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2024/07/10
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2024-06-24 ~ 2024-06-30

2024/06/26

T1N0のHER2+乳がんへの術後トラスツズマブ、生存ベネフィットは

医療一般

 腫瘍径が小さく、リンパ節転移のないHER2陽性乳がん患者において、化学療法の有無にかかわらず術後トラスツズマブ療法が無浸潤疾患生存期間(iDFS)を有意に改善することが、米国臨床腫瘍学会のデータベースを用いた多施設共同後ろ向き解析により示された。米国・オハイオ大学のKai C. C. Johnson氏らによるNPJ Breast Cancer誌2024年6月19日号への報告より。  米国臨床腫瘍学会のCancerLinQデータベースを用いて、2010~21年の間に診断され、局所療法のみまたは局所療法+術後トラスツズマブ療法(+/-化学療法)を受けたT1a~c、N0のHER2陽性乳がん患者の生存転帰が比較された。主要評価項目はiDFSと全生存期間(OS)であった。

日本人高齢者におけるうつ病、認知症、死亡リスクの関係〜JAGES縦断的研究

医療一般

 日本人高齢者を対象とした全国コホートに基づき、中国・広東薬科大学のShan Wu氏らは、うつ病、認知症、すべての原因による死亡率の関連および用量反応関係を調査した。The Journals of Gerontology. Series B, Psychological Sciences and Social Sciences誌オンライン版2024年5月23日号の報告。  2010〜19年に実施された日本老年学的評価研究(JAGES)の65歳以上の参加者4万4,546例を対象に縦断的研究を実施した。抑うつ症状は老年期うつ病評価尺度(GDS-15)、認知症は公的な長期介護保険(LTCI)を用いて評価した。うつ病の重症度が認知症の発症率およびすべての原因による死亡率に及ぼす影響を評価するため、Fine-gray modelおよびCox比例ハザードモデルをそれぞれ用いた。認知症を介したうつ病とすべての原因による死亡率との関連性の評価には、因果媒介分析(CMA)を用いた。

塩分の多量摂取はアトピー性皮膚炎のリスク?

医療一般

 ナトリウムの多量摂取はアトピー性皮膚炎のリスクと関連しているのか。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のBrenda M. Chiang氏らは、これまでほとんど明らかにされていない食事とアトピー性皮膚炎との関連性について、一般住民を対象とした大規模コホート研究で、食事によるナトリウム摂取量の増加とアトピー性皮膚炎の関連性を調べた。その結果、ナトリウム摂取量が増加するとアトピー性皮膚炎の罹病リスクが上昇した。著者らは「食事によるナトリウム摂取量を制限することが、アトピー性皮膚炎に対する費用対効果が高く低リスクの介入となる可能性が示唆された」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2024年6月5日号掲載の報告。

抗肥満薬使用時に推奨される食事療法

医療一般

 GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)を中心とする抗肥満薬を使用する際の栄養上の推奨事項をまとめた論文が、「Obesity」に6月10日掲載された。米イーライリリー社のLisa Neff氏らの研究の結果であり、同氏は「本報告は、抗肥満薬による治療を行う臨床医に対して、最適な栄養と介入効果を患者にもたらすための知識とツールを提供することを目指した」と語っている。なお、イーライリリー社は米国において、GLP-1RAであるチルゼパチドを抗肥満薬「zepbound」として販売しており、国内でも承認申請中。

新たな男性用避妊ジェル、第2相試験で有望な結果

医療一般

 新しいジェル状のホルモン剤が男性用の避妊法として有望な可能性を示した第2相試験の結果が報告された。2種類のホルモン剤を組み合わせたこの避妊ジェルは、ホルモン剤をベースにした他の実験的な男性用避妊薬よりも短期間で精子の生産を抑制することが示されたという。米国立衛生研究所(NIH)の避妊薬開発プログラム主任であるDiana Blithe氏らによるこの研究は、米国内分泌学会(ENDO 2024、6月1〜4日、米ボストン)で発表された。Blithe氏は、「男性にとって、安全で効果が高く、可逆的であることが確実な避妊法の開発は、アンメットニーズである」と述べている。

