腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:218

潰瘍性大腸炎患者の大腸がんリスク、時間の経過で変化?/Lancet

 潰瘍性大腸炎(UC)患者は非UC者に比べて、大腸がん罹患のリスクが高く、大腸がん診断時の進行度は低いが、大腸がんによる死亡リスクは高いことが示された。一方で、それらの過剰なリスクは時間の経過とともに大幅に低下することも認められたという。スウェーデン・カロリンスカ研究所のOla Olen氏らによる、UC患者9万6,447例を対象とした住民ベースのコホート試験の結果で、著者らは、「国際的なサーベイランスガイドラインを改善する余地がまだあるようだ」と述べている。Lancet誌2020年1月11日号掲載の報告。

BMI高値は、NSCLCの免疫チェックポイント阻害薬治療の予後良好因子か/JAMA Oncol

 BMI高値は、悪性黒色腫における免疫チェックポイント阻害薬のサバイバルベネフィットの独立した関連因子であるが、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるその関係は明らかではない。オーストラリア・フリンダース大学のGanessan Kichenadasse氏らは、NSCLCにおけるPD-L1阻害薬アテゾリズマブのアウトカムとBMIの関連を調べるため、4つの国際的多施設臨床研究から事後解析を行った。4つの試験は、単群の第II相試験(BIRCH試験、FIR試験)と、2群の無作為化臨床試験(POPLAR試験、OAK試験)で、データ分析期間は2019年2月28日~9月30日であった。BMIと全生存期間(OS)、 無増悪生存期間(PFS)および毒性との関係についてITT解析した。研究の詳細はJAMA Oncology誌オンライン版2019年12月26日号に掲載された。

中年期の健康的な生活様式は平均余命にどう影響?/BMJ

 中年期の健康的な生活様式の順守は、主要慢性疾患(がん、心血管疾患、2型糖尿病)のない平均余命を延長することが、米国・ハーバード大学公衆衛生大学院のYanping Li氏らによる検討の結果、示された。これまで、修正可能な生活様式因子(喫煙、身体活動、アルコール摂取、体重、食事の質)が、平均余命および慢性疾患発症の両者に影響することは知られていた。しかし、複数の生活様式因子の組み合わせと、主要な疾患(糖尿病、心血管疾患、がんなど)のない平均余命との関わりについて、包括的に検討した研究はほとんどなかったという。BMJ誌2020年1月8日号掲載の報告。

パウダーの会陰部使用は卵巣がんと関連?/JAMA

 米国で行われた4つの前向きコホート研究の女性被験者のデータをプール解析した結果、会陰部でのパウダー使用と卵巣がん発生に、統計的に有意な関連はなかったことを、米国・国立環境衛生科学研究所のKatie M. O’Brien氏らが報告した。ただし今回の検討では、リスクのわずかな増大を同定する検出力は不足していた可能性があるとしている。これまで会陰部でのパウダー使用と卵巣がんの関連性について、ケースコントロール試験で関連ありとの報告がなされていたが、コホート試験による検証はされていなかった。米国では最近、パウダーに含まれる鉱物のタルクに関連した訴訟およびメディア報道が高まっており、研究グループは今回の検証を行ったという。JAMA誌2020年1月7日号掲載の報告。

開発中のluspatercept、低~中等度リスクMDSの貧血を軽減/NEJM

 環状鉄芽球を伴う比較的リスクが低い骨髄異形成症候群(MDS)で、定期的に赤血球輸血を受けており、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)に抵抗性または反応する可能性が低い、あるいは有害事象でこれらの製剤を中止した患者の治療において、luspaterceptは貧血の重症度を低下させることが、フランス・パリ第7大学のPierre Fenaux氏らが行った「MEDALIST試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2020年1月9日号に掲載された。ESA治療が無効の貧血を伴う比較的リスクが低いMDSの患者は、一般に赤血球輸血に依存性となる。luspaterceptは、SMAD2とSMAD3のシグナル伝達を抑制して赤血球の成熟を促すために、トランスフォーミング増殖因子βスーパーファミリーのリガンドと結合する組み換え融合蛋白で、第II相試験で有望な結果が報告されている。

