ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:56

新型コロナワクチン4種、6ヵ月後までの有効性をメタ解析/Lancet

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)への感染や、症候性新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発現に対する4種のワクチンの有効率は、完全接種後1ヵ月から6ヵ月までの間に平均で約20~30%低下するが、重症化に対する有効率の低下は約9~10%と小さいことが、世界保健機関(WHO)のDaniel R. Feikin氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2022年2月21日号に掲載された。  研究グループは、さまざまな臨床アウトカムに対するCOVID-19ワクチンの感染防御期間のエビデンスを系統的にレビューし、接種後の時間経過に伴うデルタ変異株に起因するワクチン突破型感染の割合の変動を評価する目的で、メタ回帰分析を行った(感染症流行対策イノベーション連合[CEPI]の助成を受けた)。  2021年6月17日~12月2日の期間に公表された査読済みまたは査読前の論文に関して、系統的レビューが行われた。対象は、COVID-19ワクチンの効能(efficacy)に関する無作為化対照比較試験と、COVID-19ワクチンの効果(effectiveness)に関する観察研究とされた。  ワクチンの完全接種を受けた集団における離散時間間隔での効能・効果について検討が行われ、事前に定義されたスクリーニング基準を満たした研究が、全文のレビューの対象とされた。

新型コロナ抗原定性検査(LFT)、感染見逃しが多い可能性/BMJ

 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)抗原のラテラルフロー検査(LFT)は、SARS-CoV-2感染者の検出において臨床的に重要な見逃しの割合が高く、この割合は検査の環境によってウイルス量の分布が異なるためばらつきが大きく、無症状者でより高い可能性があることが、英国・バーミンガム大学のJonathan J. Deeks氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月23日号で報告された。  本研究は、SARS-CoV-2感染リスクが高い集団におけるLFTの陰性率、およびこれに対する病期や重症度の影響を調査し、2つの有力な数理モデル(英国のEdmundsモデル、米国のMinaモデル)による予測と実証的研究の知見の比較を目的とするlinked data解析である(筆頭著者らは英国国立健康研究所[NIHR]の助成を受けた)。  解析データには、Innova LFT(英国で広く普及)の精度、ウイルス培養陽性の割合や第2次症例への伝播(2次感染)、異なる環境下におけるSARS-CoV-2のウイルス量の分布に関する実証的なエビデンスが含まれた。

ダロルタミド、転移前立腺がんのOS延長/NEJM

 転移を有するホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)の治療において、標準治療であるアンドロゲン除去療法(ADT)+ドセタキセルに、経口アンドロゲン受容体阻害薬であるダロルタミドを併用すると、プラセボの併用と比較して、全生存期間が有意に延長し、有害事象の発現は増加しないことが、米国・マサチューセッツ総合病院がんセンターのMatthew R. Smith氏らが実施した「ARASENS試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2022年2月17日号で報告された。

低リスク者を48時間以内に同定、新型コロナ予後予測モデル/BMJ

 単一施設のデータに基づいて構築された予測モデルを用いて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者のうち低リスク例を48時間以内に同定して早期退院を促すことで、データの共有なしに他施設でも良好な病床日数の削減効果が得られる可能性があることが、米国・ミシガン大学のFahad Kamran氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年2月17日号で報告された。  研究グループは、電子健康記録データを用いて、医療施設間で共有できるCOVID-19患者の臨床的な悪化を正確に予測する簡便で移転可能な機械学習モデルを開発し、その妥当性を検証する目的で後ろ向きコホート研究を実施した(米国国立科学財団[NSF]などの助成を受けた)。

