医療一般|page:206

新型コロナ変異株「ミュー株」国内で2例確認/厚労省

 WHOが8月30日、感染性や重篤度・ワクチン効果などに影響を与える可能性が示唆される「注目すべき変異株(VOI)」に位置付けたことを発表した「ミュー株」について、厚生労働省は9月1日、これまでの検疫結果を改めて集計したところ、今年6月および7月に空港検疫で新型コロナウイルスの検査で陽性が確認された2例がミュー株と確認されたことを発表した。  WHOが8月31日に公表した週報によると、コロンビアで今年1月に初めて報告されたB.1.621系統の変異株が、8月30日にVOIと位置付けられ、ミュー株と命名された。これを受け、厚労省が国内の新型コロナウイルス感染症患者について国立感染症研究所の検査の結果を遡及的に調べたところ、2例がミュー株に該当したという。2例は空港検疫で確認され、▽6月26日にアラブ首長国連邦から成田空港に到着した40代女性▽7月5日に英国から羽田空港に到着した50代女性。いずれも無症状であった。

統合失調症と双極性障害を鑑別する多遺伝子リスクスコアと病前知能との関連

 統合失調症と双極性障害は、臨床的および遺伝的に類似している疾患であるにもかかわらず、統合失調症患者の知能障害は、双極性障害患者よりも重篤である。統合失調症と双極性障害を鑑別する遺伝子座(つまり統合失調症に特異的なリスク)は特定されている。統合失調症に特異的なリスクに対する多遺伝子リスクスコア(PRS)は、健康対照者よりも統合失調症患者で高くなるが、知能障害に対する遺伝的リスクの影響は、よくわかってない。岐阜大学の大井 一高氏らは、統合失調症に特異的なリスクが、統合失調症および健康対照者の知能障害を予測するかについて調査を行った。The International Journal of Neuropsychopharmacology誌2021年7月23日号の報告。

閉経前の進行乳がん1次治療、エベロリムス併用でPFS延長(MIRACLE)/JAMA Oncol

 選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)投与中に病勢進行したホルモン受容体(HR)陽性/HER2陰性の進行乳がんの閉経前女性を対象とした第II相無作為化試験(MIRACLE)で、レトロゾール単独に対して、エベロリムス併用で無増悪生存期間(PFS)延長が認められた。中国・Chinese Academy of Medical Sciences & Peking Union Medical CollegeのYing Fan氏らがJAMA Oncology誌オンライン版で報告。

オシメルチニブによるEGFR変異陽性肺がん術後補助療法を申請/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、オシメルチニブ(製品名:タグリッソ)について、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌(NSCLC)における術後補助療法」に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を実施した。  今回の申請は、米国、欧州、南米、アジア、中東の20ヵ国以上、200を超える施設で実施された第III相ADAURA試験の結果に基づき行われたもの。  ADAURA試験は、腫瘍完全切除後の術後補助療法としてStage IB、II、IIIAのEGFR遺伝子変異陽性(EGFRm)のNSCLC患者682例を対象に、オシメルチニブの術後補助療法に対する無作為化二重盲検プラセボ対照国際共同第III相試験である。患者はオシメルチニブ80mg1日1回経口投与で3年間または再発するまで治療を受けた

COVID-19重症化リスク因子ごとの致死率、年代別では?/厚労省アドバイザリーボード

 COVID-19の重症化リスク因子ごとの致死率についてHER-SYSデータを集計し年代別に解析したところ、どの年代でも慢性腎臓病が独立したリスク因子として示された。8月25日に開催された「第49回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(厚生労働省に対し、新型コロナウイルス感染症対策推進に必要となる医療・公衆衛生分野の専門的・技術的な助言を行うもの)の資料として報告された。  本結果は、COVID-19重症化リスク因子(慢性閉塞性肺疾患、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、慢性腎臓病、悪性腫瘍、肥満、喫煙、免疫抑制)を保有するCOVID-19患者の致死率について、2021年4月1日~6月30日(発生届ベース)のHER-SYSデータを集計し、年齢階級別(65歳以上、50~64歳、40~49歳)に解析したもの。

医療従事者のバーンアウトとそれに伴う仕事量の変化

 COVID-19感染流行に収束の兆しが見えない中、医療従事者の燃え尽き症候群(バーンアウト)が問題となっている。COVID-19感染流行前に、医師以外の医療従事者(HCW)における燃え尽き症候群(バーンアウト)と組織への満足度が、その後の仕事量の変化と関連するのかを調査した研究結果が、JAMA Network Open誌2021年8月20日号で報告された。  米メイヨー・クリニックのLiselotte N. Dyrbye氏らは、米国の複数の州にある地域密着型病院と医療施設において、2015年~2017年にかけてHCW(看護師、理学療法士、薬剤師、ソーシャルワーカー等)を対象に、バーンアウト及び組織への満足度と、その後24ヵ月間の仕事量の変化との関連を探る縦断的コホート研究を実施した。分析は2020年11月25日に完了した。主要アウトカムは、給与記録に記録されるフルタイム換算(FTE)単位で測定される仕事量の変化だった。バーンアウトの診断はMaslach Burnout Inventory(MBI)による情緒的消耗感と脱人格化の測定、組織への満足度は5段階アンケートで測定した。

