過去30年間における世界の頭痛有病率~世界疾病負荷研究

近年、頭痛は世界的な健康課題として大きく注目されている。この懸念は、とくに低~中所得国で顕著であり、青少年や若年成人における有病率の増加に現れている。このような頭痛の急増により、頭痛患者のQOLは常に低いものとなっている。しかし、世界的な影響にもかかわらず、若年層を対象に頭痛の影響を調査した包括的な研究は、いまだ十分ではない。中国・上海交通大学のXin-Yu Li氏らは1990~2019年の30年間にわたり、15~39歳における頭痛の世界的な有病率を定量化するため、本研究を実施した。結果を踏まえて著者らは、片頭痛と緊張性頭痛(TTH)は世界の健康において大きな課題であるとし、その影響の強さは国によって違いがあり、女性、30~39歳、社会人口統計学的指数(SDI)が高い集団においては、とくに影響が大きいと指摘している。The Journal of Headache and Pain誌2023年9月18日号の報告。