未破裂脳動静脈奇形(bAVMs)の長期アウトカム、保存療法が良好(コメンテーター:中川原 譲二 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(214)より- 未破裂脳動静脈奇形(bAVMs)の治療については、ARUBA試験〔死亡または脳卒中リスクに関して、保存療法と介入療法とを比較することを目的とした多施設共同非盲検無作為化試験:Lancet誌オンライン版2013年11月19日号掲載〕により、短期的には保存療法のほうが介入療法よりも優れていることが明らかにされたが、保存療法の優位性は長期の比較データがなかったために不明であった。スコットランド・エディンバラ大学のRustam Al-Shahi Salman氏らが、204例について行った住民ベースの発端コホート試験の結果、保存療法の長期アウトカムは介入療法よりも良好であることが明らかにされた(JAMA誌4月23・30日号掲載の報告より)。
健康的なライフスタイルで脳卒中発症が3分の2に 独・ハイデルベルク大学のKaja Tikk氏らは、欧州の前向き研究であるがん栄養調査(EPIC)のハイデルベルクコホートを分析し、ライフスタイルでの脳卒中の主な危険因子について、中年男女における一次予防の可能性を評価した。その結果、過体重、喫煙、多量飲酒、不健康な食事、運動不足を避けることが脳卒中の強力な一次予防になる可能性が確認された。Stroke誌オンライン版2014年5月29日号に掲載。
脳卒中対応救急車の導入による効果/JAMA CT機器や遠隔医療接続装置などを備えた脳卒中対応救急車、通信指令係の段階でのスクリーニングなどの専門的システムの構築により、急性虚血性脳卒中に対する通報から血栓溶解療法開始までの所要時間は、有害イベントの増大なく15~25分短縮したことが報告された。ドイツ・ベルリン大学附属シャリテ病院のMartin Ebinger氏らが、6,000例超について行った試験で明らかにした。JAMA誌2014年4月23・30日号掲載の報告より。
特発性頭蓋内圧亢進症、アセタゾラミド投与のエビデンス/JAMA 軽度視力低下を有する特発性頭蓋内圧亢進症(IIH)患者への、減量目的の減塩食療法+アセタゾラミド(商品名:ダイアモックス)治療は、減塩減量食単独療法と比較して、わずかだが視野の改善に結びついたことが示された。米国・アイオワ大学のMichael Wall氏らNORDIC Idiopathic Intracranial Hypertension研究グループが、165例を対象とした多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。IIHは主に妊娠可能年齢の肥満女性にみられる。治療薬として一般にアセタゾラミドが用いられているが、使用の根拠を裏付ける情報は十分とは言えなかった。JAMA誌2014年4月23・30日号掲載の報告より。
急性虚血性脳卒中へのt-PA開始、全国的取り組みで有意に改善/JAMA 急性虚血性脳卒中への組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)投与の適時開始を推進するため、米国では2010年1月から全国的な質的改善の取り組み「Get With The Guidelines-Stroke」が始められた。その成果についてカリフォルニア大学のGregg C. Fonarow氏らが調べた結果、60分未満で開始するというdoor-to-needle time(DTN時間)内での実施率は、取り組み開始直前四半期の29.6%から開始後最終四半期には53.3%まで増え、それに伴い院内死亡、頭蓋内出血の発生は低下し自宅に退院する患者の割合は増加していたことが明らかになった。JAMA誌2014年4月23・30日号掲載の報告より。
未破裂脳動静脈奇形の長期アウトカム、保存療法が良好/JAMA 未破裂脳動静脈奇形(bAVMs)に対し、血管内塞栓術や神経外科的切除などを行った場合と比べて、行わないほうが長期アウトカムは良好であることが明らかにされた。スコットランド・エディンバラ大学のRustam Al-Shahi Salman氏らが、204例について行った住民ベースの発端コホート試験の結果、報告した。これまで介入治療が保存療法よりも優れているのかについては、長期比較のデータが不足していたため判明していなかった。JAMA誌4月23・30日号掲載の報告より。
PETが植物状態における意識回復の予測に有用/Lancet 脳18F-フルオロデオキシグルコース(FDG)PET検査は、無反応覚醒症候群(unresponsive wakefulness syndrome、植物状態)患者のベッドサイドの臨床検査として補完的に使用可能であり、意識回復の長期的な予測に有用であることが、ベルギー・リエージュ大学病院のJohan Stender氏らの検討で示された。無反応覚醒症候群や最小意識状態(minimally conscious state)は、ベッドサイド診療で誤診されることが多いという。PETや機能的MRI(fMRI)などの神経画像検査は、理論上は無反応覚醒症候群と最小意識状態の鑑別が可能であり、予後予測に有用である可能性があるが、診断能の臨床的な妥当性は確立されていない。Lancet誌オンライン版2014年4月16日号掲載の報告。
膠芽腫の新規診断例に対する治療、ベバシズマブの上乗せ効果得られず(コメンテーター:中川原 譲二 氏)-CLEAR! ジャーナル四天王(191)より- 血管内皮増殖因子Aに対するヒト化モノクロナール抗体:ベバシズマブ(商品名:アバスチン)は、わが国では昨年6月に初発および再発の悪性神経膠腫(膠芽腫)の治療薬として製造販売承認されたばかりであるが、膠芽腫の新規診断例の治療においてベバシズマブの上乗せ効果が得られないことがNEJMの2月20日号に相次いで報告され、ベバシズマブに対する過度の期待を戒めている。
中大脳動脈領域梗塞の減圧開頭術、高齢者でも有益/NEJM 悪性中大脳動脈領域梗塞を起こした61歳以上の高齢患者に対する減圧開頭術は、重度の障害を伴わない生存者を増大することが、ドイツ・ハイデルベルク大学のEric Juttler氏ら「DESTINY II」共同研究グループによる検討の結果、示された。大部分の生存者は介助を必要としたが、その大半は身体的ニーズだった。先行研究により、中大脳動脈領域全体、またはほぼ全体に梗塞を起こした60歳以下の患者において、早期の減圧開頭術は死亡率を低下し重度障害リスクも増大しないことが示されていた。しかし高齢患者において同様のベネフィットがあるのかは不明であった。NEJM誌2014年3月20日号掲載の報告より。