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- 2024/12/20
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難治性の慢性特発性蕁麻疹、オマリズマブで症状改善/NEJM
慢性特発性蕁麻疹(chronic idiopathic/spontaneous urticaria)で抗ヒスタミン薬(ヒスタミンH1拮抗薬)の高用量投与でも症状が改善されない患者について、抗IgEモノクローナル抗体オマリズマブの投与により症状が改善されたことが、ドイツ・Charite-UniversitatsmedizinのMarcus Maurer氏らによる第3相多施設共同無作為化二重盲検試験の結果、報告された。
SYNTAX中・高スコア患者の標準治療はCABGとすべき/Lancet
左冠動脈主幹部病変および3枝病変を有する患者を対象として、冠動脈バイパス術(CABG)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を比較した無作為化試験「SYNTAX」の最終5年フォローアップの成績が、ドイツ・Herzzentrum Universitat LeipzigのFriedrich W Mohr氏らにより発表された。同試験についてはこれまで、1年時点(主要エンドポイントMACCEについてPCI群はCABG群に対して非劣性を達成せず)、3年時点(MACCEほか心筋梗塞発生、血行再建術がPCI群で有意に高い)の各成績が示されていた。今回の5年時点でも両群のイベント発生率の格差が認められたこと、とくに心筋梗塞発生、血行再建術がPCI群で有意に高いことなどが示された。研究グループは「SYNTAXスコアが中あるいは高の複雑病変患者の標準治療はCABGとすべきである」と結論し報告をまとめている。Lancet誌2013年2月23日号の掲載報告。
神経刺激療法、早期パーキンソン病のQOLを改善:EARLYSTIM試験/NEJM
視床下核刺激術による神経刺激療法は、重度の運動合併症が発現する前の、比較的早期のパーキンソン病患者の治療として、内科的治療のみを行う場合に比べQOLを有意に改善することが、フランス・パリ第6大学のWM Michael Schuepbach氏らの検討で示された。視床下核刺激療法は、レボドパ治療によって誘発された重度の運動合併症がみられる進行期パーキンソン病患者の運動障害を軽減し、QOLを改善することが知られている。同氏らは、早期パーキンソン病患者を対象としたパイロット試験で、神経刺激療法のQOL改善効果を確認しているという。NEJM誌2013年2月14日号掲載の報告。
原発性自然気胸の再発をミノサイクリン胸膜癒着術が抑制/Lancet
原発性自然気胸に対する単純吸引+ドレナージ施行後のミノサイクリンを用いた胸膜癒着術は、安全に実施可能で、単純吸引+ドレナージ単独よりも再発抑制効果が高いことが、国立台湾大学のJin-Shing Chen氏らの検討で明らかとなった。原発性自然気胸の標準的な初回治療は単純吸引とドレナージだが、文献的な1年後の再発率は約30%(16~52%)に達する。そのため、さまざまな治療アプローチの開発が進められており、化学物質の胸腔内注入による胸膜癒着術は手術患者、非手術患者の双方で再発を抑制することが示されている。Lancet誌オンライン版2013年2月18日号掲載の報告。
カルシウムの摂りすぎ、女性の死亡率を高める?/BMJ
カルシウムの過剰摂取は女性の全死因死亡や心血管死のリスクを増大させる可能性があることが、スウェーデン・ウプサラ大学のKarl Michaelsson氏らの調査で示唆された。ごく一般的な摂取量(600~1,400mg/日)であれば問題はなさそうだという。カルシウムの摂取不足により高齢者の骨折率が上昇し、脳卒中や致死的な虚血性心疾患のリスクが増大する。一方、無作為化試験のメタ解析ではカルシウム補助食品の使用により虚血性心疾患や脳卒中のリスクが増大し、観察試験では全死因死亡や心血管死の低下とともに心血管疾患の発症増加が確認されている。BMJ誌オンライン版2013年2月13日号掲載の報告。
低悪性度非ホジキンリンパ腫の1次治療、B-RがR-CHOPよりも有用/Lancet
ベンダムスチン+リツキシマブ併用療法(B-R)は、低悪性度非ホジキンリンパ腫およびマントル細胞リンパ腫の1次治療において、従来の標準治療であるシクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン(CHOP)+リツキシマブ(R-CHOP)併用療法よりも、有効性および安全性が優れることが、ドイツ・Justus Liebig大学病院のMathias J Rummel氏らStudy group indolent Lymphomas(StiL)の検討で示された。米国では、毎年、約6万6,000人が新規に非ホジキンリンパ腫と診断され、そのうち約40%が低悪性度リンパ腫、約3~10%がマントル細胞リンパ腫だという。現在、欧米における進行期低悪性度非ホジキンリンパ腫および高齢マントル細胞リンパ腫の標準的な1次治療はリツキシマブと化学療法(ほとんどがCHOP)の併用療法だが、再発や難治性の病変にはB-R療法が有効なことが確認されている。Lancet誌オンライン版2013年2月20日号掲載の報告。
禁煙法の段階的導入で、早産発生率が徐々に減少/BMJ
ベルギーでは禁煙法が段階的に導入されたが、その結果、単胎児早産発生率も段階的に減少したことが明らかになったという。ベルギー・Hasselt大学のBianca Cox氏らが、2002~2011年の出生データを元に分析し明らかにしたもので、BMJ誌2013年2月14日号で発表した。受動喫煙が妊娠のアウトカムに悪影響を及ぼすことを示す試験結果は出てきているが、これまで禁煙法が同アウトカムに良い影響を及ぼすことを示した研究はほとんどなかった。
