ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:37

ソトラシブ、KRASG12C変異陽性NSCLCのPFSを延長/Lancet

 既治療のKRAS G12C変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、KRASG12C阻害薬ソトラシブは標準治療であるドセタキセルと比較して、無増悪生存期間(PFS)を延長し、安全性プロファイルも優れることが、オランダがん研究所のAdrianus Johannes de Langen氏らが実施した「CodeBreaK 200試験」で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2023年2月7日号で報告された。  CodeBreaK 200試験は、日本を含む22ヵ国148施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2020年6月~2021年4月の期間に患者の登録が行われた(Amgenの助成を受けた)。

患者向け広告費が高い医薬品とは?/JAMA

 米国では、医療用医薬品(処方薬)の消費者に向けた直接広告(direct-to-consumer[DTC]広告)が許可されている。米国・ジョンズホプキンス公衆衛生大学院のMichael J. DiStefano氏らは、DTC広告費が高い医薬品の特性を明らかにするための調査を実施した。その結果、2020年に売上高が上位を占めた医薬品の中で、総販促費に占めるDTC広告費の割合が高かったのは、付加的な臨床的有用性の評価は低いが総売上高が高い医薬品であったことが明らかになったという。JAMA誌2023年2月7日号掲載の報告。  研究グループは、2020年に米国での売上高が上位150品目の医薬品特性と販促費の関連を評価する目的で、探索的な横断研究を行った(Arnold Venturesなどの助成を受けた)。フランスとカナダの医療技術評価機関(France's Haute Autorite de Sante、Canada's Patented Medicine Prices Review Board)と医薬品データソース(Drugs@FDA、FDA Purple Book、Lexicomp、Merative Marketscan Research Databases、Medicare Spending by Drug data)により、医薬特性(2020年総売上高、2020年総販促費、臨床的有用性評価、適応症数、適応外使用、分子タイプ、治療を受けた患者の症状概要、投与タイプ、後発品有無、FDA承認年、WHO解剖治療化学分類、メディケア加入者の年間平均支出、売上に占める当該医薬品の割合、市場規模、市場競争力)を評価した。

糖尿病網膜症、アフリベルセプトの早期投与で長期の視力改善は?/JAMA

 中心窩を含む糖尿病黄斑浮腫(CI-DME)を伴わない非増殖糖尿病網膜症(NPDR)患者において、アフリベルセプトを予防投与し視力を脅かす合併症が生じた場合にアフリベルセプトによる治療を開始しても、予防投与なし(シャム投与)で同合併症発生時に治療を開始した場合と比較し、4年後に増殖糖尿病網膜症(PDR)またはCI-DMEの発生率は有意に低下したが視力の改善は認められなかった。米国・インディアナ大学のRaj K. Maturi氏らが、米国およびカナダの64施設で実施した無作為化比較試験「DRCR Retina Network Protocol W試験」の結果を報告した。本試験では、少なくとも2年間は糖尿病による視力を脅かす合併症の発生を抑制できることが示されていたが、早期投与が長期的な視力改善につながるかどうかは不明であった。著者は、「本試験で用いられた予防戦略としてのアフリベルセプトは、CI-DMEを伴わないNPDR患者には通常不要だろう」とまとめている。JAMA誌2023年2月7日号掲載の報告。  研究グループは、1型または2型糖尿病を有する成人で、CI-DMEを伴わない中等度~重度のNPDR(糖尿病網膜症重症度尺度[DRSS]レベル43~53)を少なくとも1眼有し、最高矯正視力が79文字以上(スネレン換算20/25以上)の患者を対象に試験を実施した。

