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- 2024/12/20
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マインドフルネス・ストレス低減療法は腰痛の治療選択肢/JAMA
慢性腰痛に対し、瞑想とヨガによるマインドフルネス・ベースのストレス低減療法(MBSR)は、26週間後の痛みや機能的制限の改善について、通常ケアよりも有効で、認知行動療法(CBT)と同程度の効果があることが示された。米国・ワシントン大学のDaniel C. Cherkin氏らが、342例を対象に行った無作為化比較試験で明らかにし、JAMA誌2016年3月22・29日号で発表した。MBSRの効果についての試験はこれまで大規模だが1試験のみで高齢者のみを対象としたものしか行われていなかった。
遺伝子検査は生活習慣の改善に結び付くのか?/BMJ
遺伝子検査が手軽に広く行われるようになる中、疾患リスクに関するDNAベースの推定情報の提供が、キーとなる保健行動(喫煙、食事、運動)変化の動機づけになるといわれるようになっているが、本当に期待できるのか。英国・ケンブリッジ大学のGareth J Hollands氏らが、同関連についてシステマティックレビューとメタ解析により調べた結果、そのような期待を支持するエビデンスは見つからなかったと報告した。同様の命題を掲げた検討は、2010年にMarteau TM氏らがCochraneレビューにて行い、「支持するエビデンスがない」と報告している。今回のHollands氏らの報告は、Marteau TM氏らの報告をアップデートしたもので、既存の7試験に11試験を加えて分析を行った結果であった。BMJ誌オンライン版2016年3月15日号掲載の報告。
肥満妊婦と新生児の過体重、因果関係が明らかに?/JAMA
遺伝的にBMIや血糖値が高い母親の子供は出生時体重が重く、これらの関連には因果関係がある可能性が、英国・エクセター大学医療センターのJessica Tyrrell氏らEarly Growth Genetics(EGG)Consortiumの検討で示唆された。研究の成果は、JAMA誌2016年3月15日号に掲載された。過体重で出生した新生児や肥満女性は出産時の合併症のリスクが高いとされる。観察研究では、母親の肥満関連の遺伝形質が出生時体重と関連することが報告されているが、その因果関係はよく知られていないという。
再挿管リスク、ネーザルハイフロー vs.従来酸素療法/JAMA
抜管後の酸素療法について、再挿管リスクが低い患者ではネーザルハイフロー療法が従来酸素療法よりも、72時間以内の再挿管リスクが有意に低下したことが、スペイン、ビルヘン・デ・ラ・サルード病院のGonzalo Hernandez氏らによる多施設共同無作為化試験の結果、示された。これまでに、再挿管リスクの高低を問わない機械的人工換気療法を受ける重篤疾患患者の試験で、抜管後のネーザルハイフロー療法が従来酸素療法よりも酸素化を改善することは示されていた。しかし、再挿管リスクに関するデータはなかった。JAMA誌オンライン版2016年3月15日号掲載の報告。
公表論文のp値、ほとんどが有意差あり/JAMA
p値の記載のある抄録や論文は増加しており、そのほとんどが統計学的に有意差のある結果の報告であることが、パリ・イル・ド・フランス複雑系研究所(ISC-PIF)のDavid Chavalarias氏らの検討で明らかとなった。研究の成果は、JAMA誌2016年3月15日号に掲載された。生物医学などの研究分野では、研究結果から得られる結論の伝達に、p値による統計的検定が用いられるが、p値の誤用や誤解、伝達不良への関心が高まっている。また、報告バイアス(reporting bias、「否定的な」結果とは対照的に、統計学的に有意差のある結果は優先的に公表され、強調されることによるバイアス)に関するさまざまな分野からのエビデンスが増えており、これは公表された科学文献の信頼性において重大な意味を持つ可能性があるという。
難民は精神病リスクが高い/BMJ
難民は、統合失調症など非感情性精神病性障害(non-affective psychotic disorders)のリスクが高い。スウェーデン・カロリンスカ研究所のAnna-Clara Hollander氏らが、各種全国レジストリを用いたスウェーデン在住者約135万人の後ろ向きコホート研究で、明らかにした。発病リスクは類似地域からの「移民」と比べ1.7倍、スウェーデン生まれの人と比べ約3倍に上るという。先行研究で、「移民」において統合失調症などの非感情性精神病性障害のリスクが高いことが知られていたが、難民については不明であった。BMJ誌オンライン版2016年3月15日号掲載の報告。
敗血症患者のICUでの2次感染、死亡への影響は?/JAMA
ICUでの2次感染は、重症度が高い敗血症入室患者でより多く発生していたが、全死亡に対する寄与はごくわずかであることが、オランダ・アムステルダム大学のLonneke A. van Vught氏らが、Molecular Diagnosis and Risk Strati- fication of Sepsis(MARS)プロジェクトの一部として行った前向き観察研究の結果、示された。なお、敗血症患者のゲノム応答を調べたところ、免疫抑制は2次感染発症時に起きたことを示すものであったという。これまで、敗血症は免疫抑制を引き起こし、2次感染と死亡との関連感度を高めるのではないかと考えられていた。JAMA誌オンライン版2016年3月15日号掲載の報告。
