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- 2024/12/20
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ミスマッチ修復機能欠損の局所進行直腸がん、PD-1阻害薬単独で治癒?/NEJM
ミスマッチ修復機能欠損を有する局所進行直腸がんは、PD-1阻害薬のみの治療で治癒する可能性が高いことが、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのAndrea Cercek氏らが行った、前向き第II相試験の結果、示された。局所進行直腸がんは、術前化学療法と放射線療法、その後の手術療法が標準治療となっているが、ミスマッチ修復機能欠損を有する局所進行直腸がんでは、標準的な化学療法では十分な奏効を得られないことが示されていた。一方で、転移を有する患者および治療抵抗性の患者における免疫チェックポイント阻害薬のみの客観的奏効率は33~55%と、第一選択薬として非常に有効であることが報告されており、研究グループはこれらの知見に基づき、PD-1阻害薬の単剤投与が、ミスマッチ修復機能欠損の局所進行直腸がんに有益であるとの仮説を立て、dostarlimabによる術前化学療法の奏効率を調べる試験を行った。NEJM誌オンライン版2022年6月5日号掲載の報告。
HER2低発現進行乳がん、T-DXdでPFSとOSが延長(DESTINY-Breast04)/NEJM
HER2低発現の再発・転移のある乳がん患者において、トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)は医師選択の化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および全生存(OS)期間を有意に延長させることが、第III相臨床試験「DESTINY-Breast04試験」で示された。米国・スローン・ケタリング記念がんセンターのShanu Modi氏らが報告した。HER2の増幅や過剰発現を伴わない乳がんの中には、治療の標的となる低レベルのHER2を発現しているものが多く存在するが、現在用いられているHER2療法はこれら「HER2低発現」のがん患者には効果がなかった。NEJM誌オンライン版2022年6月5日号掲載の報告。 研究グループは、2018年12月27日~2021年12月31日の期間に、1~2ラインの化学療法歴があるHER2低発現(IHCスコア1+、またはIHCスコア2+かつISH-)の再発・転移のある乳がん患者を、T-DXd群または化学療法群(カペシタビン、エリブリン、ゲムシタビン、パクリタキセル、ナブパクリタキセルのいずれかを医師が選択)に、2対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、盲検化独立中央評価委員会(BICR)判定によるホルモン受容体(HR)陽性患者におけるPFS、主要な副次評価項目は全例におけるPFS、HR陽性患者および全例におけるOSであった。
StageII大腸がん、ctDNAに基づく術後化学療法の選択は有用(DYNAMIC)/NEJM
StageII大腸がんの治療において、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた治療方針の決定により無再発生存期間(RFS)を損なうことなく術後化学療法の使用を減少できることが、オーストラリア・Walter and Eliza Hall Institute of Medical ResearchのJeanne Tie氏らが行った多施設共同無作為化第II相試験「Circulating Tumour DNA Analysis Informing Adjuvant Chemotherapy in Stage II Colon Cancer trial:DYNAMIC試験」の結果、示された。StageII大腸がんにおける術後化学療法の役割については議論が続いている。術後にctDNAが存在する場合はRFSが非常に短いことを、存在しない場合は再発リスクが低いことを予測するが、ctDNA陽性者に対する術後化学療法の有用性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年6月4日号掲載の報告。 研究グループは2015年8月10日~2019年8月2日の期間に、オーストラリアの23施設において、StageII(T3またはT4、N0、M0)の結腸または直腸腺がんでR0切除が得られ、術後化学療法を実施可能なECOG PS 0~2の患者455例を、ctDNAの結果に基づき治療を行うctDNA群または標準治療群に、2対1の割合で無作為に割り付けた(それぞれ302例、153例)。 ctDNA群では、術後4週および7週時のいずれかでctDNAが陽性であった場合に、フルオロ