心臓足首血管指数は心不全の予後と関連

医療一般

 動脈硬化の指標とされる心臓足首血管指数(cardio-ankle vascular index;CAVI)は、心不全入院患者の予後と有意に関連するという研究結果が発表された。東邦大学大学院医学研究科循環器内科学の木内俊介氏らが日本人患者を対象に行った研究であり、「Journal of Clinical Medicine」に5月6日掲載された。  大動脈は「Windkessel効果」と呼ばれる機能を持ち、収縮期に左室から拍出された血液の一部は大動脈に蓄えられ、その血液は拡張期に末梢に送り出される。この血管機能の破綻は心不全の一因とされるが、血管機能障害と心不全の予後との関係は完全には解明されていない。また、心不全の治療は進歩しているものの、心不全患者の死亡率や再入院率は低下しておらず、適切な予後の評価と治療が重要となる。

2024/06/25

重症敗血症へのβ-ラクタム系薬投与、持続と間欠の比較(BLING III)/JAMA

ジャーナル四天王

 重症敗血症患者に対するβ-ラクタム系抗菌薬による治療では、間欠投与と比較して持続投与は、90日の時点での死亡率に有意差を認めないことが、オーストラリア・Royal Brisbane and Women's HospitalのJoel M. Dulhunty氏らが実施した「BLING III試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年6月12日号で報告された。  BLING III試験は、7ヵ国の104の集中治療室(ICU)で実施した非盲検無作為化第III相試験であり、2018年3月~2023年1月に参加者を登録し、2023年4月に90日間の追跡を完了した(オーストラリア・国立保健医療研究評議会などの助成を受けた)。

経口選択的心筋ミオシン阻害薬aficamtenは症候性の閉塞性肥大型心筋症患者の最高酸素摂取量を有意に増加する(解説:原田和昌氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

閉塞性肥大型心筋症(HOCM)患者の運動耐容能低下、および運動を制限する症状の主な決定因子の1つは、左室流出路狭窄による心内圧上昇である。経口選択的心筋ミオシン阻害薬aficamtenは、心筋の過収縮を抑制することで左室流出路圧較差を減少させる。SEQUOIA-HCM試験は症候性HOCMを有する成人を、aficamtenまたはプラセボに無作為に割り付けた第III相二重盲検試験である。PIのMaron MS氏はMaron BJ先生の息子さんである。主要エンドポイントは最高酸素摂取量のベースラインから24週までの変化量で、心肺運動負荷試験にて評価した。副次的エンドポイントは24週までのKCCQ-CSSの変化量、NYHA機能分類の改善、バルサルバ手技後の圧較差の変化量、バルサルバ手技後の圧較差30mmHg未満、中隔縮小治療の適応の有無、およびこれらの12週までの変化量、24週での心肺運動負荷時の総仕事量の変化であった。

米国アカデミー、Long COVIDの新たな定義を発表

医療一般

 米国科学・工学・医学アカデミー(NASEM)※は6月11日、「Long COVIDの定義:深刻な結果をもたらす慢性の全身性疾患(A Long COVID Definition A Chronic, Systemic Disease State with Profound Consequences)」を発表した。Long COVID(コロナ罹患後症状、コロナ後遺症)の定義は、これまで世界保健機構(WHO)や米国疾病予防管理センター(CDC)などから暫定的な定義や用語が提案されていたが、共通のものは確立されていなかった。そのため、戦略準備対応局(ASPR)と保健次官補室(OASH)がNASEMに要請し、コンセンサスの取れたLong COVIDの定義が策定された。全166ページの報告書となっている。本定義は、Long COVIDの一貫した診断、記録、治療を支援するために策定された。

医師が年収アップのために行っていることは?/医師1,000人アンケート

医療一般

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身のワークライフバランスの希望や、年収を増やすために行ったこと/行っていることについて尋ねた。  調査では、年収とワークライフバランスの希望について、(1)勤務時間は大きく増えてもよいので、年収を大きく増やしたい、(2)勤務時間は少し増えてもよいので、年収を少し増やしたい、(3)年収は少し減ってもよいので、勤務時間を少し減らしたい、(4)年収は大きく減ってもよいので、勤務時間を大きく減らしたい、の4つから最も近いものを選んでもらった(以下、それぞれ「勤務時間大きく増/年収大きく増」、「勤務時間やや増/年収やや増」、「勤務時間やや減/年収やや減」、「勤務時間大きく減/年収大きく減」)。年収を増やすために行ったこと/行っていることはフリーコメントで記載してもらった。

