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2024/07/10
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ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:135

心臓外科手術の赤血球輸血、制限的 vs.非制限的/NEJM

 死亡リスクが中等度~高度の心臓外科手術を受ける成人患者に対し、制限的赤血球輸血は非制限的赤血球輸血に比べ、術後複合アウトカム(全死因死亡・心筋梗塞・脳卒中・透析を要する腎不全の新規発症)について非劣性であることが示された。検討において1単位以上赤血球輸血の実施率は、制限的赤血球輸血が有意に低かった。カナダ・セント・マイケルズ病院のC.D. Mazer氏らが、5,243例を対象に行った多施設共同無作為化非盲検非劣性試験の結果で、NEJM誌2017年11月30日号で発表した。これまで心臓外科手術を行う際の赤血球輸血戦略について、制限的実施と非制限的実施の臨床的アウトカムへの影響は明らかになっていなかった。

競技スポーツ中の突然の心停止の頻度は?/NEJM

 競技スポーツ中における突然の心停止の発生率は、運動選手10万人年当たり0.76件であり、競技中の構造的心疾患による突然の心停止の頻度は低いことが、カナダ・トロント大学のCameron H. Landry氏らの調査で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年11月16日号に掲載された。スポーツ活動中の突然の心停止の予防を目的とする事前スクリーニング・プログラムにより、リスクを有する運動選手の同定が可能と考えられるが、これらのプログラムの有効性に関しては議論が続いている。

アスピリン+リバーロキサバンで冠動脈疾患の死亡減少/Lancet

 安定冠動脈疾患患者の治療において、アスピリンに低用量リバーロキサバンを併用すると、主要血管イベントが減少し、大出血の頻度は増加するもののベネフィットは消失せず、死亡が有意に低減することが、カナダ・マックマスター大学のStuart J Connolly氏らが行ったCOMPASS試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2017年11月10日号に掲載された。冠動脈疾患は世界的に合併症や死亡の主要な原因で、急性の血栓イベントの結果として発症する。Xa因子阻害薬やアスピリンは血栓イベントを低減させるが、安定冠動脈疾患患者におけるこれらの併用や、個々の薬剤の比較検討は行われていないという。

破裂性腹部大動脈瘤への血管内修復術、3年時評価で生存延長/BMJ

 破裂性腹部大動脈瘤が疑われる患者の治療戦略について、血管内治療と開腹手術では、どちらが臨床的効果および費用対効果に優れるのか。無作為化試験「IMPROVE試験」にて検討された同評価の3年時点の結果を、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのJanet T. Powell氏ら同研究グループが発表した。結果は、血管内治療が開腹手術よりも生存期間を延長し、質調整生存年(QALY)の獲得が大きく、再手術率は同程度であり、コストは低く、費用対効果に優れることが示された。研究グループは、「今回の結果は、緊急血管内修復がより広く行われるよう、血管内治療の実施を増やすことを支持するものであった」とまとめている。BMJ誌2017年11月14日号掲載の報告。

PAD患者の歩行能改善にGM-CSF製剤は寄与せず/JAMA

 米国・ノースウェスタン大学のMary M. McDermott氏らによる無作為化試験「PROPEL試験」の結果、末梢動脈疾患(PAD)患者において、トレッドミルを利用して定期的に行う運動療法は、定期的にレクチャーを行い注意喚起を促す介入と比べて、6分間歩行距離でみた歩行能を有意に改善することが示された。また、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)製剤は、単独投与または運動療法と組み合わせて投与した場合も、歩行能を有意に改善しないことが示された。これまでPAD患者の歩行能改善におけるGM-CSF製剤のベネフィットは不明であったが、研究グループは、「今回の結果で、PAD患者の歩行障害の治療に対する運動療法のベネフィットが確認され、GM-CSF製剤の使用は支持されなかった」とまとめている。JAMA誌オンライン版2017年11月15日号掲載の報告。

