整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:62

整形外科医は年間35件以上の手術を行う必要がある?/BMJ

 初回人工股関節全置換術(THA)を受けた患者コホートを分析した結果、手術経験が年間35件以下だった医師の手術を受けた患者の脱臼や再手術のリスクが、35件超の医師による手術の場合と比べて有意に増大していたことが、カナダ・トロント大学のBheeshma Ravi氏らによる検討の結果、明らかにされた。著者は、「合併症リスクを最小化するためにも年間35件の手術経験を課すことを検討すべきである」と述べている。また、このような整形外科医の経験値と合併症発生との関連の視覚化の手法は、どのような保険制度下にも適用でき、地方の保健医療当局にとって有用な情報となるであろうとまとめている。BMJ誌オンライン版2014年5月23日号掲載の報告より。

高齢者において腰椎変性疾患の手術は禁忌ではない

 腰椎変性疾患は整形外科医が日常診療において最もよく直面する疾患で、手術を必要とする患者も少なくない。スペイン・Hospital del Mar のDaniel Perez-Prieto氏らの調査によれば、腰椎変性疾患の手術を受けた患者のQOLや満足度は、高齢者でも非高齢者と同様の改善が得られており、とくに機能障害の改善が高齢者で大きいことが判明した。

変形性股関節症への理学療法、害あって利なし/JAMA

 痛みを伴う変形性股関節症成人患者への理学療法は、痛みや機能性の改善には結びつかないことがオーストラリア・メルボルン大学のKim L. Bennell氏らが行った無作為化試験の結果、示された。また軽度ではあったが有害事象の頻度が高く、著者は、「同患者に対する理学療法プログラムの有益性について疑問を呈する結果となった」とまとめている。症候性変形性股関節症に対してガイドラインでは、薬物治療ではなく理学療法を用いる保存治療が推奨されている。しかし理学療法は、コストがかかることに加えて有効性のエビデンスがそれほど確立されておらず限定的だった。JAMA誌2014年5月21日号掲載の報告より。

ネットを介したポジティブ活動介入でも疼痛を緩和できるか

 先行研究において、ポジティブな状態になると疼痛が軽減し、疼痛への耐性が高まることが、実験的な研究において明らかになっている。米国・ピッツバーグ大学のLeslie R.M. Hausmann氏らは今回、日常生活においてポジティブな活動を行うことが実際に疼痛を軽減させるかについて、オンラインを利用した介入研究を行った。