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- 2024/12/20
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1型DM、ハイブリッド人工膵臓vs.SAP療法/Lancet
食事時のインスリンボーラス注入の必要性を除けば昼夜にわたり自動でインスリンを注入するハイブリッド・クローズドループ型インスリン注入システム(以下、ハイブリッド人工膵臓)は、既存のセンサー増強型インスリンポンプ(SAP)療法と比較して、6歳以上の幅広い年齢層にわたる1型糖尿病患者の血糖コントロールを改善し、低血糖リスクを低減することが明らかにされた。英国・ケンブリッジ大学代謝科学研究所のMartin Tauschmann氏らによる、国際多施設共同の非盲検無作為化試験の結果で、Lancet誌オンライン版2018年10月1日号で発表された。
気胸の入院発生が増加、疫学的特性は?/JAMA
英国において1968~2016年に自然気胸で入院治療を受けた患者の推移を調べた結果、有意な増加が認められ、患者の約6割が慢性肺疾患を有しているといった特徴が明らかにされた。英国・オックスフォード大学Hospitals NHS Foundation TrustのRob J. Hallifax氏らによる住民ベース疫学研究の結果で、JAMA誌2018年10月9日号で発表された。自然気胸は頻度の高い疾患であり、独特の疫学的プロファイルを有するが、住民ベースのデータは限定的であった。
新種のカンジダ症、意外な感染経路/NEJM
Candida aurisは、新興の多剤耐性病原体であり、2009年、日本で入院患者の外耳道から分離されたカンジダ属の新種である。2011年、韓国で院内の血流感染の原因として報告されて以降、多くの国や地域で相次いで集団発生が確認されており、集中治療室(ICU)でも頻繁に発生している。英国・オックスフォード大学病院のDavid W. Eyre氏らは、同大学関連病院のICUで発生したC. auris感染の集団発生の調査結果を、NEJM誌2018年10月4日号で報告した。
潜在性甲状腺機能低下症へのホルモン療法、最新メタ解析結果/JAMA
潜在性甲状腺機能低下症患者への甲状腺ホルモン療法の便益は不明とされる。スイス・ベルン大学病院のMartin Feller氏らは、成人患者において甲状腺ホルモン療法の有効性を検討し、一般的なQOLや甲状腺関連症状の改善効果はみられないことを示した。研究の成果は、JAMA誌2018年10月2日号に掲載された。潜在性甲状腺機能低下症は、甲状腺刺激ホルモン(TSH)高値と遊離サイロキシン(FT4)正常範囲内で定義され、とくに甲状腺機能低下症に起因する可能性がある症状(疲労感、便秘、原因不明の体重増加など)を伴う場合は、甲状腺ホルモン(レボチロキシン)による治療が行われることが多い。最近、2つの大規模臨床試験の結果が報告されたことから、これらを含めたメタ解析のアップデートが求められていた。
高血圧の発症、黒人成人でなぜ多い?/JAMA
米国・アラバマ州立大学のGeorge Howard氏らは、白人成人との比較による黒人成人の高血圧症の過剰リスクについて臨床的および社会的要因との関連を調べた。媒介分析法を用いた検討の結果、男女ともに統計的な人種間の差を媒介しているキー要因は、南部型の食事スコア、食事におけるナトリウム値のカリウム値に対する比率、そして教育レベルであることが示されたという。また女性においては、腹囲とBMI値も主要因であった。米国の黒人集団は、高血圧症の有病率の高さが平均余命に格差をもたらす主因となっている。一方で、なぜ黒人成人で高血圧症の発症率が高いのかは明らかにされていなかった。JAMA誌2018年10月2日号掲載の報告。
BVS vs.DES、30日・1年時評価は?/Lancet
