内科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:373

日本と米国における認知症ケア選択~横断的観察研究

 日本では、認知症者ができるだけ長く社会に関わっていけるようにするため、国策として「dementia-friendly initiative」を導入した。しかし、家族の介護負担を軽減するために特別養護老人ホームへの入所を選択する人もいる。政策を決定するうえで、介護する場所に対する中年の好みを理解し、それに影響を及ぼす要因を特定することは、「dementia-friendly initiative」の促進に役立つ。東京都医学総合研究所の中西 三春氏らは、認知症を発症した際の、日本と米国の中年におけるケアの好みについて調査を行った。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2019年7月7日号の報告。

夜間頻尿が転倒や骨折に及ぼす影響

 夜間頻尿はさまざまな併存疾患と関連しているが、転倒や骨折への影響はわかっていない。今回、フィンランド・Paijat-Hame Central HospitalのJori S. Pesonen氏らが系統的レビューおよびメタ解析を行った結果、夜間頻尿により転倒リスクが約1.2倍、骨折リスクが約1.3倍になることが示唆された。The Journal of Urology誌オンライン版2019年7月26日号に掲載。  本研究では、PubMed、Scopus、CINAHL、主要な泌尿器関連学会の抄録を2018年12月31日まで検索し、転倒および骨折の調整相対リスクについてランダム効果メタ解析を実施した。転倒および骨折の予後因子と原因となる因子としての夜間頻尿のエビデンスの質をGRADEアプローチにより評価した。

2型糖尿病リスク、遺伝的負荷と食事脂肪の交互作用なし/BMJ

 遺伝的負荷と食事脂肪の質は、それぞれ2型糖尿病の新規発生と関連しており、2型糖尿病の発生に関して遺伝的負荷と食事脂肪の質に交互作用はないことが、米国・マサチューセッツ総合病院のJordi Merino氏らCHARGE Consortium Nutrition Working Groupの検討で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年7月25日号に掲載された。2型糖尿病は、遺伝因子や生活習慣因子の影響を強く受ける複雑な疾患であり、食事の質の改善を目指す推奨は、2型糖尿病の予防と治療における重要な要因とされる。

日本のプライマリケア医における認知症診断の開示に関する調査

 日本の認知症患者は、2025年には700万人に達すると予測されている。現代の倫理学者たちの結論では、認知症診断を完全に開示することが患者にとって最善の利益につながるとされているが、この関連性は、日本ではまだ研究されていない分野である。浜松医科大学のMichiko Abe氏らは、認知症診断の開示の実践に対するプライマリケア医の見解について調査を行った。BMC Family Practice誌2019年5月23日号の報告。  このqualitatively driven mixed methods projectでは、農村部と都市部別のサンプルを用いて、プライマリケア医24人を対象に、半構造化面接を行った。すべてのインタビューは、言葉どおりに記録し、テーマ別に分析を行った。研究チームは、テーマが飽和に達するまで、コンセプトを繰り返し議論した。サマリーは参加者に配布し、フィードバックを最終分析に組み込んだ。

心房細動リスクが低いコーヒー摂取量~医師1万9千人の調査

 発作性心房細動患者ではコーヒー摂取が心房細動のトリガーとしてしばしば報告されているが、コーヒー摂取と心房細動リスクの関連を検討した前向き研究の結果は一貫していない。今回、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のVijaykumar Bodar氏らが男性医師で調査したところ、1日1~3杯のコーヒー摂取で心房細動リスクが低いことが示唆された。Journal of the American Heart Association誌2019年8月6日号に掲載。  本研究は、Physicians' Health Study(1万8,960人)に参加した男性医師における前向き調査。コーヒー摂取量は自己申告による食事摂取頻度調査票により評価した。心房細動発症率は年次調査票により評価し、副次サンプルの診療記録により検証した。Cox比例ハザードモデルを用いて心房細動のハザード比と95%信頼区間(CI)を計算した。

