医療一般|page:500

ドナーの年齢や性別の不一致は予後に影響する?HCV感染/非感染者への肝移植

 C型肝炎ウイルス(HCV)感染者への肝移植は、50歳以上のドナーからの移植を回避することで、予後を向上させる可能性があることが、ポーランド・ワルシャワ医科大学のMichal Grat氏らの報告により明らかになった。一方、ドナーとレシピエントの性別の一致/不一致で予後が左右されることはなかった。Annals of transplantation誌2013年12月23日号の報告。

BPSD治療にベンゾジアゼピン系薬物治療は支持されるか

 米国・テキサス大学サンアントニオ校のRajesh R. Tampi氏らは、認知症の行動・心理症状(BPSD)に対するベンゾジアゼピン系薬物治療の有効性と忍容性に関する、無作為化試験のシステマティックレビューを行った。その結果、現状の入手できたデータは、限定的ではあるが、BPSDへのベンゾジアゼピン系薬物治療をルーチンに行うことを支持しないものであったことを報告した。ただし特定の状況では使用される可能性があることも示唆されている。American Journal of Alzheimer's Disease and Other Dementias誌オンライン版2014年3月6日号の掲載報告。

ヒトライノウイルス感染後の細菌感染、繰り返すCOPD増悪の原因に

 ヒトライノウイルス(HRV)感染後は、二次性細菌感染を起こすことがよくあり、これがCOPD増悪の再発の機序と考えられ、新たな治療に向けた潜在的なターゲットとなりうることが、ロンドン大学のSiobhan Nicole George氏らによって報告された。The European Respiratory Journal誌オンライン版2014年3月13日の掲載報告。  HRV感染はCOPD増悪の重要なトリガーであるが、増悪の自然史において、その頻度を決定づけるHRVのフェノタイプや感染後の経過についてはあまり知られていない。HRV(388サンプル)と肺炎球菌、インフルエンザ菌、モラクセラ・カタラーリス(89サンプル)の両方に関して、77例の患者からの喀痰サンプルをリアルタイム定量PCRによって分析した。増悪の定義は、日誌で呼吸器症状の悪化が認められた場合とした。

パーキンソン病患者の骨の状態は?―系統的レビューとメタ解析結果より―

パーキンソン病患者は健常者と比較して、骨粗鬆症および骨量減少ともにリスクが高く、とくに男性よりも女性でリスクが高いことが、英・West Middlesex病院のKelli M Torsney氏らによって明らかとなった。著者らはまた、パーキンソン病の患者では骨密度(BMD)も低く、骨折リスクが高まっていると示している。Journal of neurology, neurosurgery, and psychiatry誌オンライン版2014年3月11日号掲載の報告。

双極性障害における神経回路異常が明らかに

 双極性障害にみられる各種の行動異常と神経回路異常との関連について、米国・ピッツバーグ大学のMary L. Phillips氏らは神経画像を用いたこれまでの研究を検証した。その結果、前頭前野皮質と側頭皮質、扁桃体、海馬における灰白質の容量減少や白質路におけるFractional anisotropyの減少などを背景に、感情プロセスや感情制御さらに報酬機能の神経回路に異常が生じていることを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2014年3月14日号の掲載報告。

パーキンソン病の症状は栄養状態と関連しQOLにも影響

 パーキンソン病患者における栄養状態には、罹病期間と運動症状・精神症状(抑うつ・不安)・疲労感の重症度が関連していることが、イラン大学のSeyed-Mohammad Fereshtehnejad氏らによって明らかとなった。著者らはまた、健康関連QOL (HRQOL)のさまざまな側面が患者の栄養状態、とくに精神的安定と可動性領域に影響されることも示唆している。PLos One誌2014年3月7日号掲載の報告。

ロマンチックな恋愛は幸せか

 人は恋に落ちる。これまでの研究では青年、成人のどちらもロマンチックな恋愛の喜びや幸せといった精神状態を経験していることが示されている。一方で、思春期のロマンチックな恋愛は抑うつや不安症状と関連しているというエビデンスがあるが、成人におけるこれらのデータは存在しない。イラン・テヘラン大学のHafez Bajoghli氏らは、成人におけるロマンチックな恋愛と抑うつや不安、軽躁症状や睡眠との関連を調査した。International journal of psychiatry in clinical practice誌オンライン版2014年3月10日号の報告。

メチルフェニデートへの反応性、ADHDサブタイプで異なる

 注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、ドパミンおよびノルアドレナリン作動性神経伝達を介する前頭前皮質の変化に伴う神経発達障害である。神経ステロイド(アロプレグナノロン、デヒドロエピアンドロステロンなど) は、さまざまな神経伝達物質の分泌を調節する。スペイン・Complejo Hospitalario GranadaのAntonio Molina-Carballo氏らは、小児ADHD患者を対象とし、神経ステロイドの濃度ならびにメチルフェニデート服薬による臨床症状への効果および神経ステロイド濃度への影響を検討した。その結果、ADHDのタイプにより神経ステロイドはそれぞれ異なったベースライン濃度を示し、メチルフェニデートに対して異なる反応を呈することを報告した。Psychopharmacology誌オンライン版2014年3月6日号の掲載報告。

パーキンソン病患者でみられる衝動性にセロトニンが関与か

 パーキンソン病では、たとえ衝動制御障害を認めない場合でも、一般に衝動性がよくみられる。それは、ドパミン過剰遊離、運動制御にかかわる前頭葉-線条体回路における構造変化など、複数の因子が関与していると思われる。さらに、動物による前臨床試験およびヒトの研究から、パーキンソン病における応答阻害に前脳へのセロトニン作動性投射の変化も寄与している可能性が示唆されている。英国・ケンブリッジ大学のZheng Ye氏らは、パーキンソン病患者でみられる衝動性のメカニズムを探り、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の有用性を明らかにする検討を試みた。Brain誌オンライン版2014年2月27日号の掲載報告。

アジア発、ロタウイルスワクチン定期接種化へのエビデンス

 台湾・国家衛生研究院のWan-Chi Chang氏らは、新生児への2種のロタウイルスワクチン(ロタリックス、ロタテック)接種の有効性について、定期接種導入検討のための情報提供を目的とした症例対照研究を行った。その結果、両ワクチンとも重症急性ロタウイルス胃腸炎に対してすぐれた予防効果を示し、3歳未満時の急性胃腸炎による入院コストを大幅に減らす可能性があることなどを報告した。著者は、「今回の報告は、台湾およびその他アジア諸国の政策立案者に知らせるべきものであり、ロタウイルスワクチン定期接種化に向けた意思決定に役立つものである」とまとめている。Pediatric Infectious Disease Journal誌2014年3月号の掲載報告。