1日1gの減塩は降圧薬を上回るか?

減塩への取り組みがもたらす健康へのベネフィットはいったいどれぐらいなのか? 米国カリフォルニア大学医学部疫学・生物統計学部門のKirsten Bibbins-Domingo氏らは、米国35~84歳の冠動脈疾患(CHD)政策モデルを使って、1日1~3gの減塩でもたらされる健康へのベネフィット(心血管イベント、全死因死亡、医療費など)を、コンピュータシミュレーションした。日本やイギリスなど多くの国では、食品業界を巻き込んでの、加工食品への塩分量表示や公衆教育を通じた減塩に対する意識喚起が行われている。一方、米国では塩分摂取量が年々上昇しており(2005~2006年:目標5.8g未満に対し男性10.4g、女性7.3g)、その約8割が加工食品からの摂取で、研究グループは公衆衛生改善を提起するため本研究を行った。NEJM誌2010年2月18日号(オンライン版2010年1月20日号)掲載より。