南アフリカ、オミクロン株流行前にIgG抗体陽性者が7割以上/NEJM

 南アフリカ共和国ハウテン州では、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)B.1.1.529(オミクロン株)が優勢の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大前に、潜在的なSARS-CoV-2血清陽性が州全体に広がっていたことが確認され、オミクロン株感染増加とCOVID-19による入院や死亡は関連していないことが示されたという。南アフリカ共和国・ウィットウォーターズランド大学のShabir A. Madhi氏らが、ハウテン州で実施した血清疫学調査の結果を報告した。オミクロン株は、2021年11月25日に世界で初めてハウテン州で確認され、オミクロン株が優勢となったCOVID-19第4波以前のハウテン州におけるSARS-CoV-2 IgGの血清陽性率に関するデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2022年2月23日号掲載の報告。

難治性院外心停止、体外心肺蘇生法vs.標準的蘇生法/JAMA

 難治性院外心停止(OHCA)患者において、心停止状態での早期搬送/体外循環式心肺蘇生法(ECPR)/侵襲的診断と治療から成るケアバンドルは、標準的な蘇生法と比較して、180日後の神経学的アウトカム良好での生存率を改善しないことが、チェコ・カレル大学のJan Belohlavek氏らが実施した単施設無作為化臨床試験「Prague OHCA試験」の結果、示された。OHCAはアウトカムが不良であり、心停止状態での搬送/ECPR/即時侵襲的戦略の有益性については不明であった。JAMA誌2022年2月22日号掲載の報告。

新型コロナ既感染者、ワクチン接種1回で再感染を予防/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者は、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)を少なくとも1回接種することにより再感染のリスクが有意に低下することを、イスラエル・Clalit Health ServicesのAriel Hammerman氏らが、同国半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析し、報告した。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染リスクは、COVID-19から回復した患者では著明に減少するが、獲得免疫の持続期間は不明である。現在のガイドラインでは回復した患者へのワクチン接種が推奨されているが、このようなケースでのワクチンの有効性に関するデータは限られていた。NEJM誌オンライン版2022年2月16日号掲載の報告。

心停止後昏睡、抗けいれん治療併用で転帰改善は?/NEJM

 心停止後昏睡患者において、律動的および周期的な脳波活動を48時間以上抑制する抗けいれん治療を標準治療に併用しても、標準治療のみと比較して3ヵ月後の神経学的アウトカム不良の割合に有意差は認められないことが、オランダ・トゥウェンテ大学のBarry J. Ruijter氏らが実施した医師主導型無作為化非盲検(評価者盲検)臨床試験「TELSTAR試験」の結果、示された。心停止後昏睡患者において、律動的および周期性の脳波パターンを治療することにより転帰が改善するかどうかは明らかになっていなかった。NEJM誌2022年2月24日号掲載の報告。

親密な男性パートナーによる暴力、15~49歳女性の27%が経験/Lancet

 持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット5.2では、「人身売買や性的、その他の種類の搾取など、すべての女性および女児に対する、公共・私的空間におけるあらゆる形態の暴力の排除」がうたわれている。世界保健機関(WHO)のLynnmarie Sardinha氏らは、今回、この目標の達成状況を評価するために、366件の研究のデータを解析し、2018年時点で、年齢15~49歳の女性の4人に1人以上(27%)が、生涯において親密な男性パートナーからの身体的または性的、あるいはその両方の暴力を経験し、7人に1人(13%)は調査の過去1年以内に暴力を受けたと推定されると明らかにした。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2022年2月16日号で報告された。  研究チームは、SDGsのターゲット5.2の達成に向けた各国政府の取り組みの進捗状況を監視する目的で、親密な男性パートナーによる女性への暴力の世界的な発生状況を調査した(英国・国際開発省[DFID、現在は外務・英連邦・開発省に統合]などの助成を受けた)。

コロナワクチンの効果低下、変異だけが理由ではない/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを接種した成人では、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のデルタ変異株(B.1.617.2)が優勢となった時期には、ワクチンの感染防御効果が低下しており、変異株別の感染防御効果の違いとは別個に、mRNAワクチンの有効率は経時的に減少する可能性があることが、米国疾病予防管理センターのAmadea Britton氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2022年2月14日号に掲載された。  本研究は、デルタ変異株が優勢となる以前の時期(前デルタ期:2021年3月13日~5月29日)と、その後の優勢となった時期(デルタ優勢期:2021年7月18日~10月17日)で、症候性SARS-CoV-2感染症とワクチン接種以降の日数の関連の評価を目的とする、test-negativeデザインを用いた症例対照研究である(米国疾病予防管理センターの助成を受けた)。

