新規抗血小板薬cangrelorのPCI前投与、クロピドグレルとの比較で優越性認められず
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)施行例への抗血小板薬として、新規開発中の非チエノピリジン系のADP受容体P2Y12阻害薬cangrelorの前投与(静注)は、チエノピリジン系のクロピドグレル(商品名:プラビックス)との比較で優越性は認められないことが報告された。現行ガイドラインでは、PCI時のリスク低減のためにクロピドグレル投与が推奨されているが、その効果は非常に不安定である。そのためcangrelorに、迅速性、予測可能性、可逆性という点での優越性が期待され大規模国際的な第III相無作為化試験が行われた。試験は薬剤投与がPCI前「CHAMPION PCI」とPCI後「CHAMPION PLATFORM」の2試験が行われたが、いずれも同様の結果が報告されている。本論は、CHAMPION PCIからの報告で、NEJM誌2009年12月10日号(オンライン版2009年11月17日号)で掲載された。