拡大患者集団において、最適化された手技で留置された生体吸収性スキャフォールド(BVS)は金属製薬剤溶出ステント(DES)と比較して、30日時点と1年時点の標的病変不全および狭心症の発生について非劣性であることが示された。米国・コロンビア大学医療センターのGregg W. Stone氏らによる無作為化試験「ABSORB IV試験」の結果で、Lancet誌オンライン版2018年9月24日号に掲載された。先行研究で、BVSはDESよりも有害事象の発現頻度が多いことが示されていたが、1件の無作為化試験で狭心症の頻度がBVS群で低下したことが報告されていた。しかしながら、それら初期に行われた試験は、マスキングがされておらず、スキャフォールドにとって至適とされるサイズよりも小さい病変が登録された頻度が高く、留置テクニックは未熟であり、さらにBVSがより適しているのではと目されていた心筋梗塞の患者は除外されていた。
実臨床下での新型Resolute Onyx vs.Orsiro/Lancet
プラチナ-イリジウムコア/コバルト合金ワイヤーストラット耐久性ポリマー・zotarolimus溶出ステント(Resolute Onyx)は、超薄型コバルト-クロムストラット生分解性ポリマー・シロリムス溶出ステント(Orsiro)と比較し、追跡期間1年時の安全性および有効性の複合エンドポイントについて非劣性であることが、オランダ・Medisch Spectrum TwenteのClemens von Birgelen氏らによる国際多施設共同無作為化単盲検非劣性試験「BIONYX」の結果、示された。著者は「イベント発現率は両群ともに低く、両ステントが安全であることを示唆しているが、ステント血栓症発症率がResolute Onyx群で非常に低く、さらなる臨床研究が推進される」とまとめている。これまで、実臨床下(all-comers)でResolute Onyxと他の薬剤溶出ステントを比較した研究はなかった。Lancet誌オンライン版2018年9月22日号掲載の報告。
資金提供企業は臨床試験にどの程度関与しているのか?/BMJ
インパクトファクターの高い学術雑誌において、企業が資金提供したほとんどの研究で、その計画・実施および報告に企業の社員と医療・学術機関の著者が関与している一方、データの解析はしばしば学術機関の著者が関与することなく実施されていることが、デンマーク・Nordic Cochrane CentreのKristine Rasmussen氏らによる調査の結果、明らかとなった。研究者は共同試験を有益であると考えるが、学術研究の自由が失われているとの報告もあるという。企業のほとんどが臨床試験に資金提供しており、資金提供者は、時々公益よりもむしろ経済面で、試験をどのようにデザインし報告するか影響を与える可能性があるといわれていた。BMJ誌2018年10月3日号掲載の報告。
週1回GLP-1受容体作動薬albiglutideの心血管アウトカムは/Lancet
心血管疾患を有する2型糖尿病患者において、GLP-1受容体作動薬albiglutideはプラセボと比べて、主要心血管イベント(MACE)を有意に抑制することが示された。米国・デューク大学のAdrian F. Hernandez氏らが、28ヵ国、610の医療機関を通じ、約9,500例を対象に行った無作為化プラセボ対照二重盲検試験「Harmony Outcomes」の結果で、Lancet誌オンライン版2018年10月2日号で発表した。GLP-1受容体作動薬は、化学的構造や作用時間の違いで、臨床的アウトカムへの影響は異なることが知られているが、週1回投与タイプのalbiglutideの、2型糖尿病患者における心血管系への効果についてはこれまで不明であった。今回の結果を受けて著者は、「GLP-1受容体作動薬は、エビデンスベースに基づき、2型糖尿病患者の心血管イベントリスクを低減するための総合的な戦略の一部と見なすべきであろう」と述べている。
急性心筋梗塞、発症後早期のウエアラブル除細動器の効果/NEJM
心筋梗塞(MI)を発症してから間もない駆出分画率35%以下の患者において、着用型自動除細動器(wearable cardioverter-defibrillator:WCD)の使用は、非使用者と比較して主要評価項目の90日時点の不整脈死リスクは有意に低下しなかった。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のJeffrey E. Olgin氏らが、2,302例の患者を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌2018年9月27日号で発表した。駆出分画率が低下したMI後の患者において突然死は高率に認められるが、植込み型除細動器は、発症後40~90日間は禁忌とされている。研究グループは、このハイリスク期間中の突然死発生をWCDが低減するのか検討した。
