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- 2024/12/20
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米国人の1日Na摂取量は何グラム?/JAMA
先行研究でナトリウム摂取の90%が尿として排出されると示されたことから、米国医学研究所(現・米国医学アカデミー)は2010年に、24時間蓄尿でナトリウム摂取量を推定するよう推奨を始めた。米国疾病予防管理センターのMary E. Cogswell氏らは、2014年のサンプルを調査し、少なくとも1回の24時間蓄尿検査を受けたことがある70歳未満の成人のデータを分析。その結果、推定平均ナトリウム摂取量は3,608mg/日であることが示されたという。JAMA誌オンライン版2018年3月7日号掲載の報告。
ビタミンDのがん予防効果、日本人で確認/BMJ
血中ビタミンD濃度が高い集団は男女とも、がん全体の罹患リスクが低いことが、日本人を対象に国立がん研究センターのSanjeev Budhathoki氏らが実施したJapan Public Health Center-based Prospective(JPHC)研究で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年3月7日号に掲載された。ビタミンDは、さまざまな抗腫瘍性の特性を持つ強力な生物活性化合物の前駆物質として、がんの予防効果をもたらすとの説がある。血中ビタミンD濃度が上昇すると、大腸がんや肺がんの罹患リスクが低下する傾向がみられることが報告されているが、他の部位のがんやがん全体のエビデンスには一貫性がなく、アジア人のデータは十分でないという。
NASHの肝脂質を迅速かつ有意に減少した新薬/Lancet
NGM282が非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)において、容認できる安全性プロファイルで肝脂質を迅速かつ有意に減少したことが報告された。英国・オックスフォード大学のStephen A. Harrison氏らによる第II相試験の結果で、Lancet誌オンライン版2018年3月5日号で発表された。NGM282は、胆汁酸合成とブドウ糖恒常性を調節する内分泌消化管ホルモンFGF19の、非腫瘍形成性異型として開発された組み換えタンパク質である。NASHには現状、米国FDA承認の治療は存在しないが、今回の結果を踏まえて著者は、「NGM282のNASH治療の安全性と有効性についてさらなる探索を支持するものであった」としている。
プライマリケアからのPSA検査の紹介は有益か/JAMA
プライマリケア施設における前立腺特異抗原(PSA)検査の紹介は、前立腺がんの検出率を改善するが、前立腺がん特異的な10年死亡には影響を及ぼさないことが、英国・ブリストル大学のRichard M Martin氏らが行ったCAP試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年3月6日号に掲載された。PSAスクリーニングは、過剰検出と過剰治療による弊害が、死亡リスクの低減またはQOLのベネフィットを上回る可能性があるため、議論が続いている。
NCCNガイドラインの適応外推奨はエビデンスが弱い/BMJ
National Comprehensive Cancer Network(NCCN)は新薬/ブランド薬について、米国食品医薬品局(FDA)未承認の適応をしばしば推奨しているが、このような適応外使用を推奨する根拠のエビデンスレベルは低いことが明らかにされた。米国・オレゴン健康科学大学のJeffrey Wagner氏らが、抗がん剤についてNCCNガイドラインでの推奨とFDA承認との差異を、また適応外使用の推奨を正当化するためにNCCNが採用したエビデンスについて、後ろ向きに調査し報告した。NCCNによる適応外使用推奨のパターンや、こうした推奨がその後、FDA承認に至っているのかを検証した解析はこれまでなかった。今回の結果を踏まえて著者は、「弱いエビデンスに基づいた高価で有害ながん治療薬の保険償還を、NCCNが正当化していることに懸念を禁じ得ない」とまとめている。BMJ誌2018年3月7日号掲載の報告。
小児喘息の悪化初期に吸入ステロイド5倍量、その結果は?/NEJM
小児の軽・中等症持続型喘息患者において、吸入ステロイドによる維持療法中に喘息コントロール悪化の初期徴候を認めた場合、吸入ステロイドを5倍量としても重症喘息増悪の発生率は低下せず、その他の喘息に関する評価項目の改善も確認されなかった。米国・ウィスコンシン大学のDaniel J. Jackson氏らが、STICS(Step Up Yellow Zone Inhaled Corticosteroids to Prevent Exacerbations)試験の結果を報告した。吸入ステロイドなどの喘息管理薬を定期的に使用していても、しばしば喘息増悪が起こり、臨床医は、喘息コントロール悪化の初期徴候を認めると吸入ステロイドを増量することが一般的である。しかし、この戦略の小児に対する安全性/有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌2018年3月8日号掲載の報告。
グリソンスコア9/10の前立腺がん、最も有効な療法は?/JAMA
