30分以上の昼寝は、不整脈の一種である心房細動のリスク増加と関連するようだ。スペインで実施された新たな研究で、昼寝を30分以上する人では、昼寝の時間が30分未満の人に比べて、心房細動の発症リスクが90%高いことが明らかになった。フアン・ラモン・ヒメネス大学病院(スペイン)のJesus Diaz-Gutierrez氏らによるこの研究結果は、欧州心臓病予防学会(4月13〜15日、スペイン・マラガ)で発表された。
心房が十分に収縮できずに小刻みに震えることで脈が不規則になる状態を心房細動という。心房細動では、心房内の血液がよどんで血栓ができやすくなるため、脳卒中リスクも5倍になると研究グループは説明している。今回の研究でDiaz-Gutierrez氏らは、ナバーラ大学がスペインの大学卒業生を対象に実施している前向きコホート研究のデータを用いて、昼寝の長さと心房細動リスクとの関連を検討した。対象は、研究開始時には心房細動がなかった2万348人(平均年齢38歳、女性61%)。これらの対象者は、昼寝の平均時間に応じて、昼寝をしない群、短時間の昼寝(30分未満)をする群、30分以上の昼寝をする群の3群に分けられた。