KRAS G12C変異陽性NSCLCへのadagrasib、臨床的有効性示す/NEJM
プラチナベースの化学療法と抗PD-1/抗PD-L1抗体による治療を受けたKRAS G12C変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、経口adagrasibは、臨床的有効性を示し新たな安全性シグナルは認められなかった。米国・ダナ・ファーバーがん研究所のPasi A. Janne氏らによる、進行固形がん患者を対象に行われている「KRYSTAL-1第I-II相試験」の一部である第II相コホート116例を対象とした検討の結果で、NEJM誌オンライン版2022年6月3日号で発表された。「KRYSTAL-1試験」の第I相-1b試験でKRAS G12C阻害薬adagrasibの臨床的活性および忍容可能な有害事象プロファイルは確認されていた。
10~18歳2型DMにデュラグルチド週1回投与は有効か/NEJM
10~18歳の2型糖尿病において、GLP-1受容体作動薬デュラグルチドの週1回投与(0.75mgまたは1.5mg)は、メトホルミン服用や基礎インスリンの使用を問わず、26週にわたる血糖コントロールの改善においてプラセボよりも優れることが、米国・ピッツバーグ大学のSilva A. Arslanian氏らによる検討で示された。BMIへの影響は認められなかった。NEJM誌オンライン版2022年6月4日号掲載の報告。 研究グループは、10歳以上18歳未満の2型糖尿病で、BMIが85パーセンタイル超、生活習慣の改善のみ、もしくはメトホルミン治療(基礎インスリン併用または非併用)を受ける154例を対象に、26週にわたる二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。
ウパダシチニブ、中等~重症の潰瘍性大腸炎に高い有効性/Lancet
中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)の治療において、経口選択的ヤヌスキナーゼ1(JAK1)阻害薬ウパダシチニブはプラセボと比較して、導入療法および維持療法として高い有効性と優れた安全性を有し、有望な治療選択肢となる可能性があることが、イタリア・University Vita-Salute San RaffaeleのSilvio Danese氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年6月4日号で報告された。 本研究は、2つの導入療法試験(U-ACHIEVE substudy 2[UC1]、U-ACCOMPLISH[UC2])と、1つの維持療法試験(U-ACHIEVE substudy 3[UC3])から成る二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、UC1に39ヵ国199施設が、UC2に40ヵ国204施設が参加し、これらの試験で臨床的改善(Adapted Mayoスコアに基づく)が達成された患者を対象とするUC3には35ヵ国195施設が参加した(AbbVieの助成を受けた)。
子宮頸がん検診の間隔、HPV陰性なら延長可能か/BMJ
子宮頸がん検診の間隔は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の1次検査を受けることで、検査の方法を問わず延長が可能で、25~49歳の女性では検査陰性から5年まで延長でき、50~59歳の女性は5年以上に延長の可能性もあるが、個別受診再勧奨による再検査で陽転した女性では従来どおり3年の間隔を保持する必要があることが、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMatejka Rebolj氏らHPV pilotの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月31日号に掲載された。 研究グループは、子宮頸がんの1次スクリーニングが陰性の女性における、Grade3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)および子宮頸がんのリスクに関して、年齢別、検査法別のエビデンスの更新を目的に観察研究を行った(英国公衆衛生庁[イングランド]などの助成を受けた)。
肥満者への行動的体重管理介入で体重とウエスト減/BMJ
プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入は、減量に有効で、ウエスト周囲長にも有意な減少効果が認められ、一般人への導入の可能性もあることが、英国・ラフバラー大学のClaire D. Madigan氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月30日号で報告された。 研究グループは、プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入(減量を目的とする行動的介入)の有効性の評価を目的に、無作為化対照比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]レスター生物医学研究センターの助成を受けた)。
リサンキズマブ、クローン病の寛解維持療法に有効/Lancet
インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットを標的とするヒト化モノクローナル抗体リサンキズマブの静脈内投与による寛解導入療法で臨床的奏効が得られた中等症~重症の活動期クローン病患者の寛解維持療法において、リサンキズマブ皮下投与はプラセボ(休薬)と比較して、52週の時点での臨床的寛解率および内視鏡的改善率が高く、忍容性も良好で、有害事象の頻度には差がないことが、ベルギー・ルーヴェン大学病院のMarc Ferrante氏らが実施した「FORTIFY substudy 1(SS1)試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。
中等~重症のクローン病、リサンキズマブ導入療法が有効/Lancet
中等症~重症の活動期クローン病患者において、IL-23 p19阻害薬リサンキズマブは導入療法として有効であり忍容性も良好であることが示された。オランダ・アムステルダム大学医療センターのGreet D'Haens氏らが、第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ADVANCE試験」および「MOTIVATE試験」の結果を報告した。Lancet誌2022年5月28日号掲載の報告。 両試験の対象は16~80歳の中等症から重症の活動期クローン病患者で、ADVANCE試験では既存治療または生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者、MOTIVATE試験では生物学的製剤で効果不十分または不耐容の患者を適格とした。適格患者をリサンキズマブ600mg群、1,200mg群、またはプラセボ群(いずれも0、4および8週目に単回静脈内投与)に、ADVANCE試験では2対2対1の割合で、MOTIVATE試験では1対1対1の割合で無作為に割り付けた。
進行膵がん、TCR-T細胞療法が転移巣に著効した1例/NEJM
米国・Earle A. Chiles Research InstituteのRom Leidner氏らが、KRAS G12Dを標的としたT細胞受容体(TCR)遺伝子治療により腫瘍縮小が得られた転移のある進行膵がん患者について報告した。膵管腺がんは現在の免疫療法に抵抗性を示し、依然として致死率が最も高いという。研究グループは以前、転移のある大腸がん患者の腫瘍浸潤リンパ球からKRAS G12Dを標的としたHLA-C★08:02拘束性TCRを同定し、自家KRAS G12D反応性腫瘍浸潤リンパ球を用いた治療により内臓転移の客観的縮小が観察されたことを報告し(N Engl J Med.2016;375:2255-2262.)、この腫瘍浸潤リンパ球由来のKRAS G12D反応性TCRが、HLA-C★08:02とKRAS G12Dを発現している腫瘍を有する患者の、TCR遺伝子治療として使用できる可能性が示唆されていた。NEJM誌2022年6月2日号掲載の報告。
骨髄異形成症候群へのメチル化阻害薬、がん遺伝子への影響は?/NEJM
骨髄異形成症候群の患者へのメチル化阻害薬治療後に、がん遺伝子の脱メチル化とアップレギュレートが起こることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のYao-Chung Liu氏らによって確認された。2つのコホートの患者サンプルの分析と遺伝子座特異的脱メチル化技術「CRISPR-DNMT1-interacting RNA」(CRISPR-DiR)を組み合わせた検討で明らかになったという。メチル化阻害薬は現在、がん患者の治療に用いられているが、腫瘍遺伝子の再活性化およびアップレギュレートも可能かどうかは、十分に解明されていない。今回の結果を踏まえて著者は、「さらなる検討の必要性があることが判明した」と述べている。NEJM誌2022年5月26日号掲載の報告。 研究グループは、2つの骨髄異形成症候群の患者コホートについて、メチル化阻害薬治療前後の骨髄サンプルを採取し、骨髄異形成症候群やその他がんで重要な役割を果たしている既知のがん遺伝子SALL4へのメチル化阻害薬の影響を検証した。 