術前化療で乳房温存療法が適応になる割合は(BrighTNess)/JAMA Surgery

 StageII~III乳がんでは乳房温存療法を可能にするべく術前化学療法が実施されることが多い。今回、米国・Brigham and Women's HospitalのMehra Golshan氏らは、BrighTNess試験の2次解析からトリプルネガティブ(TN)乳がん患者において術前化学療法により53.2%が乳房温存療法の適応になったことを報告した。また、北米では乳房温存治療適応患者でも乳房温存率が低く、生殖細胞系BRCA変異のない患者での両側乳房切除率が高いことがわかった。JAMA Surgery誌オンライン版2020年1月8日号に掲載。

進展型小細胞肺がんに対するペムブロリズマブ+化学療法の成績(KEYNOTE-604)/Merck

 Merck社は、2020年1月6日、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用の第III相KEYNOTE-604試験において、主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)を達成したと発表。  同研究では、ペムブロリズマブと化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)併用は、化学療法単独(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)と比較して統計的に有意なPFSの改善がもたらした(HR:0.75、95%CI:0.61~0.91)。

B細胞NHLへのR-CHOP、4サイクルvs.6サイクル/Lancet

 60歳以下の低リスク中悪性度(アグレッシブ)B細胞非ホジキンリンパ腫患者の治療において、リツキシマブとシクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+prednisone(R-CHOP)併用療法の4サイクル投与は6サイクル(標準治療)に対し、有効性が非劣性で、毒性作用は治療サイクルが少ない分、抑制されることが、ドイツ・ザールラント大学のViola Poeschel氏らGerman Lymphoma Allianceが行った「FLYER試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2019年12月21/28日合併号に掲載された。国際予後指標(IPI)の年齢調整リスク因子がなく、非bulky病変(腫瘍最大径<7.5cm)を有するアグレッシブB細胞非ホジキンリンパ腫患者では、6サイクルのR-CHOP様レジメンの予後はきわめて良好と報告されている。一方、多くの患者にとって、このレジメンに含まれる6サイクルの細胞傷害性薬剤の併用療法(CHOP様)は過剰治療となっている可能性があるという。

紫外線は乳がん予防に有効か~メタ解析

 太陽紫外線(UVR)曝露が乳がん発症リスクを減少させるという仮説がある。今回、カナダ・クイーンズ大学のTroy W. R. Hiller氏らが行った系統的レビューとメタ解析から、夏の数ヵ月間に太陽の下で1日1時間以上過ごすことで、乳がん発症リスクを減らせる可能性が示唆された。Environmental Health Perspectives誌2020年1月号に掲載。  本研究では、Medline、EMBASE、Web of Scienceで太陽UVRへの曝露と乳がんリスクの関連を調査した研究すべてを検索し、太陽の下で過ごした時間と周囲のUVR(居住地の太陽の強さ)の推計値を使用して個別に分析した。関連はランダム効果モデルのDerSimonian-Laird法を用いて推定し、異質性はサブグループ解析とI2統計量で調べた。

肝細胞がん2次治療、ペムブロリズマブの有効性は?(KEYNOTE-240)/JCO

 既治療の進行肝細胞がん(HCC)患者に対する、ペムブロリズマブの有効性と安全性に関する結果が示された。第II相試験「KEYNOTE-224」において抗腫瘍活性と安全性が示されたことを踏まえて、無作為化二重盲検第III相試験「KEYNOTE-240」が実施されたが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のRichard S. Finn氏らは、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)が事前に規定された統計学的有意性を満たさなかったことを報告した。著者は、「KEYNOTE-240試験の結果はKEYNOTE-224試験と一致しており、既治療のHCC患者におけるペムブロリズマブのリスク対効果比が良好であることは裏付けられた」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年12月2日号掲載の報告。