日本における入院患者のせん妄に対する新規睡眠導入薬の予防効果〜レトロスペクティブコホート研究

医療一般

 新規睡眠導入薬であるラメルテオン、スボレキサント、レンボレキサントなどは、せん妄の高リスク患者の予防に有用であることが示唆されている。しかし、入院患者において、すべての新規睡眠導入薬のせん妄予防効果を同時に評価した研究は、これまでなかった。久留米大学の逸見 竜次氏らは、精神疾患以外で一般内科および外科に入院し、不眠症のリエゾン介入を受けた患者を対象に、睡眠導入薬の使用とせん妄予防との関連を明らかにするため、本研究を実施した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2024年6月3日号の報告。

睡眠時無呼吸は将来の入院リスクと関連

医療一般

 睡眠時無呼吸を有する50歳以上の人では症状がない人に比べて、将来、病気で入院するオッズが21%高いことが新たな研究で明らかになった。この研究を実施した米フロリダ大学医学部のChristopher Kaufmann氏は、「この結果は、過体重、健康不良、うつ病といった医療サービス利用の増加に寄与する可能性のある因子を考慮した後でも変わらなかった」と話している。この研究結果は、米国睡眠学会および睡眠研究学会の年次総会(SLEEP 2024、6月1〜5日、米ヒューストン)で発表され、要旨が「Sleep」5月増刊号1に掲載された。

軽い健康問題なら薬剤師による治療が低コストの選択肢に

医療一般

 薬剤師が軽症の疾患を治療できるようにすることで、患者の治療費を抑えられるとともに、より多くの人が医療にアクセスできるようになり、何百万ドルもの医療費を削減できる可能性のあることが、米ワシントン州立大学薬物療法学准教授のJulie Akers氏らの研究で示された。研究結果は、「ClinicoEconomics and Outcomes Research」に5月3日掲載された。  この研究で検討の対象となった米ワシントン州では、1979年以降、医師から特定の医薬品を処方および投与する許可を得た薬剤師には、患者を治療する法的権利が認められている。薬剤師はその教育の一環として、日常的によく見られる疾患の臨床評価の研修を受けており、OTC医薬品(市販薬)で治療可能な疾患についての助言を行っている。薬剤師が関与できるレベルをさらに上げて、患者を治療する権利である「処方権」を与えれば、薬剤師は、OTC医薬品では不十分な場合に医療用医薬品を処方することも可能になる。

日本の大学生の2割がロコモ

医療一般

 日本の大学生400人以上を対象とした研究の結果、ロコモティブシンドローム(ロコモ)の有病率が20%を超えていることが示された。また、ロコモと関連する要因は男性と女性で違いがあることも明らかとなった。国際医療福祉大学理学療法学科の沢谷洋平氏、同大学医学部老年病学講座の浦野友彦氏らによる研究であり、「BMC Musculoskeletal Disorders」に5月10日掲載された。  ロコモは、運動器の障害により起立や歩行などの移動機能が低下した状態であり、ロコモが進行すると最終的には介護が必要となる。若年者にも一定の割合でロコモの兆候が見られると報告されているが、10代~20代の若年者を対象とする研究は不足している。また、男性と女性では筋力や体格に違いがあるため、ロコモと関連する要因も性別により異なる可能性がある。

2024/06/24

GCG/GLP-1作動薬survodutide、MASHの改善に有望/NEJM

ジャーナル四天王

 線維化の進行を伴わないmetabolic dysfunction-associated steatohepatitis(MASH)の改善に、グルカゴン(GCG)受容体+GLP-1受容体の二重作動薬であるsurvodutideはプラセボとの比較において優れることが、米国・バージニア・コモンウェルス大学のArun J. Sanyal氏らが行った第II相無作為化試験の結果で示された。著者は、「第III相試験でさらなる評価を行う必要がある」と述べている。GCG受容体+GLP-1受容体の二重作動薬はGLP-1受容体作動薬単独よりも、MASHの治療において有効であることが示されているが、肝線維化を伴うMASH患者におけるsurvodutideの有効性と安全性は明らかにされていなかった。NEJM誌オンライン版2024年6月7日号掲載の報告。

CABG後1年間のDAPT、術後5年のMACEを有意に抑制/BMJ

ジャーナル四天王

 冠動脈バイパス術(CABG)後1年間のチカグレロル+アスピリンによる抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)は、アスピリン単剤療法やチカグレロル単剤療法に比べ、術後5年間の主要有害心血管イベント(MACE)発生リスクを有意に低下させたことが、中国・上海交通大学医学院のYunpeng Zhu氏らによる無作為化試験「Different Antiplatelet Therapy Strategy After Coronary Artery Bypass Grafting(DACAB)試験」の5年フォローアップの結果で示された。チカグレロル+アスピリンのDAPTは、CABG後の伏在静脈グラフト不全の予防において、アスピリン単剤よりも効果的であることが示されている。しかしCABG後のDAPTの、臨床アウトカムへの有効性については確定的ではなかった。DACAB試験ではこれまでに、DAPTがアスピリン単剤と比較して1年後の静脈グラフト開存率を有意に改善したことが示されていた。BMJ誌2024年6月11日号掲載の報告。

