軽症バセドウ病、セレン投与で進行抑制、QOL改善
日本ではバセドウ病と称されるグレーブス病眼症(GO)の軽症患者に対する治療として、健康栄養素セレンの投与が、QOL改善、眼症減少、GO進行抑制に寄与することが報告された。欧州グレーブス病眼症グループ(EUGOGO)を代表してイタリア・ピサ大学内分泌・代謝学部門のClaudio Marcocci氏らが、同グループに参加する4ヵ国6施設の患者を対象に二重盲検無作為化プラセボ対照試験を行った結果による。軽症GO患者には症状が悪化するまで積極的な治療を行わないが、QOLの低下が問題視されていた。Marcocci氏らはGOの発症機序から、抗酸化作用を有するセレンと、抗炎症作用や種々の免疫調整作用を有するペントキシフィリンの可能性に着目。ペントキシフィリンが小規模パイロット試験でGO患者にベネフィットがあることが示唆されたことを踏まえ、本検討を行った。NEJM誌2011年5月19日号掲載報告より。