ペグIFN-λ、高リスクCOVID-19の重症化を半減/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種者を含むCOVID-19外来患者において、ペグインターフェロンラムダ(IFN-λ)単回皮下投与は、COVID-19進行による入院または救急外来受診の発生率をプラセボ投与よりも有意に減少させた。ブラジル・ミナスジェライスカトリック大学のGilmar Reis氏らTOGETHER試験グループが報告した。NEJM誌2023年2月9日号掲載の報告。  TOGETHER試験は、ブラジルとカナダで実施された第III相無作為化二重盲検プラセボ対照アダプティブプラットフォーム試験である。研究グループは、ブラジルの12施設およびカナダの5施設において、SARS-CoV-2迅速抗原検査が陽性でCOVID-19の症状発現後7日以内の18歳以上の外来患者のうち、50歳以上、糖尿病、降圧療法を要する高血圧、心血管疾患、肺疾患、喫煙、BMI>30などのリスク因子のうち少なくとも1つを有する患者を、ペグIFN-λ(180μg/kgを単回皮下投与)群、プラセボ群(単回皮下投与または経口投与)または他の介入群に無作為に割り付けた。

中等症~重症の化膿性汗腺炎、セクキヌマブ2週に1回投与が有効/Lancet

 中等症~重症の化膿性汗腺炎患者において、セクキヌマブの2週ごとの投与は安全性プロファイルが良好で、化膿性汗腺炎を速やかに改善し、投与52週後まで有効性が維持されることが示された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのAlexa B. Kimball氏らが、日本を含む40ヵ国219施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験「SUNSHINE試験」および「SUNRISE試験」の結果を報告した。中等症~重症の化膿性汗腺炎に対して利用可能な治療選択肢は、わずかしかないのが現状である。Lancet誌オンライン版2023年2月3日号掲載の報告。  SUNSHINE試験およびSUNRISE試験の対象は、1年以上、中等症~重症の化膿性汗腺炎(2ヵ所以上の解剖学的部位に、合計5つ以上の炎症性病変)を有する18歳以上で、試験期間中、市販の外用消毒剤を化膿性汗腺炎病変部位に毎日使用することに同意した患者を適格とした。ベースラインで20以上の瘻孔がある患者、併用禁止薬(全身性生物学的免疫調整薬、生ワクチン、または他の治験薬)による治療が必要な活動性皮膚疾患を有する患者などは除外した。  両試験において適格患者を、セクキヌマブ300mgを2週ごと皮下投与する群(2週ごと群)、同4週ごと皮下投与する群(4週ごと群)、またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付けた。  主要エンドポイントは、投与16週後のHiSCR(ベースラインと比較して膿瘍および炎症性結節の数が50%以上減少し、かつ膿瘍数の増加がなく、かつ排膿性瘻孔数も増加がない場合と定義)を達成した患者の割合とした。

妊娠中のコロナワクチン接種、出生児の感染/入院を予防/BMJ

 妊娠中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン2回接種は、出生児の生後6ヵ月間における新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)デルタ株への感染と入院に対し高い有効率を示し、オミクロン株の感染と入院に対しても中等度の予防効果が認められた。また、3回目のワクチン接種によりオミクロン株に対する有効率が上昇したこと、ワクチン2回接種の有効率は、母親の妊娠第3期での接種で最も高く、生後8週を過ぎると低下していた。カナダ・トロント大学のSarah C. J. Jorgensen氏らが、オンタリオ州の地域住民を対象とした検査陰性デザイン研究の結果を報告した。SARS-CoV-2中和抗体は、妊娠中の感染やワクチン接種により臍帯血、母乳、乳児血清に存在することが明らかになっており、妊娠中のCOVID-19ワクチン接種が、乳児のSARS-CoV-2感染および入院リスクを低下する可能性を示唆する新たなエビデンスが示されていた。BMJ誌2023年2月8日号掲載の報告。  研究グループは、ICES(旧名称:Institute for Clinical Evaluative Sciences)のデータベースを用い、カナダで最も人口の多いオンタリオ州において2021年5月7日~2022年3月31日の期間に生まれ、2021年5月7日~2022年9月5日の期間にSARS-CoV-2の検査を受けた生後6ヵ月未満児を特定し解析を行った。COVID-19ワクチン接種データベース(COVaxON)を用いて母親の妊娠中のワクチン接種状況を調べ、デルタ株またはオミクロン株の感染が検査で確認された乳児を症例群、検査が陰性であった乳児を対照群として、乳児のデルタ株またはオミクロン株の感染または入院に対するワクチン有効率を多変量ロジスティック回帰モデルにより解析した。