合成カンナビノイド関連凝固障害が米国で集団発生/NEJM
2018年3~4月に、米国イリノイ州で合成カンナビノイドの使用に関連する凝固障害の患者が集団発生した。予備検査で抗凝固薬の混入の可能性が示されたため、確認検査を行い、患者データを再検討したところ、数種のスーパーワルファリンの混入が確かめられた。多くの患者は、ビタミンK1補充療法で症状が抑制されたが、合成カンナビノイド化合物の詳細は判明していないという。米国・University of Illinois College of Medicine at PeoriaのAmar H Kelkar氏らが、NEJM誌2018年9月27日号で報告した。
扁平上皮NSCLCの1次治療、ペムブロリズマブ併用でOS、PFS延長/NEJM
未治療の転移を有する扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療において、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)を化学療法と併用すると、化学療法単独に比べ全生存(OS)期間および無増悪生存(PFS)期間がいずれも有意に延長することが、スペイン・Hospital Universitario 12 de OctubreのLuis Paz-Ares氏らが行った「KEYNOTE-407試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2018年9月25日号に掲載された。転移を有する扁平上皮NSCLCの現在の標準的1次治療は、プラチナ製剤ベースの化学療法またはペムブロリズマブ(腫瘍細胞の≧50%がPD-L1を発現している患者)とされる。一方、非扁平上皮NSCLCでは、最近、プラチナ製剤ベース化学療法とペムブロリズマブの併用により、OS期間の有意な延長が報告されていた。
大腿膝窩動脈PAD、Eluvia vs.Zilver PTXステント/Lancet
大腿膝窩動脈の末梢動脈疾患(PAD)のステント治療について、ポリマー被覆・パクリタキセル溶出ステント(Eluvia)は、非ポリマー・パクリタキセル被覆ステント(Zilver PTX)に対し、12ヵ月時点の1次開存率および主要有害事象に関して非劣性であることが確認された。米国・Lankenau Heart InstituteのWilliam A. Gray氏らによる「IMPERIAL試験」の結果で、これまで大腿膝窩動脈部位の薬剤溶出ステントの臨床的有効性について、最新デバイスの比較は行われていなかった。Lancet誌オンライン版2018年9月24日号掲載の報告。
ブドウ球菌性菌血症、アルゴリズム治療vs.通常ケア/JAMA
ブドウ球菌性菌血症患者において、検査と治療をガイドするアルゴリズムを使用した臨床的成功率は、通常ケアの場合と比較して非劣性であることが、米国・デューク大学医療センターのThomas L. Holland氏らによる無作為化試験の結果、示された。しかし、重大有害事象の発現頻度に有意な差は認められなかったものの、信頼区間値が広域であることから結果についての解釈は限定的であった。ブドウ球菌性菌血症に対する抗菌薬の適切な投与期間は不明である。著者は今回の結果を踏まえて、「さらなる検討を行い、アルゴリズムの有用性を評価する必要がある」と述べている。JAMA誌2018年9月25日号掲載の報告。
中等症~重症の二次性MRに経皮的僧帽弁修復術は有効か/NEJM
ガイドラインに基づく最大用量の薬物療法を受けているにもかかわらず症状が持続している中等症~重症の二次性僧帽弁閉鎖不全症(MR)の心不全患者において、薬物療法単独と比較し薬物療法+経皮的僧帽弁修復術を行った患者では、24ヵ月以内の心不全による入院率と全死因死亡率が低下し、デバイス関連合併症の発生率も低いことが認められた。米国・コロンビア大学のGregg W. Stone氏らが、MitraClip(Abbott Vascular)を用いた経皮的僧帽弁修復術の安全性と有効性を検証した多施設共同無作為化非盲検比較試験「COAPT」の結果を報告した。左室機能不全に起因するMRを伴う心不全患者の予後は不良であり、経皮的僧帽弁修復術はこうした心不全患者の臨床転帰を改善する可能性があった。NEJM誌オンライン版2018年9月23日号掲載の報告。
