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うつ病スクリーニングがたった2つの質問で可能

 高齢者に対するうつ病のスクリーニングは推奨されている。中国・香港中文大学のKelvin K F Tsoi氏らは、高齢者における2項目スクリーン(Two-Question Screen)の診断精度を評価し、ほかのうつ病スクリーニング法と比較した。2項目スクリーンの質問項目は、「過去1ヵ月間で、気持ちが落ち込んだり、憂鬱な気分、絶望的な気分になりましたか」および「過去1ヵ月間で、しばしば小さなことに悩まされたり、何をしても楽しくないと感じますか」である。The British journal of psychiatry誌オンライン版2017年2月16日号の報告。

インスリン療法の脱落理由、日本人における特徴は?

 日本の糖尿病患者と医師が認識しているインスリン療法の障壁を調査するために、京都大学の原島 伸一氏らは、8ヵ国が参加したGlobal Attitude of Patients and Physicians in Insulin Therapy(GAPP)スタディのサブ解析を実施した。その結果、インスリン療法を受けている日本人患者の多くが、おそらく低血糖への恐れやライフスタイルのために脱落する、もしくは治療を順守しないことがわかった。著者らは「患者のライフスタイルを妨げず、低血糖リスクを減少させるインスリン療法が必要」としている。Expert opinion on pharmacotherapy誌2017年1月号に掲載。

FXa阻害剤の抗炎症作用:日本のNVAF患者

 非弁膜症性心房細動(NVAF)例に対する第Xa因子(FXa)阻害剤の投与は、血液凝固マーカーだけでなく、血管炎症マーカーであるペントラキシン3(PTX3)も改善させることが、横浜栄共済病院の加藤 大雅氏らによる研究で明らかになった。これらのマーカーの変化が将来の心血管イベントリスクの低下と関連するかどうかを評価するためには、さらに大規模な前向き研究が必要である。Heart and vessels誌オンライン版2017年3月10日号の報告。

テロ襲撃後のPTSDやうつ病、2年前のバルド国立博物館襲撃事件より

 2015年3月18日、2人の武装勢力がチュニジア・チュニスのバルド国立博物館を襲撃し、23人の外国人観光客が犠牲となった。チュニジア・University of Tunis El ManarのFeten Fekih-Romdhane氏らは、人口統計学的要因および社会的支援に関連した、襲撃4~6週間後の博物館勤務者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)とうつ症状を評価し、PTSDとうつ症状の決定要因および予測因子を分析した。Community mental health journal誌オンライン版2017年2月7日号の報告。

僧帽弁閉鎖不全へのMitraClip、日本できわめて良好な初期成績~日本循環器学会

 重度の僧帽弁不全症(MR)への新たな治療法として期待されている新規デバイスMitraClip(アボットバスキュラージャパン社)の有効性と安全性に関する30日結果が、3月17~19日に金沢市で開催された第81回日本循環器学会学術集会にて発表された。本試験には全国6施設における、中等度~重度(3+)もしくは重度(4+)の閉鎖不全症(DMR)、または、機能性僧房弁閉鎖不全症(FMR)で、LVEF≧30%、STSスコア≧8%の外科的手術が難しい患者が参加した。クリップでの処置が不適な病変を有する患者や予後が1年未満である患者などは除外された。被験者の平均年齢は80歳超であり、平均STSスコアが約10%の高リスクな層であった。

自殺企図後も生き続けるためのプロセス

 うつ病は、自殺や自殺企図の強力な危険因子である。これまでの研究では、自殺企図へのパスウェイについて検討されてきたが、自殺克服のために重要な点について検討した研究はほとんどない。スウェーデン・ルンド大学のLisa Crona氏らは、自殺企図後、生き続けるための個人の戦略について検討を行った。BMC psychiatry誌2017年2月13日号の報告。

質の高い論文はここが違う~日本の無作為化比較試験

 読む価値のある論文を、アブストラクトで効率よくスクリーニングすることはできないだろうか。東京大学の米岡 大輔氏らが、どのような文章が質の高い無作為化比較試験(RCT)の指標となるのかを調べるために、日本のRCTの論文を評価したところ、質の高いRCTと質の低いRCTではアブストラクトの文章の特徴にいくつかの有意な差があることがわかった。著者らは、この結果がrisk-of-bias tool の代わりに、価値のある論文をすばやくスクリーニングする新たな判断基準として使用できるとしている。PLOS ONE誌2017年3月9日号に掲載。

MRI対応の新型S-ICD、AFモニタリング機能も:ボストン・サイエンティフィック

 現在日本では、1年間に約7万6,000人が心臓突然死により命を落としているといわれている。その心臓突然死に対する治療方法の1つとして植込み型除細動器(ICD)治療が存在する。ICD患者の半数以上が10年以内にMRI検査と推察されているが、心血管系の埋め込みデバイス患者へのMRI施行は長年にわたり禁忌である。このMRI検査とICD装着患者の安全性については議論が繰り広げられ、本サイトでもいくつかの記事が取り上げられている。

増殖性硝子体網膜症へのデキサメタゾンの有用性

 徐放性デキサメタゾン硝子体内インプラントは、増殖性硝子体網膜症(PVR)の硝子体手術後のアウトカムを改善するのか。英国・Moorfields Eye HospitalのPhilip J Banerjee氏らによる140例を対象とした前向き無作為化試験の結果、主要評価項目とした解剖学的改善を示した患者割合は、標準ケア群と同程度で有意差は示されなかった。試験結果を踏まえて著者は、「さらなる臨床試験によって解剖学的および視覚的アウトカムの改善が示唆されている。一方で、今回の試験では徐放性デキサメタゾン投与を受けた手術眼では、6ヵ月時点で嚢胞様黄斑浮腫(CMO)がより少なかったことが示された」としている。Ophthalmology誌オンライン版2017年2月22日号掲載の報告。

抗精神病薬のプロラクチンへの影響、ARPとQTPどちらが低い

 高プロラクチン血症は、抗精神病薬により問題となる副作用の1つである。これまで、高プロラクチン血症に関する第2世代抗精神病薬間での直接比較を行った臨床事例はほとんどない。スペイン・カンタブリア大学のBenedicto Crespo-Facorro氏らは、プロラクチンへの影響が少ないといわれている第2世代抗精神病薬の種類によりプロラクチンレベルに違いがあるか、それは性別により影響を受ける可能性があるかを検討した。Schizophrenia research誌オンライン版2017年2月17日号の報告。

日本成人の自殺予防に有効なスクリーニング介入:青森県立保健大

 自殺予防にスクリーニング介入が有効であることが示唆されている。しかし、中年期の自殺による死亡など、アウトカム対策への影響について報告された研究はほとんどない。青森県立保健大学の大山 博史氏らは、日本のコニュニティベースにおける介入群と対照群の自殺率の比較を行った。Psychological medicine誌オンライン版2017年2月14日号の報告。

心房細動患者のCCrとイベントの関連、日本の実臨床では?

 心房細動(AF)患者における非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)の投与量調節と禁忌患者の除外のために、クレアチニンクリアランス(CCr)が広く使用されているが、AF患者のCCrと有害な臨床転帰との関連をみたリアルワールドデータはほとんどない。今回、国立病院機構京都医療センターの阿部 充氏らは、日本のAF患者の大規模前向きコホートである「伏見心房細動患者登録研究」で、CCr 30mL/分未満の患者が脳卒中/全身塞栓症および大出血などのイベントと密接に関連していたことを報告した。The American Journal of Cardiology誌オンライン版2017年1月25日号に掲載。