「歯は大切に」認知症発症にも影響:久山町研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/04/10 日本人高齢者における、認知症発症に対する歯を失うことの影響を明らかにするため、九州大学の竹内 研時氏らは、久山町研究において調査を行った。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2017年3月8日号の報告。 認知症でない日本人成人(60歳以上)1,566例を対象に、5年間追跡調査を行った(2007~12年)。対象者をベースライン時の残存歯数により4群に分類した(20本以上、10~19本、1~9本、0本)。全ケースの認知症、アルツハイマー型認知症(AD)、脳血管性認知症(VaD)の発症に対する、歯を失うことによる影響のリスク推定値は、Cox比例ハザードモデルを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・調査期間中における全ケースの認知症発症は180例(11.5%)、AD発症は127例(8.1%)、VaD発症は42例(2.7%)であった。 ・潜在的な交絡因子で調整した後、残存歯数の減少に伴い、全ケースの認知症の多変量補正ハザード比が増加する傾向が示された(p for trend=0.04)。 ・全ケースの認知症は、20本以上群と比較し、10~19本群で1.62倍、1~9本群で1.81倍、0本群で1.63倍であった。 ・残存歯数とADリスクには逆相関が観察されたが(p for trend=0.08)、VaDリスクでは認められなかった(p for trend=0.20)。 著者らは「日本人において、歯を失うことは、全ケースの認知症およびADリスクの増加と関連している」としている。 関連医療ニュース 認知症になりやすい職業は 「最近、睡眠時間が増えた」は認知症のサインかも 米国の認知症有病率が低下、その要因は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Takeuchi K, et al. J Am Geriatr Soc. 2017 Mar 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22) [ あわせて読みたい ] Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで (2017/03/07) 突然やってくる!? 外国人患者さん対応エピソード集(2017/02/15) Dr.林の笑劇的救急問答12<下巻>(2017/02/07) 患者コミュニケーション塾(2017/01/20) スーさんの急変エコー 裏ワザ小ワザ (2017/01/07) ~プライマリ・ケアの疑問~ Dr.前野のスペシャリストにQ!【神経内科編】(2016/12/07) Dr.林の笑劇的救急問答12<上巻>(2016/10/07) Dr.加藤の「これだけ眼科」(2016/10/07) イワケンの「極論で語る感染症内科」講義 (2016/08/07) 総合内科専門医試験対策 “苦手”科目をクイック復習 2016 (2016/07/29)