北京では22年11月以降、新たな変異株は認められず/Lancet

 中国・北京市で2022年11月14日以降に流行している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、その大部分がBA.5.2とBF.7で、新たな変異株出現のエビデンスはないことを、中国・Beijing Center for Disease Prevention and Control(北京市疾病予防管理センター)のYang Pan氏らが報告した。約3,000件のSARS-CoV-2について完全ゲノムシークエンスを行い明らかにした。著者は、「今回のデータは北京市のみのものだが、人流の頻度および伝染力が強い系統が循環していたことから、結果は“中国の現状”とみなすことができる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2023年2月8日号掲載の報告。

2cm以下末梢型NSCLC、縮小手術vs.肺葉切除術/NEJM

 腫瘍径2cm以下で病理学的に肺門・リンパ節転移陰性が確認された末梢型非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する縮小手術は、無病生存に関し、肺葉切除術に対し非劣性であることが示された。全生存は同等だった。腫瘍径が小さなNSCLCの検出率の上昇に伴い、肺葉切除から縮小手術へと再び関心が移っている中、米国・New York-Presbyterian病院のNasser Altorki氏らが、697例を対象に行った第III相多施設共同非劣性試験の結果で、NEJM誌2023年2月9日号で発表された。  研究グループは、2007年6月~2017年3月にかけて、臨床病期T1aN0(腫瘍径2cm以下)のNSCLC患者について、術中にリンパ節転移陰性を確認したうえで無作為に2群に割り付け、縮小手術または肺葉切除術をそれぞれ実施した。

疼痛に有効な抗うつ薬は?/BMJ

 オーストラリア・シドニー大学のGiovanni E. Ferreira氏らは、成人の疼痛において抗うつ薬とプラセボを比較した試験に関する26件の系統的レビューのデータの統合解析を行った。抗うつ薬の有効性を示す確実性が「高」のエビデンスは得られなかったが、4種の疼痛において、セロトニン-ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)の有効性を示す確実性が「中」のエビデンスが確認された。研究の成果は、BMJ誌2023年2月1日号に掲載された。  研究グループは、病態別の疼痛に対する抗うつ薬の有効性、安全性、忍容性に関して、包括的な概要を提示する目的で、系統的レビューのデータを統合して要約した(特定の研究助成は受けていない)。

B群髄膜炎菌ワクチン、侵襲性髄膜炎菌感染症で高い予防効果/NEJM

 スペインでは2015年9月、4成分の蛋白ベースのB群髄膜炎菌ワクチン(4CMenB、Bexsero)が自費接種できるようになった。スペイン・Instituto de Investigacion Sanitaria de NavarraのJesus Castilla氏らは、生後60ヵ月未満の小児における4CMenBの有効性の評価を行い、完全接種(2回以上)した集団では、すべての血清群による侵襲性髄膜炎菌感染症に対する有効率が76%に達し、部分接種(1回)でも54%であることを示した。研究の成果は、NEJM誌2023年2月2日号で報告された。  本研究は、小児における4CMenBによる侵襲性髄膜炎菌感染症の予防効果の評価を目的とするスペインの全国的なマッチド症例対照研究であり、2015年10月5日~2019年10月6日に検査で侵襲性髄膜炎菌感染症が確認された生後60ヵ月未満の小児が解析の対象となった。