ピロリ除菌治療に成功した人、1年後の再感染率は11.5%/JAMA
ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療後に陰性が確認できた人について、1年後に再感染している割合は11.5%であることが、ラテンアメリカ6ヵ国(7地域)で行った試験で明らかになった。米国・Vanderbilt大学のDouglas R. Morgan氏らが、ピロリ菌の除菌治療を行った1,500人弱を追跡した結果、報告したもので、JAMA誌2013年2月13日号で発表した。
大腸3D-CT検査(CTC)vs. 内視鏡検査、CTCは内視鏡検査に代わりうる:SIGGAR/Lancet
大腸がんの診断法として注目される大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、大腸内視鏡検査との比較が、英国・Imperial College LondonのWendy Atkin氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARにて行われた。大腸内視鏡検査は大腸がんが疑われる症例を検討する診断法としてはゴールドスタンダードとなっている。一方で、CTCは、代替となりうるより侵襲性の低い検査法であるが、検査後の診断確定のための追加の検査が必須となっている。しかしこのことが、CTCが内視鏡検査に代わりうる可能性を証明する重要な要素であるとして、実践されているCTC+追加検査と内視鏡単独検査の大腸がんまたは≧10mmポリープの診断精度について比較を行った。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。
大腸3D-CT検査(CTC)vs. バリウム注腸、CTCのほうが感度が高い:SIGGAR/Lancet
大腸がんの診断法としての大腸3D-CT検査(CT Colonography:CTC)について、バリウム注腸造影検査よりも、がん病変や≧10mmポリープの検出能が有意に高いことが、英国・University College LondonのSteve Halligan氏らによる多施設共同無作為化試験SIGGARの結果、報告された。バリウム注腸は大腸がんの診断で広く用いられているが、診断精度や被検者の受容性に対する懸念が示されている。CTCはバリウム注腸と比べると新しい大腸X線検査法で、検出能の感度が高いと考えられ、患者も好むことが試験によって示されているが、これまでCTCをバリウム注腸に代わる診断法とすべきかについて保健政策に反映するような無作為化試験は行われていなかったという。Lancet誌オンライン版2013年2月14日号掲載より。
高頻度振動換気法、成人ARDS患者の30日死亡率を改善せず:OSCAR試験/NEJM
急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)の治療において、高頻度振動換気法(high-frequency oscillation ventilation:HFOV)は従来の機械的換気法と30日死亡率が同等で、改善効果はないことが、英国・オックスフォード大学のDuncan Young氏らの検討で示された。ARDS患者は動脈血の酸素化を維持するために機械的人工換気を要するが、この治療法は2次的に肺傷害を引き起こすことがある。HFOVは、肺傷害のリスクの回避に有用な可能性があるという。NEJM誌オンライン版2013年1月22日号掲載の報告。
高頻度振動換気法により、成人ARDS患者の院内死亡率が上昇:OSCILLATE試験/NEJM
中~重度の急性呼吸促迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)の成人患者に対する早期の高頻度振動換気法(high-frequency oscillation ventilation:HFOV)による治療は、低1回換気量法(low tidal volume)や呼気終末高陽圧換気法(high positive end-expiratory pressure)を用いた治療戦略に比べ予後を改善しないことが、カナダ・トロント大学のNiall D. Ferguson氏らの検討で示された。ARDSは重症疾患で高頻度にみられる合併症で、死亡率が高く、生存例にも長期的な合併症をもたらすことが多い。いくつかの報告により、HFOVは成人ARDS患者の死亡率を抑制することが示唆されているが、これらの試験は比較群が旧式の換気法であったり、症例数が少ないなどの限界があるという。NEJM誌オンライン版2013年1月22日号掲載の報告。
脳卒中に対するt-PA+血管内治療、t-PA単独療法を凌駕しない/NEJM
脳卒中治療について、組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)静注の単独療法と血管内治療を併用した場合とを比較した結果、有効性に有意な差はなく、安全性アウトカムも同程度であったことが、米国・シンシナティ大学のJoseph P. Broderick氏らによる無作為化試験の結果、報告された。中等度から重症の急性脳梗塞患者の治療では、t-PA静注療法後に血管内治療を併用するケースが増えているが、同アプローチが単独療法よりも有効であるのかどうかは明らかではなかった。NEJM誌オンライン版2013年2月7日号より。
抗凝固薬服用PCI患者にはクロピドグレル単独追加が出血リスクを有意に減少/Lancet