健康高齢者への低用量アスピリン、無障害生存期間を延長せず/NEJM
健康な高齢者に対する低用量アスピリン投与は、プラセボ投与と比較して、無障害生存期間を延長することはなく、大出血の頻度を増加することが示された。オーストラリア・モナシュ大学のJohn J. McNeil氏らが、米国およびオーストラリアの計50施設にて約2万例を対象に実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「ASPREE試験」の結果を報告した。本試験は、主要評価項目に関してアスピリンの使用継続が有益ではないことが認められたため、追跡期間中央値4.7年で早期終了となっている。アスピリンの医学的適応がない高齢者において、低用量アスピリンの使用が増加しているが、健康な高齢者の健康寿命を延ばすためのアスピリン使用に関する情報は限定的であった。NEJM誌オンライン版2018年9月16日号掲載の報告。
未治療ALK陽性肺がん、brigatinib vs.クリゾチニブ/NEJM
ALK(未分化リンパ腫キナーゼ)阻害薬未治療で、局所進行/転移を有するALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の患者に対し、開発中の次世代型ALK阻害薬brigatinibはクリゾチニブと比較し、無増悪生存期間を有意に延長したことが示された。米国・コロラド大学のD. Ross Camidge氏らが、約280例を対象に行った第III相の非盲検無作為化試験「ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of Brigatinib in 1st Line)試験」の結果で、NEJM誌オンライン版2018年9月25日号で発表した。brigatinibは、クリゾチニブの効果が認められなかったALK陽性NSCLC患者における有効性が確認されていた。
健康な高齢者へのアスピリンのCVD1次予防効果は?/NEJM
健康な高齢者への1次予防戦略としての低用量アスピリンの使用は、プラセボと比較して、大出血リスクを有意に増大し、心血管疾患リスクを有意に減少しないことが示された。オーストラリア・モナシュ大学のJohn J. McNeil氏らASPREE試験の研究グループによる、米国とオーストラリアに住む高齢者1万9,114例を対象に行った無作為化比較試験の結果で、NEJM誌オンライン版2018年9月16日号で発表された。アスピリン治療では、心血管疾患の2次予防効果は確立されている。しかし、その1次予防効果は明確になっておらず、とくに同疾患リスクが高い高齢者において不明であった。
アスピリンは、健康な高齢者の死亡を抑制しない?/NEJM
毎日アスピリンの投与を受けた健康な高齢者の死亡率は、プラセボと比較してむしろ高く、しかも主な死因はがん関連死であるとする予想外の研究結果が示された。オーストラリア・モナシュ大学のJohn J. McNeil氏らASPREE試験の研究グループが、NEJM誌オンライン版2018年9月16日号で報告した。本研究の初回解析では、アスピリンの毎日使用は、主要エンドポイントである無障害生存(disability-free survival)に関して便益をもたらさなかった。また、アスピリン使用者は、副次エンドポイントである全死因死亡率も高かったという。
医師のバーンアウト研究、ばらつき過大でメタ解析不可能/JAMA
臨床医のバーンアウト(燃え尽き症候群)の推定有病率には、研究間に重大なばらつきが存在し、定義や評価法、試験の質には顕著な差異があることが、米国・ハーバード大学医学大学院のLisa S. Rotenstein氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2018年9月18日号に掲載された。バーンアウトは、自己報告による職業関連症候群であり、医師とその患者に影響を及ぼす重要な因子としての認識が高まっている。医師のバーンアウトの有病率の正確な推定値は、保健施策において重大な意味を持つが、総合的な有病率は知られていないという。