ドナーの低体温療法は移植腎の機能回復遅延に有用か/NEJM

 腎移植患者(レシピエント)における移植腎の機能回復遅延のリスクは、脳死腎提供者(ドナー)への低体温療法によって低減することが示唆されており、この方法が機械灌流保存に劣らないことが示されれば、かなりの費用の削減とロジスティクスの合理化につながると考えられている。米国・オレゴン健康科学大学のDarren Malinoski氏らがこの仮説の検証を試みたが、ドナーに対する低体温療法は腎臓の機械灌流保存と比較して、移植腎の機能回復遅延の軽減に関して劣っており、低体温療法と機械灌流保存を併用しても、付加的な防御効果はみられないことが示された。研究の詳細は、NEJM誌2023年2月2日号に掲載された。  本研究は、米国の6つの臓器提供施設が参加した実践的な適応的前向き無作為化試験であり、2017年8月~2020年5月の期間に実施された(Arnold Venturesの助成を受けた)。

有害な妊娠アウトカム、母親の虚血性心疾患リスクが長期的に上昇/BMJ

 5つの有害な妊娠アウトカム(早産、在胎不当過小、妊娠高血圧腎症、妊娠高血圧腎症以外の妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病)のいずれかを経験した女性は、出産後の虚血性心疾患のリスクが高く、このリスク上昇は最長で46年持続していることが、米国・マウントサイナイ・アイカーン医科大学のCasey Crump氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年2月1日号で報告された。  研究グループは、5つの有害な妊娠アウトカムと母親の虚血性心疾患の長期的なリスクとの関連の評価を目的に、スウェーデンにおいて全国的なコホート研究を行った(米国国立心肺血液研究所[NHLBI]などの助成を受けた)。

子宮外妊娠、MTXへのゲフィチニブ上乗せ効果は?/Lancet

 卵管異所性妊娠(子宮外妊娠)の女性において、MTX(メトトレキサート)筋肉内投与にゲフィチニブ経口投与を上乗せしても、メトトレキサートを超える臨床的有用性は認められない一方、軽度の副作用が増加した。英国・エディンバラ大学のAndrew W. Horne氏らが、英国の病院50施設において実施した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験「Gefitinib for Ectopic pregnancy Management:GEM3」試験の結果を報告した。卵管異所性妊娠は、重大な病的状態の原因となる可能性があり、死に至ることさえある。現在の治療法はメトトレキサートまたは手術であるが、メトトレキサートの治療では約30%が失敗し、その後レスキュー手術が必要となる。EGFRチロシンキナーゼ阻害薬ゲフィチニブは、メトトレキサートの有効性を改善させる可能性が示唆されていた。Lancet誌オンライン版2023年2月1日号掲載の報告。

6つの“健康的な生活習慣”で高齢者の記憶力低下が遅延/BMJ

 健康的な生活習慣(喫煙をしない、飲酒をしない、健康的な食事、定期的な運動、活発な認知活動と社会的接触を組み合わせた)は、アポリポ蛋白E(APOE)ε4遺伝子型保有者においても、記憶力低下の進行を遅らせることを、中国・首都医科大学のJianping Jia氏らが地域住民を対象とした10年間の前向きコホート研究「China Cognition and Ageing Study(COAST)」の結果、報告した。健康的な生活習慣が認知機能に及ぼす影響に関する研究は増えているが、記憶力への影響に目を向けた研究は少なく、長期にわたる健康的な生活習慣と記憶力低下との関係を評価するには不十分なものであり、また遺伝的リスクとの相互作用は考慮されていなかった。著者は、「今回の研究は、記憶力の低下から高齢者を守るための重要な情報を提供するだろう」とまとめている。BMJ誌2023年1月25日号掲載の報告。