日本における不眠症のためのインターネットベース認知行動療法に関する調査

 不眠症に対する認知行動療法(CBT)は、インターネットを用いることにより、低コストで普及できる可能性がある。しかし、インターネットベースのCBTによる不眠症治療へのニーズは、十分に調査されていない。千葉大学の佐藤 大介氏らは、不眠症治療へのニーズを評価するため、匿名のオンライン調査を実施した。JMIR Formative Research誌2019年5月15日号の報告。  関東地方に在住する600人が、オンライン調査を通じて集められた。参加者は、薬物治療をしている不眠症患者200人、薬物治療をしていない不眠症患者200人、非不眠症200人の3つのサブグループに分類された。調査内容は、アテネ不眠尺度を用いた不眠症重症度、睡眠薬の使用頻度および使用満足度、CBTに関する知識、薬物治療前の不眠症に対するCBTの治療選択ニーズ、薬物治療と比較したCBTの治療選択ニーズ、対面式CBTと比較したインターネットベースでのCBTの治療選択ニーズとした。

高血圧治療戦略、心血管疾患予防にはQRISK2準拠が望ましい/Lancet

 心血管疾患リスクスコアに基づいた治療戦略「QRISK2≧10%」は、NICEガイドライン2011年版の約1.4倍、同2019年版の約1.2倍多く心血管疾患を予防可能であるという。英国・ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のEmily Herrett氏らが、英国で用いられている高血圧治療戦略の意義を検証した後ろ向きコホート研究の結果を報告した。血圧スペクトル全体での血圧低下が有益であるという強力なエビデンスにもかかわらず、世界中で広く推奨されている降圧療法は主に血圧閾値を目標としており、リスクに基づいて治療を決定することの効果とその後の心血管疾患の発生については明らかになっていなかった。Lancet誌オンライン版2019年7月25日号掲載の報告。

夜間頻尿があると死亡リスクが1.3倍に

 夜間頻尿は睡眠障害の主な原因であり、併存症の増加とQOLの低下に関連しているが、死亡への影響は不明である。今回、フィンランド・Paijat-Hame Central HospitalのJori S. Pesonen氏らが系統的レビューおよびメタ解析を行った結果、夜間頻尿がある人は死亡リスクが約1.3倍に増加することが示唆された。The Journal of Urology誌オンライン版2019年7月31日号に掲載。  本研究では、PubMed、Scopus、CINAHL、主要な泌尿器関連学会の抄録を2018年12月31日まで検索した。ランダム効果メタ解析で夜間頻尿者の死亡の調整相対リスクを調べ、メタ回帰分析でバイアスリスクを含む異質性の潜在的な決定因子を調べた。死亡の予後危険因子あるいは死亡原因としての夜間頻尿のエビデンスの質を、GRADEフレームワークを用いて評価した。

妊娠中の新型インフルワクチン接種、出生児5歳までのアウトカム/BMJ

 妊娠中に受けた2009年パンデミックH1N1(pH1N1)インフルエンザワクチン接種と、出生児の5歳までの健康アウトカムについて、ほとんど関連性は認められないことが、カナダ・オタワ大学のLaura K. Walsh氏らにより報告された。10万例超の出生児を対象に行った後ろ向きコホート試験の結果で、若干の関連性として、喘息の増加と消化器感染症の低下が観察されたが、著者は「これらのアウトカムは、さらなる検討で評価する必要がある」と述べている。BMJ誌2019年7月10日号掲載の報告。

トラックドライバーの日中の眠気とアルコール消費との関係

 商用車ドライバーの交通事故の主な原因として、日中の過度な眠気(excessive daytime sleepiness:EDS)が挙げられる。アルコール消費は、睡眠に直接的な影響を及ぼし、翌日の注意力やパフォーマンスに悪影響を及ぼす。順天堂大学のRonald Filomeno氏らは、日本の商用トラックドライバーにおけるアルコール消費とEDSとの関係および、このことが公衆衛生に及ぼす影響について横断的研究を実施した。Occupational Medicine誌オンライン版2019年7月2日号の報告。