腹部手術後の低酸素血症呼吸不全、非侵襲的換気療法が有効/JAMA
腹部手術後に低酸素血症呼吸不全を発症した患者に対し、顔面マスクを介して行う非侵襲的換気療法は、標準酸素療法と比較して7日以内の気管再挿管の発生率が12%低下したことが示された。フランス、サン・テロワ大学病院のSamir Jaber氏らが、患者293例を対象に行った無作為化並行群間比較試験の結果で、JAMA誌オンライン版2016年3月15日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「こうした患者において非侵襲的換気療法の使用を支持する結果が示された」とまとめている。
プライマリケアでのNSAID・抗血小板薬の高リスク処方を減らすには/NEJM
プライマリケア診療所に対し、専門家によるリスクの高い処方に関する教育や、処方の見直しが必要な患者について医師に通知する情報システム、さらにそうした処方の見直しに対する金銭的インセンティブを与えるという複合的介入で、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や抗血小板薬に関する高リスク処方が4割ほど減り、関連する入院の発生も減少したという。スコットランド・ダンディー大学のTobias Dreischulte氏らが、34ヵ所のプライマリケア診療所を対象に行ったクラスター無作為化試験の結果、明らかにした。NEJM誌2016年3月17日号掲載の報告より。
抗PD-L1抗体atezolizumab、既治療NSCLCのOS延長/Lancet
既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、新規免疫チェックポイント阻害薬atezolizumabは、ドセタキセル(商品名:タキソテールほか)に比べ予後が良好であることが、米国・カイザーパーマネンテ医療センターのLouis Fehrenbacher氏らが行ったPOPLAR試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2016年3月9日号に掲載された。ニボルマブやペムブロリズマブがT細胞上のPD-1を標的とするのに対し、atezolizumabは腫瘍細胞および腫瘍浸潤免疫細胞上に発現しているPD-L1(PD-1のリガンド)に対するヒト型IgG1モノクローナル抗体で、T細胞上のPD-1だけでなくB7.1(CD80)との結合を阻害する。それゆえ、T細胞活性化阻害作用の抑制効果が抗PD-1抗体よりも高い可能性があり、またPD-L2とPD-1の相互作用には影響しないことから、免疫系の恒常性への影響を回避できると考えられている。
身長・BMIが学歴や年収に影響?/BMJ
体重と身長は、学歴や年収などの社会経済的地位に影響を及ぼすことが、英国・エクセター大学のJessica Tyrrell氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年3月8日号に掲載された。社会経済的地位は罹病や死亡に影響を及ぼすとされ、最近の調査ではロンドン市の最貧困地区と最も裕福な地区では、男性の寿命に18年もの差があることが報告されている。一方、高身長や低BMIは社会経済的地位が高いことと関連するが、どちらが原因でどちらが結果かはよくわかっておらず、この問題は保健衛生や福利政策にとって重要とされる。
肥満治療薬naltrexone/bupropion合剤の安全性/JAMA
過体重/肥満患者へのnaltrexone/bupropion組み合わせ治療は、主要有害心血管イベント(MACE)の発生について、プラセボとの比較において非劣性のマージン内であったことが、米国クリーブランド・クリニックセンターのSteven E. Nissen氏らによる、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照非劣性試験の結果、示された。ただし、著者は試験の検出力不足について指摘し、さらなる検討の必要性を提言している。肥満治療について、心血管アウトカムを評価した試験はほとんど行われていない。naltrexoneとbupropionはそれぞれ米国上市薬であるが、両者を組み合わせた肥満治療薬は心血管系の安全性について議論の的となっていた。JAMA誌2016年3月8日号掲載の報告。
アレルギー予防、生後3ヵ月からの食物摂取の効果は?/NEJM
生後3ヵ月という早期からアレルギー性食物の摂取を始めても、食物アレルギー発症防止に関する有意な効果は認められなかったことが、英国・ロンドン大学のMichael R. Perkin氏らが行った1,303例を対象とした無作為化試験の結果、示された。世界保健機関(WHO)が生後6ヵ月までの完全母乳哺育を推奨している一方で、アレルギー性食物摂取の待機的開始を推奨していた欧米の2つのガイドラインはすでに撤回されている。これまでに観察研究や無作為化試験で、早期からアレルギー性食物を与えることの食物アレルギー発症の抑制効果が報告されていたが、開始年齢については明らかになっていなかった。研究グループは、生後3ヵ月での開始の効果について検証した。NEJM誌オンライン版2016年3月4日号掲載の報告より。
妊娠高血圧の心筋症リスク、周産期以降も長期に及ぶ/JAMA