骨髄線維症の症状改善、新規クラスJAK阻害薬の有用性は?/Lancet

 新規クラスのJAK阻害薬momelotinibは、ダナゾールとの比較において、骨髄線維症関連の症状、貧血および脾臓の症状を有意に改善し、安全性は良好であることが示された。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのSrdan Verstovsek氏らが、195例の患者を対象に行った第III相の国際二重盲検無作為化試験「MOMENTUM試験」の結果を報告した。著者は、「今回の所見は、骨髄線維症患者、とくに貧血患者への効果的な治療法としてmomelotinibの今後の使用を支持するものである」と述べている。Lancet誌2023年1月28日号掲載の報告。骨髄線維症に対して承認されたJAK阻害薬は、脾臓および関連症状を改善するが貧血の改善は有意ではない。momelotinibは、新規クラスのACVR1ならびにJAK1およびJAK2の阻害薬で、貧血に対しても効果があることが示されていた。

インフル家庭内感染率、コロナ流行前の2.31倍に/JAMA

 米国5州のコホート試験で、2021-2022インフルエンザシーズン中のインフルエンザA(H3N2)ウイルス家庭内感染率は50.0%と、2017~20年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック前のシーズン(2017-2018、2018-2019)の同感染率20.1%に比べ、家庭内感染リスクは有意に上昇(2.31倍)していたことが報告された。米国疾病予防管理センター(CDC)のMelissa A. Rolfes氏らによる検討で、著者は「さらなる検討を行い、関連性の要因を明らかにする必要がある」と述べている。

CKDを抑制、植物油よりも魚油/BMJ

 魚介由来の3種のオメガ3系多価不飽和脂肪酸(n-3 PUFA)の総量の値が高いほど、慢性腎臓病(CKD)発症のリスクが低いのに対し、植物由来のn-3 PUFAにはこのような作用はなく、魚介由来n-3 PUFA値が最も高い集団は最も低い集団に比べ、推算糸球体濾過量(eGFR)の≧40%の低下のリスクが低いことが、オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のKwok Leung Ong氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年1月18日号に掲載された。

心血管疾患リスク予測式は、がん生存者に有用か/Lancet

 がん患者は心血管疾患のリスクが高いという。ニュージーランド・オークランド大学のEssa Tawfiq氏らは、がん生存者を対象に、同国で開発された心血管疾患リスク予測式の性能の評価を行った。その結果、この予測式は、リスクの予測が臨床的に適切と考えられるがん生存者において、5年心血管疾患リスクを高い精度で予測した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年1月23日号で報告された。  研究グループは、がん生存者における心血管疾患リスクの予測式の性能を、プライマリケアで評価する目的で、妥当性の検証研究を行った(オークランド医学研究財団などの助成を受けた)。

血友病Aの新規治療薬、既治療重症例の出血を低減/NEJM

 既治療の重症血友病A患者の治療において、efanesoctocog alfa(エフアネソクトコグ アルファ、国内で承認申請中)の週1回投与は、試験開始前の第VIII因子製剤による定期補充療法と比較して、出血の予防効果が優れ、正常~ほぼ正常の第VIII因子活性と、身体的健康や疼痛・関節の健康の改善をもたらすことが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAnnette von Drygalski氏らが実施した「XTEND-1試験」で示された。同薬は、von Willebrand因子(VWF)による半減期の上限を克服し、第VIII因子活性を高い状態で維持するよう設計された新たなクラスの第VIII因子補充療法薬。研究の成果は、NEJM誌2023年1月26日号に掲載された。

胆道がん、S-1による術後化学療法でOS延長/Lancet

 胆道がんの術後補助療法において、経口フッ化ピリミジン系薬剤S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシル カリウム)は、経過観察と比較して、全生存期間(OS)を延長し忍容性も良好であることが、栃木県立がんセンターの仲地 耕平氏ら日本臨床腫瘍研究グループの肝胆膵腫瘍グループ(JCOG-HBPOG)が実施した「ASCOT試験(JCOG1202試験)」で示された。研究の成果は、Lancet誌2023年1月21日号で報告された。  ASCOT試験は、日本の38施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2013年9月~2018年6月の期間に患者の登録が行われた(国立がん研究センターと厚生労働省の助成を受けた)。