将来のイベント予防のためにPCIを行う余地はあるのか?(解説:山地杏平氏)

CLEAR!ジャーナル四天王

FAME研究において、部分冠血流予備量比(FFR)が0.80以上で虚血陰性と判断された病変では、経皮的冠動脈形成術(PCI)を行わないほうが、イベントが少ないことが示されました。一方で、FFRが0.80以上であり、侵襲的な治療を行わなかった病変においても、一定の頻度で進行による再血行再建や急性冠症候群の発症が見られることがあります。PREVENT試験では、PCIの適応とならないFFRが0.80以上の中等度狭窄病変において、血管内イメージングを用いて不安定プラークが存在した場合に、PCIが最適な内科治療(OMT)と比較して予後を改善するかどうかを無作為比較されました。2年間の追跡時点での心臓死、心筋梗塞、再血行再建術、不安定狭心症による入院が主要エンドポイントとして設定され、PCI群で3例(0.4%)、OMT群で27例(3.4%)と有意に差を認めました。OMT群でのイベントの内訳は、心臓死6例、心筋梗塞13例、再血行再建術29例、不安定狭心症による入院12例であり、一般的な臨床研究におけるイベントと同等のものであり、とくに偏ったものではなかったようです。

片頭痛患者に対するフレマネズマブ治療の日本における費用対効果

医療一般

 日本においてフレマネズマブは、反復性片頭痛(EM)および慢性片頭痛(CM)患者に対して有効な治療薬だが、その費用対効果は明らかになっていなかった。大阪・富永病院の竹島 多賀夫氏らは、日本の医療観点から、治療歴を有するEMおよびCM患者に対するフレマネズマブの費用対効果について標準治療(SOC)との比較を行った。PharmacoEconomics誌オンライン版2024年5月21日号の報告。  フレマネズマブとSOCの有効性および健康関連QOLに関連するデータを分析するため、マルコフモデルで推定回帰モデルを行った。モデルには、さらに文献データを追加した。調整された日本の医療観点には、生産性の損失も含めた。主なモデルアウトカムは、質調整生存年(QALY)、コスト(2022年時点の日本円)、増分費用効果比(ICER)を含む費用増加アウトカムとした。分析は、EM患者とCM患者の個別に実施し、その後組み合わせた。費用と効果は、年率2.0%の割引を行った。

長距離フライト中の飲酒は心臓に悪影響を与える可能性も

医療一般

 飛行機に乗っている間、とりわけ長距離フライト中に飲酒すると、眠っている間に心臓の健康が脅かされる可能性のあることが、ドイツ航空宇宙センター・航空宇宙医学研究所のEva-Maria Elmenhorst氏らによる研究で示された。同研究では、飲酒と飛行機の巡航高度での機内気圧が組み合わさることで、血液中の酸素量が低下し、若くて健康な人でも心拍数が長時間にわたって上昇し続けることが示されたという。この研究結果は、「Thorax」に6月3日掲載された。

米国てんかんセンター協会がガイドライン改訂

医療一般

 米国てんかんセンター協会(National Association of Epilepsy Centers;NAEC)はこのほど、てんかんセンターが提供する医療に関するガイドラインを改訂。米ホフストラ大学ザッカー医学部のFred A. Lado氏らが作成したガイドラインの要約版が、「Neurology」に2月2日掲載された。  NAECは米国内の260以上のてんかんセンターが加盟している非営利団体で、1990年に初のガイドラインを発行。初版発行以降、約10年サイクルで改訂を重ねてきており、前回の改訂は2010年だった。今回の改訂に際してはPubMedとEmbaseを用いたシステマティックレビューが行われ、重複削除後の5,937報から197報を抽出。医師、患者、介護者、看護師、検査技師などさまざまなバックグランドを持つ41人から成る委員会が、それらの報告に基づき推奨の草案を作成。その後、修正デルファイ法によって最終的な合意を得るという手法により、信頼できるコンセンサスベースの推奨(trustworthy consensus-based statements;TCBS)として52項目がまとめられた。

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