妊娠高血圧症候群(Hypertensive disorder of pregnancy:HDP)を合併した妊婦は、合併しなかった妊婦と比べ、出産後5ヵ月以降に心筋症を発症するリスクが、わずかであるが統計学的に有意に高いことが示された。デンマーク・Statens Serum Institut社のIda Behrens氏らによる、デンマークの全国レジストリを用いたコホート研究の結果、明らかになった。これまでにHDP、とくに妊娠高血圧腎症の妊婦では、出産前1ヵ月~出産後5ヵ月以内の周産期心筋症のリスクが増加することが報告されていたが、HDPが出産後5ヵ月以降の心筋症とも関連するかどうかについては不明であった。JAMA誌オンライン版2016年3月8日号掲載の報告。
Lancet、NEJMなどで筆頭著者が女性である割合は?/BMJ
インパクトファクターが高い総合医学雑誌の原著論文で筆頭著者が女性である割合は、20年前に比べ有意に増加したものの、近年その増加は横ばいで、逆に減少している雑誌もあるという。米・Baylor Scott & White HealthのGiovanni Filardo氏らが、高インパクトファクターの総合医学雑誌6誌を調査し、明らかにした。米国および英国の研究者に限定した先行研究2件で、1970年以降、女性筆頭著者の割合は増加しており、2004年で米国は29%、英国は37%と報告されていたが、医学雑誌間で比較した検討はこれまで行われていなかった。BMJ誌オンライン版2016年3月2日号掲載の報告。
巨細胞性動脈炎の寛解導入にトシリズマブは有効/Lancet
巨細胞性動脈炎(GCA)患者に対し、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体トシリズマブと経口プレドニゾロンの併用投与は、経口プレドニゾロン単独投与に比べ、完全寛解率や、長期無再発生存率も高いことが示された。スイス・ベルン大学のPeter M. Villiger氏らが、巨細胞性動脈炎患者30例を対象に行った初となる無作為化試験の結果で、Lancet誌オンライン版2016年3月4日号で発表された。巨細胞性動脈炎に対し、糖質コルチコイド治療はゴールドスタンダードで重篤な血管合併症を防ぐが、罹患・死亡率が高い。トシリズマブは、巨細胞性動脈炎の寛解導入・維持に用いられていることから、研究グループは、新規および再発患者に対するトシリズマブの安全性と有効性を確認するため今回の検討を行った。
重度喘息へのICS/LABAは安全かつ適正か?/NEJM
持続性喘息の患者に対し、吸入ステロイド薬(ICS)フルチカゾンと長時間作用性β2刺激薬(LABA)サルメテロールの併用投与は、フルチカゾン単独投与に比べ、死亡や気管内挿管などの重度喘息イベントのリスクを増大しないことが示された。米国グラクソ・スミスクライン社のDavid A. Stempel氏らが、1万1,679例を対象に無作為化試験を行った結果、明らかにされた。増悪リスクは、併用投与群が単独投与群に比べ約2割低かったという。喘息治療における安全かつ適正なLABAの使用については、広く議論されている。先行する2つの大規模臨床試験では、重篤な喘息関連イベントリスクがLABAと関連している可能性が報告されていた。NEJM誌オンライン版2016年3月6日号掲載の報告より。
フルオロキノロンは重篤不整脈リスクを増大しない/BMJ
経口フルオロキノロン系薬の服用は、重篤な不整脈リスクを増大しない。これまでとは異なる所見が得られたことを、スウェーデン・ルンド大学のMalin Inghammar氏らがコホート研究の結果、報告した。デンマークとスウェーデンの2国住民を対象に、経口フルオロキノロン治療の関与を、不整脈誘発作用のないペニシリンV使用との比較で調べた結果、明らかになったものだという。BMJ誌オンライン版2016年2月26日号掲載の報告。
ジカウイルスとギラン・バレー症候群の関連、初のエビデンス/Lancet
ジカウイルスがギラン・バレー症候群を引き起こすという、初となるエビデンス報告が、Lancet誌オンライン版2016年2月29日号で発表された。仏領ポリネシアのタヒチにあるInstitut Louis MalardeのVan-Mai Cao-Lormeau氏らの研究グループが、症例対照研究の結果、報告した。Cao-Lormeau氏は、「ジカウイルス感染症が南北・中央アメリカ中に広がりをみせている。リスクに曝されている国では、ギラン・バレー症候群患者を集中的に治療するための十分なベッドを確保しておく必要がある」と警告を発している。仏領ポリネシアでは2013年10月~14年4月の間に、ジカウイルス感染症の大規模なアウトブレイクを経験。同期間中に、ギラン・バレー症候群の患者が増大したことが報告され、ジカウイルスとの関連が指摘されていた。
35歳以上の妊婦に分娩誘発は有害か/NEJM
高年齢妊婦では帝王切開の頻度が高いが、35歳以上の初産妊婦に対し妊娠39週での分娩誘発は、待機的管理と比べて、帝王切開率へ有意な影響をもたらすことはなく、また母体および新生児への短期的有害作用も及ぼさないことが明らかにされた。英国・ノッティンガム大学のKate F. Walker氏らが無作為化試験の結果、報告した。35歳以上の妊婦では、より若い妊婦の場合と比べて正期産における死産リスクが高い。一方で、分娩誘発によりそのリスクは低下可能だが、帝王切開リスクが上昇する可能性が示唆されていた。NEJM誌2016年3月3日号掲載の報告。