グリソンスコア9~10の前立腺がん患者に対し、外照射療法+小線源治療による強化療法(EBRT+BT)+アンドロゲン除去療法(ADT)は、根治的前立腺全摘除(RP)やEBRT+ADTを行った場合に比べ、前立腺がん死亡リスクを有意に抑制することが示された。米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のAmar U. Kishan氏らが、1,809例を対象とした後ろ向きコホート試験を行い明らかにした。グリソンスコア9~10前立腺がんの至適治療は明らかになっておらず、研究グループは、同患者の最終的な治療後の臨床的アウトカムを検討した。JAMA誌2018年3月6日号掲載の報告。
吸入ステロイド4倍量を許容する自己管理で、喘息増悪リスク2割減/NEJM
吸入ステロイド使用にもかかわらず過去1年以内に増悪を発症した成人および思春期の喘息患者について、吸入ステロイドを4倍量までの増量を含む自己管理計画(患者自身が喘息を管理する計画)を導入することで、増量を行わない計画と比べて重度増悪リスクは約2割減少することが示された。英国・National Institute for Health Research Biomedical Research CentreのTricia McKeever氏らが、1,922例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年3月8日号で発表した。
降圧治療、自己モニタリングに効果はあるか?/Lancet
血圧コントロールが不十分な高血圧患者における降圧薬の用量調整法として、血圧の自己モニタリングは、遠隔モニタリング併用の有無にかかわらず、診察室での用量調整に比べ、1年後の収縮期血圧を有意に低下させることが、英国・オックスフォード大学のRichard J. McManus氏らが行ったTASMINH4試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2018年2月27日号に掲載された。自己モニタリングによる降圧薬の用量調整に関しては、相反する試験結果が報告されており、遠隔モニタリングの正確な位置付けは、明らかにされていないという。
年齢別の30日再入院率~米国3千万件超の調査/BMJ
米国における30日以内の再入院率は、小児から成人へ移行するに従って増加し、精神疾患を有する小児や若年/中年成人で高く、複数の慢性疾患を有する患者は全年齢で上昇していることが、米国・ボストン小児病院のJay G. Berry氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2018年2月27日号に掲載された。再入院の削減は、治療を改善し、医療費の抑制を可能とするため、主導的な臨床研究者や医療施策の立案者にとって重要とされる。米国では、再入院の指針や、再入院削減の臨床的介入は、65歳以上に重点が置かれ、年齢別の評価はほとんど行われていないという。
複雑性尿路感染症、メロペネム/vaborbactam配合剤の有効性/JAMA
複雑性尿路感染症の治療において、メロペネム/vaborbactam配合剤の効果は、ピペラシリン/タゾバクタム配合剤に対し非劣性であることが、米国・ミシガン大学のKeith S. Kaye氏らが実施したTANGO I試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2018年2月27日号に掲載された。カルバペネム系抗菌薬メロペネムとβ-ラクタマーゼ阻害薬vaborbactamの配合剤は、薬剤抵抗性グラム陰性菌による重症感染症に有効である可能性が示唆されている。
前向きRCTの新規解析法、有効性実証までを短縮/BMJ
前向きに計画された無作為化試験(RCT)の“living”ネットワークメタ解析は、従来のペアワイズメタ解析と比べて、治療効果の差に関する帰無仮説を実証(強いエビデンスを提供)できる可能性が20%高く、それまでの期間は4年早いことが示された。スイス・ベルン大学のAdriani Nikolakopoulou氏らによる実証研究の結果で、BMJ誌2018年2月28日号で発表された。ネットワークメタ解析は、多数の治療効果のエビデンスについて直接的・間接的に比較可能な従来のメタ解析の機能を拡充したものである。また、標準的なペアワイズメタ解析よりも、治療効果の比較における帰無仮説に関して、速やかかつ強固なエビデンスの提供が可能なことが示されていた。さらに最近になって、逐次解析法に基づく、前向きに計画されたRCTのlivingネットワークメタ解析が開発され、エビデンスを連続的にアップデートできるようになっていた。
下肢静脈瘤で深部静脈血栓症のリスク約5倍/JAMA
下肢静脈瘤と診断された成人患者では、深部静脈血栓症(DVT)のリスクが有意に高いことが明らかにされた。肺塞栓症(PE)と末梢動脈疾患(PAD)については、潜在的交絡因子のためはっきりしなかったという。台湾・桃園長庚紀念医院のShyue-Luen Chang氏らが、後ろ向きコホート研究の結果を報告した。下肢静脈瘤は一般的にみられるが、重大な健康リスクと関連することはまれである。一方、DVT、PE、PADも血管疾患であるが、全身に重大な影響を及ぼす。これまで下肢静脈瘤とDVT、PE、PADとの関連性はほとんど知られていなかった。著者は、「下肢静脈瘤とDVTとの関連が、因果関係によるのか、あるいは共通のリスク因子があるのかについて、今後さらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA誌2018年2月27日号掲載の報告。
院外心肺停止の予後、バッグマスクvs.気管内挿管/JAMA
院外心肺停止(OHCA)患者において、バッグマスク換気(BMV)は気管内挿管(ETI)と比較し、28日目における神経学的予後良好な生存に関して非劣性または劣性を確認することはできなかった。フランス・パリ第5大学のPatricia Jabre氏らが、フランスとベルギーで行った多施設共同無作為化比較試験の結果を報告した。OHCA患者の心肺蘇生法(CPR)において、二次救命処置の気道管理は、BMVがETIより簡便であり、これまでの研究ではBMVの生存に関する優越性が報告されていた。JAMA誌2018年2月27日号掲載の報告。