第1コホートとして新たに骨髄異形成症候群の診断を受けた37例について、骨髄サンプルを採取。うち25例について、5-アザシチジンの4サイクル投与前後の骨髄サンプルを採取した。第2コホートでは、骨髄異形成症候群の診断を受けた43例について、メチル化阻害薬の5サイクル投与前後の骨髄サンプルを採取した。また、対照群として、健康なドナー10例からCD34-骨髄単核細胞を、また同5例からCD34+骨髄単核細胞を採取した。 SALL4発現の変化、治療反応性、臨床アウトカムについて、メチル化阻害薬治療との関連を調べた。SALL4発現が低いか検出限界以下の白血病細胞株を用いて、SALL4メチル化と発現との関連を調べた。
ワクチン3回目、異種・同種接種での有効性~メタ解析/BMJ
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンのあらゆるプライマリ接種におけるブースター接種にはmRNAワクチンが推奨されること、異種・同種ワクチンの接種を問わず3回接種レジメンが、種々の変異株のCOVID-19予防に比較的有効であることを、中国・香港大学のWing Ying Au氏らが、システマティック・レビューとネットワークメタ解析の結果、報告した。ただし、3回接種レジメンのCOVID-19関連死への有効性については不明なままだったとしている。BMJ誌2022年5月31日号掲載の報告。 研究グループは、ブースター接種の有無を含む異種・同種COVID-19ワクチンレジメンのCOVID-19感染、入院および死亡に対する予防効果を評価するシステマティック・レビューとネットワークメタ解析を行った。 世界保健機関(WHO)の38のCOVID-19データベースについて、2022年3月から毎週検索を行う方法(Living systematic review)にて、COVID-19ワクチンの同種または異種レジメンの有効性について評価した試験を抽出した。ブースター接種の有無は問わなかった。
メトホルミン、非糖尿病の浸潤性乳がんに無効-MA.32試験/JAMA
糖尿病のない高リスクの切除可能な乳がん患者の術後補助療法において、ビグアナイド系経口血糖降下薬メトホルミンはプラセボと比較して、無浸潤疾患生存率を改善せず、全生存や遠隔無再発生存、乳がん無再発期間にも差はなく、Grade3以上の非血液毒性の頻度が高いことが、カナダ・トロント大学のPamela J. Goodwin氏らが実施した「MA.32試験」で示された。研究の詳細は、JAMA誌2022年5月24・31日号に掲載された。 MA.32試験は、非糖尿病の浸潤性乳がん患者における術後補助療法へのメトホルミン追加の有効性の評価を目的とする、医師主導の二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2010年8月~2013年3月の期間に、4ヵ国(カナダ、スイス、米国、英国)の施設で参加者の登録が行われた(Canadian Cancer Society Research Institute[CCSRI]などの助成を受けた)。
世界の健康維持に必要な人的資源、医師は640万人不足か/Lancet
2019年の世界の医師密度は人口1万人当たり約17人、看護師・助産師の密度は約39人と、ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC:すべての人が適切な保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態)の達成に要する、健康のための人的資源(HRH)としては不十分で、医師は640万人、看護師・助産師は3,060万人が足りておらず、今後、世界の多くの地域で保健人材の拡充を進める必要があることが、米国・ワシントン大学のAnnie Haakenstad氏らGBD 2019 Human Resources for Health Collaboratorsの調査で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2022年5月23日号で報告された。
RSウイルスによる死亡率、生後6ヵ月未満で高い/Lancet
2019年に、5歳未満(生後0~60ヵ月)の小児における呼吸器合胞体(RS)ウイルス(RSV)への罹患とこれによる死亡の負担は、とくに生後6ヵ月未満の乳幼児および低~中所得国の小児において世界的に大きく、生後0~60ヵ月の小児では50件の死亡のうち1件が、28日~6ヵ月の乳幼児では28件の死亡のうち1件がRSVに起因しており、RSV関連の急性下気道感染症による院内死亡1件につき、市中では約3件のRSV関連死が発生していると推定されることが、英国・エディンバラ大学のYou Li氏らが実施したRESCEU研究で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。