ACS疑い患者のイベント指標は高感度心筋トロポニンI値5ng/L/JAMA

 急性冠症候群(ACS)疑い患者で高感度心筋トロポニンI値が5ng/L未満の場合は、30日以内の心筋梗塞や心臓死のリスクが低いことが示された。英国・エディンバラ大学のAndrew R. Chapman氏らが、ACS疑い患者におけるリスク層別化ツールとして、受診時の心筋トロポニンIの閾値5ng/Lの性能を評価したシステマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。高感度心筋トロポニンI検査はACS疑い患者の評価に広く使用されており、5ng/L未満は低リスクとみなされているが、至適閾値であるかは明らかになっていない。JAMA誌2017年11月11日号掲載の報告。

カナキヌマブの心血管イベント予防効果、CRP低下がカギ?/Lancet

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のPaul M Ridker氏らは、CANTOS試験の2次解析の結果、「カナキヌマブ投与3ヵ月後の高感度C反応性蛋白(hsCRP)値低下の大きさは、治療継続により最も恩恵が得られそうな患者を特定する簡単な臨床的手段(clinical method)といえるかもしれない」との見解を示すとともに、「カナキヌマブ投与後の炎症反応が低いほど予後良好であることが示唆された」ことを報告した。ヒト型抗ヒトIL-1βモノクローナル抗体のカナキヌマブは、心筋梗塞既往患者を対象としたCANTOS試験において、脂質に影響せず炎症と心血管イベントを抑制することが示されている。しかし、どの患者集団で最も有益なのか、またhsCRP値の低下が個々の患者で臨床的有益性と関連するかどうかは不明であった。Lancet誌オンライン版2017年11月13日号掲載の報告。

発症後6時間超でも血栓除去術は有益か/NEJM

 急性虚血性脳卒中で、症状が現れてから6~24時間が経過しているが臨床的障害と梗塞体積の重症度が一致しない患者については、標準的治療だけでなく、血栓除去術を合わせて行ったほうが90日後の障害アウトカムが良好であることが明らかにされた。米国・エモリー大学のR.G.Nogueira氏らが、206例を対象に行った無作為化試験で示された。虚血性脳卒中発症後6時間超の血栓除去術については、これまでそのベネフィットは明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版11月11日号掲載の報告。

リバーロキサバン、下肢末梢動脈疾患に効果/Lancet

 安定末梢動脈/頸動脈疾患患者に対する1日2回投与の低用量リバーロキサバン(商品名:イグザレルト)+アスピリン1日1回の併用投与は、アスピリン単独投与に比べ、主要有害心血管・下肢イベントリスクを有意に低減することが、カナダ・マックマスター大学のSonia S. Anand氏らによる無作為化プラセボ対照二重盲検試験で示された。大出血は増大したが、致死的出血や重大臓器の出血は増大せず、著者は、「この併用療法は、末梢動脈疾患患者の治療において重大な進化を意味するものだ」と述べている。なお、リバーロキサバン単独(5mg)ではアスピリン単独と比べて、主要有害心血管イベントは有意に低減せず、主要有害下肢イベントは低減したが大出血の増大が認められたという。Lancet誌オンライン版2017年11月10日号掲載の報告。

単純性尿路感染症へのNSAID、抗菌薬と比較/BMJ

 単純性下部尿路感染症(UTI)の女性患者において、ジクロフェナクの使用は抗菌薬の使用を減らすが、ノルフロキサシンと比較して症状軽減に関して劣性であり、腎盂腎炎のリスクを増大させる可能性が、スイス・ベルン大学のAndreas Kronenberg氏らによる無作為化二重盲検非劣性試験の結果で示された。著者は、「選択的な抗菌薬使用の開発と検証を、今後の試験で行うことが必要だ」と述べている。BMJ誌2017年11月7日号掲載の報告。

