した長期有効性の結果が報告された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMichelle L. O’Donoghue氏らによる第III相多施設共同の無作為化二重盲検プラセボ対照試験SOLID-TIMI 52の結果で、3年時の主要冠動脈イベントの発生リスクは、プラセボと有意な差は示されなかった。Lp-PLA2は、炎症を介したアテローム発生に関与する酵素で、ダラプラジブはLp-PLA2を選択的に阻害する経口薬として開発が進められてきた。JAMA誌2014年9月10日号掲載の報告より。
RCTの35%が再解析で異なる結論に/JAMA
米国・スタンフォード大学のShanil Ebrahim氏らは、「無作為化臨床試験(RCT)のデータを再解析することは、科学界が既報の試験結果の妥当性を評価するのに役立つ可能性がある」として、RCTデータの再解析報告の現状について調べた。オリジナル試験との方法論などの違いを特徴づける検討を行った結果、現在までに発表されたRCTの再解析報告はわずかで、完全に独立した著者により実行されたものはほとんどなかった。また再解析報告のうち35%が、オリジナル試験論文と比べて、治療すべき患者のタイプや数について異なる結論がみられたという。JAMA誌2014年9月10日号掲載の報告より。
極薄タイプの新型溶出ステントの有用性/Lancet
経皮的冠血行再建術に用いる薬剤溶出ステントについて、新型の極薄タイプの生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステントの安全性、有効性の試験結果が報告された。スイス・ベルン大学病院のThomas Pilgrim氏らによる、耐久性ポリマー・エベロリムス溶出ステントとの比較で検討した無作為化単盲検非劣性試験BIOSCIENCEで、12ヵ月時点の安全性・有効性複合アウトカムは非劣性であることが示された。試験集団は、除外基準最小で、2剤併用抗血小板療法のアドヒアランスが高い(80%超)患者集団であった。また事前規定のサブグループ解析で、ST上昇型心筋梗塞患者における顕著な有益性がみられたが、著者はその点についてはさらなる検討が必要であるとしている。Lancet誌オンライン版2014年9月1日号掲載の報告より。