妊娠糖尿病、インスリン使用で周産期合併症が増加/BMJ
妊娠糖尿病の妊婦は正常血糖値妊婦と比較して、インスリンを使用していない場合は、帝王切開による分娩や早産児・巨大児が多く、インスリンを使用している場合は、母親のアウトカムに差はないものの、新生児の在胎不当過大や黄疸、呼吸窮迫症候群などの周産期合併症の割合が有意に高いことが、中国・中南大学のWenrui Ye氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月25日号で報告された。 研究グループは、妊娠糖尿病と妊娠有害アウトカムとの関連を、最小限の交絡因子を調整したうえで評価する目的で、系統的レビューとメタ解析を行った(中国国家自然科学基金などの助成を受けた)。
コロナ感染率、ワクチン2回接種vs.感染後1回接種/NEJM
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染歴がある人では、ワクチン接種の有無や感染前後での接種にかかわらず、再感染予防効果は最後の免疫獲得イベントからの経過時間が長くなるほど低下したが、この予防効果は、未感染でワクチンを2回接種し同じ時間が経過した場合での予防効果より高く、感染後のワクチン1回接種は再感染予防効果を増強することが、イスラエル・テクニオン-イスラエル工科大学のYair Goldberg氏らの研究で示された。SARS-CoV-2感染は、再感染に対する自然免疫を獲得することが知られる。最近の研究では、BNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)による免疫効果の減衰が示されたが、自然免疫ならびに感染後のワクチン接種で得られるハイブリッド免疫の減衰に関しては不明であった。NEJM誌オンライン版2022年5月25日号掲載の報告。
活性型ビタミンD3、2型DMの発症予防に無効か/BMJ
活性型ビタミンD3製剤エルデカルシトールは、前糖尿病から2型糖尿病への発症予防効果は認められなかったものの、インスリン分泌が不十分な人に対する有益性を示唆する結果が得られた。産業医科大学病院の河原哲也氏らが、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Diabetes Prevention with active Vitamin D study:DPVD試験」の結果を報告した。観察研究では、ビタミンD欠乏がインスリン抵抗性および将来的な糖尿病のリスク増加と関連することが示されている。一方、ビタミンD補充については、2型糖尿病予防を目的とした無作為化比較試験では一貫した結果は認められていないが、先行研究でビタミンD欠乏症を伴う前糖尿病者に対して有益であることが示唆されていた。BMJ誌2022年5月25日号掲載の報告。
無症候性高度頸動脈狭窄症、外科的介入なしの脳梗塞発症率は?/JAMA
外科的介入を受けなかった無症候性高度頸動脈狭窄症患者において、頸動脈病変に関連した同側の急性虚血性脳卒中の推定発生率は5年間で4.7%であることが、米国・カイザーパーマネンテ北カリフォルニア(KPNC)のRobert W. Chang氏らによる後ろ向きコホート研究で示された。近年、医療が進歩しており、また、内科的治療と外科的治療の最新の比較データがないため、無症候性高度頸動脈狭窄症の最適な管理方法は不確かである。著者は、「今回の知見は、無症候性高度頸動脈狭窄症患者に対する外科的治療と内科的治療に関する意思決定に役立つだろう」とまとめている。JAMA誌2022年5月24日号掲載の報告。 研究グループは、KPNC(医療センター/病院21施設、会員450万人以上の統合医療システム)のデータを用い、2008~12年の間に無症候性高度頸動脈狭窄症(Society of Radiologists in Ultrasound Consensus基準、またはNASCET法で70~99%狭窄)と診断された患者で、同側の頸動脈インターベンション(頸動脈内膜切除術または頸動脈ステント留置)歴ならびに過去6ヵ月以内の脳卒中または一過性脳虚血発作既往歴がない成人患者を対象に、2019年12月31日まで追跡した。 主要評価項目は、頸動脈病変に関連した同側の急性虚血性脳卒中(脳梗塞)の発生であった。死亡、KPNC会員脱退または同側の頸動脈インターベンション実施があった時点で打ち切りとした。 2008~12年に頸動脈狭窄症のスクリーニングを受けた9万4,822例のうち、3,737例(平均[±SD]年齢73.8±9.5歳、男性57.4%)、標的動脈4,230本が適格基準を満たした。