トロポニン検査、陽性適中率を上げる方法は?/BMJ

 高感度心筋トロポニン検査を、幅広く、事前の臨床評価もなく行った場合、トロポニン値の上昇を認める患者がよくみられ、その大部分は心筋梗塞よりも心筋障害を反映したものであることが明らかにされた。英国・エディンバラ大学のAnoop S. V. Shah氏らが、ヘルスケア設定が異なる患者集団を対象とした前向きコホート試験の結果で、BMJ誌2017年11月7日号で発表した。高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の診断を改善するが、急性冠症候群を伴わない患者の心筋障害検出を増大する可能性が示唆されていた。

多発性嚢胞腎後期にもトルバプタンは有用か?/NEJM

 常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)の後期患者に対し、バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタン(商品名:サムスカ)はプラセボと比べて、1年超にわたり推定糸球体濾過量(eGFR)の低下を抑制したことが、米国・メイヨークリニックのVicente E. Torres氏らによる第III相の無作為化治療中止プラセボ対照二重盲検試験「REPRISE試験」の結果、示された。これまでに、早期(推定クレアチニンクリアランス:60mL/分以上)ADPKD患者を被験者とする試験において、トルバプタンは腎容積の増大およびeGFRの低下を抑制したことが示されていた。ただし、アミノトランスフェラーゼ値とビリルビン値の上昇を引き起こすことも示されている。一方、後期患者に対する有効性、安全性は検討されていなかった。NEJM誌2017年11月16日号(オンライン版2017年11月4日号)掲載の報告。

急性重症出血、トラネキサム酸投与は3時間以内に/Lancet

 外傷性/分娩後出血死の多くは、出血が起きてから短時間で死に至っており、トラネキサム酸による抗線溶療法の開始がわずかでも遅れると、そのベネフィットは減少することを、英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のAngele Gayet-Ageron氏ら研究グループが、被験者4万138例のデータを包含したメタ解析の結果、明らかにした。結果を踏まえて著者は、「重症出血患者は、ただちに治療が開始されなければならない」と提言するとともに、「さらなる研究で、トラネキサム酸の作用機序の理解を深める必要がある」と述べている。抗線溶療法は、外傷性/分娩後出血死を減らすことが知られている。研究グループは、治療の遅れが抗線溶薬の効果に及ぼす影響を調べる検討を行った。Lancet誌オンライン版2017年11月7日号掲載の報告。

悪性黒色腫の術後補助療法、ダブラフェニブ+トラメチニブの第III相試験/NEJM

 BRAF V600E/K遺伝子変異陽性StageIII悪性黒色腫に対する、BRAF阻害薬ダブラフェニブ+MEK阻害薬トラメチニブの併用術後補助療法は、プラセボと比較して再発リスクが有意に低く、新たな毒性もみられなかった。オーストラリア・シドニー大学のGeorgina V. Long氏らが、二重盲検プラセボ対照第III相試験「COMBI-AD試験」の結果を報告した。これまで、COMBI-d試験およびCOMBI-v試験において、ダブラフェニブ+トラメチニブの併用療法は、ダブラフェニブ単剤療法またはベムラフェニブ単剤療法と比較し、BRAF V600E/K遺伝子変異陽性の進行性または転移性悪性黒色腫患者の生存期間を延長することが示されていた。NEJM誌2017年11月9日号掲載の報告。

機械弁vs.生体弁、弁置換後の長期生存率/NEJM

 僧帽弁置換術においては、70歳未満の患者は機械弁使用群が生体弁使用群に比べ死亡率が低く、一方、大動脈弁置換術では、55歳までは機械弁の有益性が確認できることが、米国・スタンフォード大学のAndrew B. Goldstone氏らによる約2万5,000例対象の後ろ向きコホート研究の結果、示された。大動脈弁/僧帽弁置換術には、機械弁または生体弁のいずれかが使用される。生体弁使用を支持するエビデンスは限られているにもかかわらず、生体弁の使用が増加していた。NEJM誌2017年11月9日号掲載の報告。  研究グループは、1996年1月1日~2013年12月31日に、カリフォルニア州の非連邦病院142施設において、機械弁または生体弁を用いた初回大動脈弁/僧帽弁置換術を受けた患者のデータを、逆確率重み付け推定法を用いて解析した。