新型コロナ感染、1年間の精神疾患リスクは?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者は、同時期のSARS-CoV-2非感染者および歴史的対照者と比較して、さまざまな精神疾患(不安障害、うつ病性障害、ストレスおよび適応障害、オピオイド使用障害、オピオイド以外の物質使用障害、神経認知機能低下、睡眠障害など)のリスクが高いことが、米国・VAセントルイス・ヘルスケアシステムのYan Xie氏らによるコホート研究で明らかとなった。著者は、「COVID-19生存者のメンタルヘルス障害に対する取り組みは優先課題である」とまとめている。BMJ誌2022年2月16日号掲載の報告。  研究グループは、米国退役軍人省のデータを用い、2020年3月1日~2021年1月15日の間に少なくとも1回、SARS-CoV-2のPCR検査が陽性であった人(16万9,240例)を特定し、このうち陽性確認から30日後に生存していた人(COVID-19群15万3,848例)の転帰を調べ(追跡期間終了日:2021年11月30日)、精神疾患の発症リスクを2つの対照群と比較した。対照群は、COVID-19群と同時期にSARS-CoV-2の感染が確認されていない同時期対照群(563万7,840例)と、COVID-19流行以前の歴史的対照群(585万9,251例)である。  COVID-19と精神疾患発症との関連は、事前に定義した共変量およびアルゴリズムで選択された高次の共変量の両方に関して調整した逆確率重み付け法により、追跡期間中のハザード比(HR)と、各群における1年推定発生率の差に基づく1,000人当たりの1年間の補正後リスク差ならびにその95%信頼区間(CI)を算出した。

コロナ重症化リスクを低減、パキロビッドパック第II/III相試験結果/NEJM

 重症化リスクがあるワクチン未接種の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)成人患者に対し、ニルマトレルビル+リトナビル(商品名:パキロビッドパック)はプラセボと比較し、入院または死亡のリスクを約89%低下させ、安全性に明らかな懸念は認められなかった。米国・ファイザー社のJennifer Hammond氏らが、国際共同第II/III相プラセボ対照無作為化二重盲検試験「EPIC-HR試験」の結果を報告した。ニルマトレルビルは、経口投与可能なSARS-CoV-2のメインプロテアーゼ(Mpro)阻害剤で、in vitroにおいて幅広い種類のコロナウイルスに対し強力なMpro阻害活性およびウイルス複製阻害作用を示し、マウスモデルにおいて経口投与により肺のSARS-CoV-2力価がプラセボに比べ有意に低下することが示されていた。NEJM誌オンライン版2022年2月16日号掲載の報告。

検査前確率+DダイマーでDVT診断向上/BMJ

 深部静脈血栓症(DVT)の診断において、検査前臨床的確率とDダイマーを組み合わせた戦略は、超音波検査の実施回数を減少させつつDVTのリスクが低い患者群を特定できることが、カナダ・マックマスター大学のClive Kearon氏らが実施した前向き試験「Designer D-Dimer Deep vein thrombosis(4D)試験」で示された。これまでのコホート研究で、検査前臨床的確率が低いまたはWellsスコアが低くDダイマー陰性の患者はDVTを除外できることの安全性が示唆されていた。BMJ誌2022年2月15日号掲載の報告。