経口抗凝固薬を服用中で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)が必要とされる患者には、アスピリンやクロピドグレル(商品名:プラビックス)の抗血小板薬療法が推奨されている。その場合3剤併用療法は深刻な出血リスクを招くが、オランダ・Twee Steden HospitalのWillem J M Dewilde氏らの研究グループは、クロピドグレル単独と、クロピドグレル+アスピリンを併用した場合の有効性および安全性を調べる非盲検無作為化比較対照試験を行った。その結果、クロピドグレル単独追加群では出血性合併症が有意に減少し、血栓性イベントが増加しなかったことを報告した。Lancet誌オンライン版2013年2月13日号より。
退院後30日以内の再受診のうち救急部門受診が約4割/JAMA
米国・エール大学医学部のAnita A. Vashi氏らは、米国内3州の約1年間の退院データ解析の結果、急性期病院からの退院後30日以内の救急部門再受診が成人患者で一般的にみられ、急性期病院の再受診患者のうち39.8%を占めることを報告した。再入院率は急性期治療後における医療ケアの質の改善の指標とされており、退院後早期の救急部門受診も同様に、退院後における急性期の医療ケアの質の指標とみなされているが、これまで退院後早期の救急部門利用に関する調査はほとんど行われていなかった。JAMA誌2013年1月23・30日号掲載の報告より。
葉酸の長期摂取、がん発症を増大も減少もせず/Lancet
葉酸を長期にわたって摂取しても、がん発症リスクは増大も減少もしないことが、約5万人を対象にしたメタ解析の結果、示された。ノルウェー・Bergen大学のStein Emil Vollset氏らが、葉酸の心血管疾患予防効果などを調べた13の無作為化プラセボ対照試験のデータからメタ解析を行い報告したもので、Lancet誌オンライン版2013年1月25日号で発表した。葉酸の摂取は、妊婦においては生まれてくる子どもの神経管欠損症を予防することが、これまでの疫学試験で示されているが、一方でがん発症リスクとの関連が懸念されていた。
レニン・アンジオテンシン系阻害薬の併用は死亡率の低下をもたらさない/BMJ
レニン・アンジオテンシン系(RAS)の二重遮断は、心不全を主とする入院を減らし一見ベネフィットがあるように見えるが、死亡率の低下には結びついておらず、有害事象の超過リスクとの関連が認められることが、米国・コロンビア大学付属St Luke's Roosevelt HospitalのHarikrishna Makani氏らによるメタ解析の結果、報告された。RAS二重遮断は、治療抵抗性の心不全、高血圧症、糖尿病性腎症、蛋白尿症と幅広く用いられているが、有効性と安全性については議論が続いていた。今回の解析で示されたリスク・ベネフィットの結果を踏まえて著者は、「RAS二重遮断のルーチンな使用の反証が示された」と結論している。BMJ誌オンライン版2013年1月28日号掲載より。
前立腺全摘除術vs. 放射線療法、15年後の機能的アウトカムは有意差なし/NEJM
限局性前立腺がんで前立腺全摘除術を受けた患者と放射線療法を受けた患者の機能的アウトカムについて、15年の長期にわたる追跡の結果、両群で有意な差はみられなかったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学のMatthew J. Resnick氏らが、Prostate Cancer Outcomes Study(PCOS)の被験者データを解析した結果で、NEJM誌2013年1月31日号で発表した。
新規結核ワクチンの有効性示せず:MVA85A 020 Trial Study/Lancet
開発中の新規結核ワクチンMVA85Aは、BCG接種歴のある幼児において良好な安全性を示したものの、予想に反して結核の予防効果はほとんどないことが、南アフリカ共和国・ケープタウン大学のMichele D Tameris氏の検討で示された。2011年の世界の結核患者数は約870万人で、約140万人が結核が原因で死亡している。南アフリカのような流行地では、BCGが広く普及しているにもかかわらず、幼児、小児の結核発症率がきわめて高く、ワクチンの改良が喫緊の課題とされる。MVA85AはBCGの予防効果を増強するようデザインされ、結核の予防に重要と考えられる抗体特異的Th1細胞およびTh17細胞を誘導することが確認されているという。Lancet誌オンライン版2013年2月4日号掲載の報告。
ω-6リノール酸、むしろ死亡率を高める?:Sydney Diet Heart Studyとメタ解析/BMJ
冠動脈疾患(CHD)の2次予防において、飽和脂肪酸をω-6リノール酸(多価不飽和脂肪酸)で代替する食事療法は、全死因死亡、CHD死、心血管疾患(CVD)死をむしろ増加させる可能性があることが、米国・国立衛生研究所(NIH)のChristopher E Ramsden氏らの検討で示された。食事に含まれる飽和脂肪酸をω-6リノール酸で置き換えると、総コレステロール値やLDLコレステロール値が低下することが知られている。そのため、CHD患者の食事療法ガイドラインではこれらの代替が推奨されているが、リノール酸の臨床的なベネフィットは確立されていない。Sydney Diet Heart Study(SDHS)は、サフラワー油由来のリノール酸の、CHD死やCVD死の抑制効果に関する包括的な解析を目的とした無作為化試験で、データが紛失したため長年放置されていたが、同氏らがオリジナルのデータセットの回収に成功したという。BMJ誌オンライン版2013年2月5日号掲載の報告。