腹部大動脈瘤の血管内治療 vs. 開腹手術:長期転帰に有意差なし
腹部大動脈瘤に対する血管内治療 vs. 開腹手術の長期転帰を比較した大規模無作為化試験の結果、血管内治療の方が手術死亡率は低いが、長期全死亡率、動脈瘤関連死亡率は両群で有意差がないこと、長期的には血管内治療群の方がコスト高であることが明らかになった。英国血管内治療(EVAR)試験研究グループの報告によるもので、NEJM誌2010年5月20日号(オンライン版2010年4月11日号)で発表された。開腹手術は1951年以降、血管内治療は1986年以降行われるようになり、その後両群比較の30日手術死亡率の結果をエビデンスに血管内治療の有益性が支持されてきたが、長期転帰について比較を行った試験データはこれまで、ほとんどなかった。