倦怠感は日中の過度な眠気と独立して抑うつ症状と関連

 一般集団における倦怠感に対する睡眠障害や併存疾患の影響について、韓国・ソウル大学校病院のJun-Sang Sunwoo氏らが、調査を行った。Sleep & Breathing誌オンライン版2021年7月22日号の報告。  2018年に実施された韓国の横断調査より得られたデータを用いて、分析を行った。倦怠感の評価には、Fatigue Severity Scaleを用いた。就業日の睡眠時間、クロノタイプ、休日の睡眠不足を解消するための睡眠、日中の過度な眠気などの睡眠習慣および抑うつ症状、その他の併存疾患について調査した。倦怠感を従属変数として、多重ロジスティック回帰分析を行った。  主な結果は以下のとおり。

急性肝性ポルフィリン症治療薬ギボシランナトリウムを発売/アルナイラムジャパン

 アルナイラムジャパン株式会社は、急性肝性ポルフィリン症(AHP)の治療薬としてギボシランナトリウム(商品名:ギブラーリ皮下注)189mgを8月30日に発売した。本治療薬は、わが国における2成分目のRNA干渉(RNAi)治療薬で、同社が国内で上市・販売するパチシランナトリウム(同:オンパットロ)に続く、2番目の製品となる。  急性肝性ポルフィリン症は、遺伝子変異により肝臓内のヘム産生に必要な特定の酵素が欠如することで生じ、これによりヘム生成の途中段階で作られる神経毒性を持つ物質(ポルフィリン体など)が蓄積することで、重症かつ原因不明の腹痛、嘔吐および痙攣などの急性かつ消耗性の発作を特徴とする、遺伝性のまれな代謝性疾患。20~30代の女性に多く、発作中に麻痺や呼吸停止を引き起こす可能性もあることから、生命を脅かす危険もある。また、多くの患者で発作と発作の間も持続する疼痛などの持続症状を伴い、日常機能や生活の質(QOL)に悪影響を及ぼすとされている。急性肝性ポルフィリン症はその症状などから、婦人科疾患、ウイルス性胃腸炎、過敏性腸症候群(IBS)、虫垂炎などの他の疾患と診断されることもあり、他の疾患と診断された症例の約1/4で、急性肝性ポルフィリン症治療には必要のない、侵襲性の高い開腹手術などの処置が行われたとする国内データも報告されている。また、確定診断までの期間が10年以上に及ぶケースもあり、鑑別の難しさが課題となっている。

新たな変異有するコロナ・デルタ株確認、国内1例目/東京医科歯科大

 東京医科歯科大学は8月30日付のプレスリリースで、同大の附属病院を受診した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者から検出されたデルタ株から、N501S変異を有する新たなデルタ株の市中感染事例を確認したと発表した。N501S変異を有するデルタ株は、世界では8例報告されており、国内ではこれが初めての確認例となる。  東京医科歯科大学の武内 寛明准教授ら研究チームは、同大附属病院に入院もしくは通院歴のあるCOVID-19患者由来検体のSARS-CoV-2全ゲノム解析を進める中で、8月中旬のCOVID-19患者から検出されたデルタ株から、アルファ株主要変異(N501Y)の類似変異であるN501S変異を有する新たなデルタ株の市中感染事例を確認した。患者に海外渡航歴はなく、国内において新たな変異を獲得した可能性が極めて高いという。

新学期に向けてCOVID-19感染対策の提言/感染研

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデルタ株の猛威に社会が混乱している。とくに小児などの低年齢層のCOVID-19感染者数の増加により、新学期を前に学校・塾などの教育機関は、生徒を受け入れるべきか、リモートで授業を行うべきかの判断に悩み、その扱いは全国的に感染の強弱もあり一律ではない。  こうした状況の中で国立感染症研究所は、「乳幼児から大学生までの福祉施設・教育機関(学習塾等を含む)関係者の皆様への提案」を8月26日に公開した。  提案では、教職員の感染予防法の習熟やICTの活用の推進、ワクチン接種、体調確認アプリの活用など具体的な取り組みが示されている。