PCIで運動時間が改善するか?プラセボとのDBT/Lancet

 至適薬物治療を行った重度一枝狭窄の安定狭心症患者に対し、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施しても、運動時間の改善は認められないことが、無作為化プラセボ対照二重盲検試験で初めて明らかになった。英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRasha Al-Lamee氏らが、患者200例を対象に行った「ORBITA」試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年11月2日号で発表した。

ER陽性乳がん、5年内分泌療法後の再発のリスクは?/NEJM

 エストロゲン受容体(ER)陽性で5年間の内分泌療法を実施後に無病状態にあった女性患者の、5~20年の乳がん再発は、期間を通して一定の割合の発生であったことが明らかにされた。また、遠隔再発リスクは、当初の腫瘍径とリンパ節転移の状態(TN分類)と強く関連しており、10~41%の範囲にわたっていた。英国・オックスフォード大学のHongchao Pan氏らが、88試験(被験者総数6万人超)のデータに基づき行ったメタ解析の結果で、NEJM誌2017年11月9日号で発表した。これまでの検討で、ER陽性早期乳がん女性患者は5年間の内分泌療法によって、治療中および治療後の再発率が大きく低下することが示されていた。治療期間を5年以上延長すると、再発率はさらに低下するが副作用の発現も増大する。研究グループは、5年間で中断した場合のその後の遠隔再発の絶対リスクのデータを入手することは、治療を延長すべきかどうかの判断に寄与する可能性があるとして検討を行った。

思春期1型糖尿病に、ACE阻害薬やスタチンは有用か/NEJM

 ACE阻害薬およびスタチンは、思春期1型糖尿病患者のアルブミン/クレアチニン比(ACR)の経時的な変化に影響を及ぼさないことが、英国・ケンブリッジ大学のM Loredana Marcovecchio氏らが行ったAdDIT試験で示された。研究の成果は、NEJM誌2017年11月2日号に掲載された。青少年期の1型糖尿病患者では、腎疾患や心血管疾患の長期的なリスク因子である微量アルブミン尿や顕性アルブミン尿の発現に先立って、思春期のアルブミン排泄量の急速な増加がみられる。成人1型糖尿病患者では、ACE阻害薬およびスタチンが頻用されているが、思春期患者での評価は十分でないという。

ビタミンDはがんを予防するのか?/BMJ

 ビタミンDの血中濃度とがんリスクに因果関係は存在するのか。ギリシャ・University of IoanninaのVasiliki I Dimitrakopoulou氏らは、同関連を明らかにするため、大規模遺伝子疫学ネットワークのデータを用いたメンデルランダム化試験にて検討を行った。その結果、評価を行った7種のがんいずれについても、線形の因果関係を示すエビデンスはほとんどなかったという。ただし、臨床的に意味のある効果の関連を、完全に否定はできなかった。BMJ誌2017年10月31日号掲載の報告。

高齢者のPCI、短期DAPTでのDES vs.BMS/Lancet

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受ける高齢患者において、薬剤溶出ステント(DES)を用い抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)を短期間とする戦略は、ベアメタルステント(BMS)を用いDAPTを短期間とする戦略よりも予後は良好であり、全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中および虚血による標的病変血行再建の発生に関しては同程度であることが示された。フランス・パリ第5大学のOlivier Varenne氏らによる無作為化単盲検試験の結果で、Lancet誌オンライン版2017年10月31日号で発表された。高齢患者は通常、DAPTの継続を短縮するために、DESの代わりにBMSの留置を受ける。研究グループは、高齢患者においてDAPTを短期間とした場合の両ステント間のアウトカムを比較する検討を行った。