多枝・左主幹部冠動脈疾患の死亡率、CABG vs.PCI/Lancet
多枝冠動脈疾患患者では、冠動脈バイパス術(CABG)が経皮的冠動脈インターベンション(PCI)よりも、死亡に関してベネフィットがあることが示された。とくに、糖尿病の併存や冠動脈の病変が複雑な患者ほど、その傾向は強かった。一方、左主幹部冠動脈疾患患者では、CABGがPCIよりもベネフィットがあることは示されなかった。オランダ・エラスムス大学医療センターのStuart J. Head氏らが、11の無作為化比較試験、被験者総数約1万1,500例を対象に行ったプール解析の結果で、Lancet誌オンライン版2018年2月22日号で発表した。これまで多くの無作為化試験で、冠動脈疾患患者についてCABGとPCIの比較が行われているが、血行再建術の戦略間で死亡の差を評価した試験はなかったという。
敗血症性ショック、ステロイド2剤併用で死亡率低下/NEJM
敗血症性ショック患者に対する検討で、ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾン投与はプラセボ投与と比較して、90日全死因死亡率が低いことが示された。フランス・Raymond Poincare病院のDjillali Annane氏らが、1,241例を対象に行った多施設共同二重盲検無作為化試験の結果を、NEJM誌2018年3月1日号で発表した。敗血症性ショックは、感染に対する宿主反応の調節不全が特徴で、循環異常、細胞異常、代謝異常を呈する。研究グループは、ヒドロコルチゾン+フルドロコルチゾンによる治療、または活性型drotrecogin αによる治療は、宿主反応を調節可能であり、敗血症性ショック患者の臨床的アウトカムを改善する可能性があるとの仮説を立てて、検証試験を行った。
冠動脈疾患疑い患者に有益な画像診断戦略は?/BMJ
低リスクの急性冠症候群(ACS)患者において、初期画像診断戦略としての機能的検査(ストレスエコー検査、心血管MR[CMR])の実施は、非侵襲的な解剖学的検査(冠動脈CT造影法[CCTA])と比べて、付加的検査における侵襲的な冠動脈造影検査や再血行の処置を受けることが少ないと明らかにされた。将来的な心筋梗塞リスクについて、明らかな影響はみられなかったという。一方、安定冠動脈疾患(CAD)が疑われる患者については、付加的検査における侵襲的な冠動脈造影の必要性に関して、明確な違いが初期診断戦略の間でみられず、心筋梗塞のリスクの違いでルールアウトすることもできなかった。スイス・ベルン大学病院のGeorge CM Siontis氏らによるネットワークメタ解析の検討結果で、BMJ誌2018年2月21日号で発表された。研究グループは、「診断精度に関する情報は、診断検査の有用性を結論付けるのに重要であるが、その情報が患者の利益に結びついていない可能性がある」として、今回の検討を行った。
新規分子標的薬ラロトレクチニブ、TRK融合遺伝子陽性がんに奏効/NEJM
高選択性トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬larotrectinibによる「年齢・腫瘍非依存的治療(“age- and tumor-agnostic”therapy)」は、TRK融合遺伝子陽性がん患者において、年齢や腫瘍の種類にかかわらず著明かつ持続的な抗腫瘍活性を示すことが、米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのAlexander Drilon氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。3種類のTRK(TRKA、TRKB、TRKC)の1つを含む融合遺伝子が、小児と成人の多様ながんで同定されている。これらの融合遺伝子は、原発組織にかかわらず、がん遺伝子中毒(oncogene addiction)を引き起こし、全固形がんの最大1%への関与の可能性が示唆されている。
人工関節全置換術後のVTE予防、アスピリンへの切り替えは有効か/NEJM
股関節および膝関節の人工関節全置換術(THA/TKA)後にリバーロキサバンの短期投与を受けた患者では、その後アスピリンに切り替えても、リバーロキサバンを継続した場合と比較して、症候性静脈血栓塞栓症(VTE)の予防効果に差はないことが、カナダ・ダルハウジー大学のDavid R. Anderson氏らが行ったEPCAT II試験で明らかとなった。研究の成果は、NEJM誌2018年2月22日号に掲載された。アスピリンは、安価で、副作用プロファイルが十分に確立されており、THA/TKA後のVTE(近位深部静脈血栓症、肺塞栓症)の予防効果を有する可能性が臨床試験やメタ解析で示されているが、退院後の延長投与の予防効果を直接経口抗凝固薬と比較した試験は、これまで行われていなかった。
リアルタイムCGMはハイリスク1型DM患者に有益/Lancet
インスリン頻回注射(MDI)治療を受けており、低血糖症による意識障害または重症低血糖症を呈したことがある1型糖尿病患者において、リアルタイム持続血糖モニタリング(rtCGM)システムは低血糖症のイベント件数を減らすことが、多施設共同無作為化試験で示された。ドイツ・Science-Consulting in Diabetes GmbHのLutz Heinemann氏らが報告した。これまで、MDI治療を受けるハイリスクの1型糖尿病患者において、低血糖症の回避にrtCGMが有効であるのかは不明であった。Lancet誌オンライン版2018年2月15日号掲載の報告。