聖マリアンナ医大とMICINがDXに関する包括契約を締結

 聖マリアンナ医科大学と、株式会社MICINは、患者中心の医療実現を見据えた、ICT技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)に関する両社の協業活動について、戦略的包括協定を締結した。  同協定は、聖マリアンナ医科大学とMICINが各々のリソースや強みを活かし、医薬品等の開発における治験・臨床研究領域、並びに専門医療の提供において、ICT技術の活用を通し、DXの実装および推進をすることで、患者を中心とした治験の実施や地域デジタル医療のモデル作成を目的としている。

若年性認知症の世界的有病率~メタ解析

 認知症の症状が65歳以前に発現する若年性認知症については、信頼できる推定有病率が明らかとなっていない。有病率の推定は、政策立案時に適切な医療環境を組織するうえで必要となる。オランダ・マーストリヒト大学のStevie Hendriks氏らは、若年性認知症の世界的有病率の推定を試みた。JAMA Neurology誌オンライン版2021年7月19日号の報告。  1990年1月~2020年3月に公表された若年性認知症の有病率に関する人口ベースの研究を、PubMed、Embase、CINAHL、PsycInfoのデータベースよりシステマティックに検索した。65歳未満の認知症有病率に関するデータを含む研究を独立した2人のレビュアーによりスクリーニングし、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。30~34歳から60~64歳まで、5歳刻みの年齢層における若年性認知症の有病率を推定した。有病率の推定値をプールするため、変量効果メタ解析を実施した。結果は、世界標準人口による年齢調整を行った。性別、認知症サブタイプ、研究デザイン、世界銀行の分類に基づく経済状態によるサブグループ分析およびメタ解析により、不均一性を評価した。主要アウトカムは、5歳刻みの年齢層における若年性認知症の推定有病率とした。

農薬スピノサド0.9%局所投与、疥癬治療に有効

 要介護者のいる家庭や高齢者施設での感染問題で知られる疥癬は、ヒゼンダニが皮膚に寄生することで生じる伝染性皮膚疾患である。承認されたOTC薬はなく、承認された処方薬にも潜在的な耐性などの欠点があるが、土壌放線菌由来のマクロライド系殺虫剤スピノサドが、同治療薬として有効であることが示された。  米国・LSRN ResearchのJeffrey C. Seiler氏らが2つの無作為化試験の結果を解析し、4歳以上の被験者において、スピノサド0.9%懸濁液の1回局所投与が有効であったことを明らかにした。

子供たちはどこで感染しているのか/厚労省アドバイザリーボード

 全国的に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のデルタ株による感染者数が増加している。デルタ株の特徴は、広範かつ強力な感染力であり、陽性者も従来の高齢者や基礎疾患のある者から若年・中年層へと変化している。こうした社会環境の中で、新学期を控え、子供たちをこのまま就学をさせてよいかどうか、社会が揺れている。  8月25日に開催された厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(第49回)の資料で、「3~18歳の新型コロナウイルスの感染場所等」が示された。  調査はHER-SYSデータを用いて、年齢階級別(3~5歳、6~12歳、13~15歳、16~18歳)の感染場所について、それぞれの割合を算出した。なお、感染場所の入力率が非常に少ないという点に留意が必要(期間は2021年4月1日~2021年7月22日)。また、COVID-19陽性者のうち、17.8%が感染場所抽出可能であり、そのデータを利用した。

デルタ流行下、ワクチン完了者の感染・入院・死亡率は?/CDC

 米国・カリフォルニア州における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染者についての分析で、ワクチン未接種者はワクチン接種完了者と比較して感染率が4.9倍高く、入院率は29.2倍高かった。同地域ではデルタ株への感染が広がり、感染者の約9割と最も優勢となっていた。米国疾病予防管理センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)8月24日号での報告。  本解析では、ワクチン接種完了者を2回投与のワクチン(Pfizer-BioNTech社、Moderna社)の場合2回目投与後14日以上、1回投与のワクチン(Janssen社)の場合初回投与後14日以上経過した人と定義。ワクチン接種未完了者は2回投与のワクチンで初回投与後14日以上経過あるいは2回目投与後14日未満、1回投与のワクチンで初回投与後14日未満の人と定義された。

一部の抗がん剤の投与患者、新型コロナ感染率が低い/JAMA Oncol

 アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を減少させる可能性のある抗がん剤(mTOR/PI3K阻害薬や代謝拮抗薬など)を投与している患者では、他の抗がん剤の投与患者と比べて有意にSARS-CoV-2感染率が低かったことが、米国・Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのMichael B. Foote氏らのコホート研究で示された。JAMA Oncology誌オンライン版2021年8月19日号に掲載。  本研究では、まずLibrary of Integrated Network-Based Cellular Signaturesのデータベースを使用し、細胞株全体でACE2遺伝子の発現低下に関連する抗がん剤を特定した。次に、COVID-19パンデミック中にMemorial Sloan Kettering Cancer Centerでがん治療を受けていた1,701例の後ろ向きコホートについて、ACE2を減少させる抗がん剤での治療がSARS-CoV-2感染のオッズ比(OR)と関連があるかどうかを検討した。対象は、がんの積極的治療を受け、2020年3月10日~5月28日にSARS-CoV-2検査を受けた患者で、主要アウトカムはACE2を減少させる可能性のある抗がん剤による治療とSARS-CoV-2検査陽性との関連とした。