COVID-19入院患者へのロナプリーブ、血清抗体の有無で有効性に差/Lancet

 COVID-19入院患者において、カシリビマブ・イムデビマブ(商品名:ロナプリーブ)の抗体カクテル療法は、血清陰性患者(液性免疫反応が起きていなかった患者)の28日死亡率を低下させたが、血清陽性患者の28日死亡率は低下しなかった。無作為化非盲検対照プラットフォーム試験「RECOVERY試験」の結果を、英国・オックスフォード大学のPeter W. Horby氏らRECOVERY試験共同研究グループが報告した。カシリビマブ・イムデビマブは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質の受容体結合ドメイン上にあるそれぞれ異なる部位に非結合的に結合することにより、SARS-CoV-2の宿主細胞への侵入を阻害するモノクローナル抗体で、COVID-19外来患者における有効性が報告されていた。Lancet誌2022年2月12日号掲載の報告。

急性期脳梗塞へのアルテプラーゼ、発症前NOAC服用でもリスク増大なし/JAMA

 アルテプラーゼ静注治療を受けた急性虚血性脳卒中患者において、発症前7日以内の非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)服用者の頭蓋内出血リスクは、抗凝固薬非服用者と比べて大きく増大しないことが示された。米国・デューク大学のWayneho Kam氏らが、16万例超の患者を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果を報告した。現行のガイドラインでは、急性虚血性脳卒中発症前にNOACを服用していた場合、原則的にはアルテプラーゼ静注を使用しないよう勧告されている。JAMA誌オンライン版2022年2月10日号掲載の報告。  研究グループは2015年4月~2020年3月に、脳卒中診療の質改善プログラム「Get With The Guidelines-Stroke」(GWTG-Stroke)に登録する米国内1,752ヵ所の医療機関で、急性虚血性脳卒中発症後4.5時間以内にアルテプラーゼ静注治療を受けた16万3,038例を対象に、後ろ向きコホート試験を行った。  被験者は、脳卒中発症前のNOAC服用者、抗凝固薬の非服用者であった。補完的に、抗凝固薬服用中に急性虚血性脳卒中や頭蓋内出血を発症した患者レジストリ「Addressing Real-world Anticoagulant Management Issues in Stroke」(ARAMIS)のデータも活用。脳卒中発症前NOAC服用患者への、アルテプラーゼ静注治療の安全性と機能性アウトカムについて、抗凝固薬の非服用者と比較した。  主要アウトカムは、アルテプラーゼ静注後36時間以内の症候性頭蓋内出血の発生だった。副次アウトカムは、院内死亡を含む安全性に関する4項目と、自宅への退院率を含む退院時に評価した機能性アウトカム7項目だった。

コロナ感染での獲得免疫、ワクチン接種で1年以上持続/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのSARS-CoV-2感染予防効果について、英国・Health Security AgencyのVictoria Hall氏らが、医療従事者約3万6,000例を対象に行った前向きコホート試験の結果、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の2回接種の有効率はChAdOx1 nCoV-19(AstraZeneca製)と比べて高率だが短期間であり、6ヵ月を過ぎると大きく低下することが示された。また、感染者の獲得免疫は、感染後1年で減衰するものの、ワクチン接種によって1年以上高率のままであることも示された。NEJM誌オンライン版2022年2月16日号掲載の報告。  SARS-CoV-2への感染とワクチン接種による免疫獲得と感染予防の期間と有効性を明らかにするため、研究グループは、英国内でルーチンのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査を受けていた医療従事者3万5,768例を対象に前向きコホート試験を行った。  ワクチン初回接種から10ヵ月以内のワクチン有効性と、既感染による獲得免疫について、感染確定者のワクチン接種の有無別、また既感染で階層化することで評価した。  既感染の有無、ワクチンの種類と接種間隔、人口統計学的特性、および職場におけるSARS-CoV-2曝露で補正を行ったCox回帰モデルを用いて評価した。

GIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatide併用で、血糖コントロール改善/JAMA

 インスリン グラルギンで血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者の治療において、インスリン グラルギンにデュアルGIP/GLP-1受容体作動薬tirzepatideを追加する治療法はプラセボの追加と比較して、40週後の血糖コントロールが統計学的に有意に改善し、用量により5~9kgの体重減少が得られたとの研究結果が、ドイツ・Gemeinschaftspraxis fur innere Medizin und DiabetologieのDominik Dahl氏らによって報告された(SURPASS-5試験)。研究の成果は、JAMA誌2022年2月8日号に掲載された。

cemiplimab、再発子宮頸がんに有効/NEJM

 プラチナ製剤を含む化学療法による1次治療後に再発した子宮頸がん患者の治療において、完全ヒトプログラム細胞死1(PD-1)阻害モノクローナル抗体cemiplimabは単剤の化学療法と比較して、全生存期間が延長し、無増悪生存期間への効果は明確ではないものの、客観的奏効率や奏効期間も良好であることが、米国・カリフォルニア大学アーバイン校のKrishnansu S. Tewari氏らが実施した「EMPOWER-Cervical 1/GOG-3016/ENGOT-cx9試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年2月10日号に掲載された。

早期TN乳がん、術前PEM+化学療法と術後PEMでEFS改善/NEJM

 早期トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対し、術前補助療法でペムブロリズマブ+化学療法→術後補助療法でペムブロリズマブによる治療は、術前補助療法での化学療法のみと比較して、無イベント生存期間(EFS)を有意に延長することが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のPeter Schmid氏らが21ヵ国181施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照試験「KEYNOTE-522試験」で示された。すでに本試験の最初の解析において、術前補助化学療法にペムブロリズマブを追加することで、根治的手術実施時に病理学的完全奏効(pCR)(乳房内に浸潤がんがなく、リンパ節転移陰性と定義)を得られた患者の割合が有意に増加することが報告されていた。NEJM誌2022年2月10日号掲載の報告。  研究グループは、未治療の早期TNBC患者(AJCC/TNM分類でT1c N1-2またはT2-4 N0-2、ECOG PS 0/1)を、ペムブロリズマブ+化学療法群とプラセボ+化学療法群に2対1の割合で無作為に割り付けた。  ペムブロリズマブ+化学療法群では、術前補助療法としてペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+パクリタキセル(80mg/m2、週1回)+カルボプラチン(AUC 1.5、週1回またはAUC 5、3週ごと)を4サイクル投与後、ペムブロリズマブ+シクロホスファミド(600mg/m2)+ドキソルビシン(60mg/m2)またはエピルビシン(90mg/m2)を3週ごとに4サイクル投与し、術後補助療法としてペムブロリズマブを3週ごとに9サイクル投与した。プラセボ+化学療法群では、術前補助療法でプラセボ+化学療法(同上)、術後補助療法でプラセボを投与した。

妊産婦の新型コロナ感染、産科合併症と関連/JAMA

 妊娠中および出産後の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染は、妊産婦死亡または重篤な産科合併症の複合アウトカムのリスク増加と関連していることが、米国・ユタ大学のTorri D. Metz氏ら国立小児保健・人間発達研究所(Eunice Kennedy Shriver NICHD)のMFMU(Maternal-Fetal Medicine Units)ネットワークによる「GRAVID(Gestational Research Assessments of COVID-19)研究」で明らかとなった。これまで、妊娠中または出産後のSARS-CoV-2感染が重篤な産科合併症のリスクを特異的に増加させるかどうかはわかっていなかった。JAMA誌オンライン版2022年2月7日号掲載の報告。  研究グループは、GRAVID研究に参加している米国の17施設において、2020年3月1日~12月31日の期間に出産した妊産婦1万4,104例について後ろ向きに解析した(最終追跡調査2021年2月11日)。  妊娠中または産後6週間以内にPCR検査または抗原検査が陽性であった患者をSARS-CoV-2感染者とし、同期間の無作為に選んだ日に出産しSARS-CoV-2検査が陽性でない非感染者と比較した。SARS-CoV-2感染者は、COVID-19の重症度でさらに層別化した。  主要評価項目は、妊産婦死亡、または妊娠高血圧症候群、産褥出血、SARS-CoV-2以外の感染症に関連する重篤な疾患の複合、主要な副次評価項目は帝王切開による出産であった。