アレルギー科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:39

新規アトピー性皮膚炎治療薬dupilumab、第IIb相試験で肯定的な結果

 サノフィ株式会社とRegeneron社は2014年7月22日、中等度から重度のアトピー性皮膚炎患者を対象とした dupilumabの第IIb相試験のプレスリリースを発表した。その結果、dupilumab群はいずれの用量においても、用量依存的に主要評価項目を改善したことが示された。今回の結果を踏まえて、Regeneron社のジョージ・D・ヤンコポロス氏は、「本研究は IL-4/IL-13経路がアレルギー疾患の根本的役割を担っている可能性を示した。IL-4/IL-13のシグナル伝達を阻害することにより、アトピー性疾患に対する重要な新しい治療法が生まれる可能性がある」と述べている。

喘息患者へのビタミンD3、治療失敗や増悪を改善しない/JAMA

 成人喘息患者に対するビタミンD3の投与は、ステップ1の吸入ステロイド薬治療の失敗や増悪を改善しなかったことが、米国・ワシントン大学のMario Castro氏らが行った無作為化試験VIDAの結果、示された。著者は「症候性の喘息患者に対するビタミンD3投与の治療戦略について、裏づけは得られなかった」とまとめている。喘息などの疾患において、ビタミンD不足と有害転帰との関連が示唆されている。しかし、経口ビタミンD3の摂取により、吸入ステロイド薬治療を受けているビタミンD不足の喘息患者のアウトカムが改善するかについては、明らかではなかった。JAMA誌2014年5月28日号掲載の報告より。

抗TSLP抗体薬、アレルゲン誘発性喘息に有望/NEJM

 新規開発中の喘息治療薬AMG157について、軽症アレルギー性喘息患者に対する、抗アレルゲン誘発性喘息反応が確認された。カナダ・マックマスター大学のGail M. Gauvreau氏らが実証検証試験として行った二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。AMG157は、アレルギー性炎症にかかわる重大なサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)に結合し、受容体との相互作用を妨げる抗ヒトTSLPモノクローナル免疫グロブリンG2λとして開発中である。今回の結果について著者は「アレルギー性喘息患者における、アレルゲン誘発性の気道反応および持続性気道炎症に、TSLPが重要な役割を果たしていることが確認された。抗TSLP抗体薬が臨床的価値を有するかは確認できなかったが、所見は、さらなる検討を行い、喘息コントロール不良の患者へのAMG157の作用機序と有益性調査の実施を支持するものである」とまとめている。NEJM誌2014年5月29日号(オンライン版2014年5月20日号)掲載の報告より。