抗CGRP抗体エレヌマブによる急性頭痛薬の減少効果

 トリプタンやエルゴットなどの片頭痛に特異的な治療薬(migraine-specific medication:MSM)を含む急性期治療薬の過度な使用は、薬物乱用頭痛の出現など健康への悪影響につながる可能性がある。米国・Geisel School of Medicine at DartmouthのStewart J. Tepper氏らは、反復性および慢性片頭痛患者における急性期治療薬(とくにMSM)の減少に対するエレヌマブの効果について調査を行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年7月23日号の報告。  2つのエレヌマブの研究(反復性片頭痛患者955例および慢性片頭痛患者667例を対象とした試験とその後続試験)における二重盲検治療段階のデータを用いて、事後分析を行った。対象患者には、エレヌマブ(70または140mg)またはプラセボの月1回皮下投与を行った。毎日の急性期治療薬(MSMおよび非MSM)の使用については、治療開始4週前(ベースライン期間)から治療期間終了まで電子日誌を用いて記録した。アウトカムは、ベースライン時の急性頭痛薬使用患者における1ヵ月当たりの急性頭痛薬使用日数の変化、ベースライン時のMSM使用患者における1ヵ月当たりのMSM使用日数の変化、ベースライン時の非MSM使用患者における1ヵ月当たりの非MSM使用日数の変化として、測定を行った。

妊娠前の睡眠時間と産後うつ病~日本での多施設共同研究

 産後うつ病は、世界における主要な公衆衛生上の問題であり、臨床的優先事項として挙げられている。名古屋大学の松尾 聖子氏らは、妊娠前の睡眠時間と産後うつ病との関連について、調査を行った。Archives of Women's Mental Health誌オンライン版2021年7月13日号の報告。  日本の産婦人科病院12施設より収集した2014~18年に出産した女性の臨床データを用いて、多施設共同レトロスペクティブ研究を実施した。対象女性1万5,314人を妊娠前の睡眠時間に応じて5群に分類した(6時間未満、6~7時間、7~8時間、8~9時間、9時間以上)。妊娠前の睡眠時間が産後1ヵ月間のエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)のスコアに影響を及ぼすかを判断するため、単変量および多変量回帰分析を行った。また、産後うつ病リスクが、妊娠前の睡眠時間に応じて分類された女性において、以前の出産経験の有無により異なるかについても評価した。

ダパグリフロジン、日本で初めて慢性腎臓病に承認取得/AZ・小野

 アストラゼネカと小野薬品工業は、すでに糖尿病の薬物治療で広く使用されているアストラゼネカの選択的SGLT2阻害剤ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)について2型糖尿病合併の有無にかかわらず、わが国で初めて「慢性腎臓病(CKD)」の効能または効果の追加承認を、8月25日に取得したと発表した。  なお、今回のダパグリフロジンの承認は、第III相DAPA-CKD試験の肯定的な結果に基づき、厚生労働省に指定された優先審査に則り行われたもの。  CKDは、腎機能の低下を伴う重篤な進行性の疾患。わが国では約1,300万人が罹患していると推定されている。CKDを発症する最も一般的な原因疾患は、糖尿病、高血圧、慢性糸球体腎炎で、最も重篤な状態は末期腎不全(ESKD)と呼ばれ、腎障害および腎機能低下が進行し、血液透析や腎移植を必要とする状態となる。CKD患者の多くはESKDになる前に心血管系の原因によって死亡している。

東京五輪関連のCOVID-19発生状況は/感染研

 2021年7月23日より開催された東京2020オリンピック競技大会(東京五輪)。開催前より期間中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大が危惧され、社会的にさまざまな意見が交わされた。実際、大会に関連してCOVID-19の感染は発生したのだろうか。  この疑問に対し国立感染症研究所は、「東京オリンピック競技大会に関連した新型コロナウイルス感染症発生状況(速報)」を8月20日に発表した。  その結果、調査の定義に合致したCOVID-19症例は計453例だった。なお、調査の目的について同研究所は、東京五輪に関連したCOVID-19症例を振り返ることで、現在開催中の東京パラリンピック競技大会における感染症対策に資する情報として国内外に還元することとしている。