腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:179

みんパピ! HPVワクチン説明補助フライヤーを無料配布

 一般社団法人HPVについての情報を広く発信する会-みんなで知ろう!HPVプロジェクト(通称みんパピ!)が11月17日に厚生労働省記者クラブで記者発表を行った。  同団体は8月から実施したクラウドファンディングで約2,600万円の資金調達を達成。その後の活動としてHPVワクチン説明補助用フライヤーの無料配布開始を報告した。  フライヤーは、小児科医をはじめとしたかかりつけ医がHPVワクチンについて説明をしやすいよう、同団体の事前アンケートに基づいて設計されている。

再発難治性多発性骨髄腫、ベネトクラクス+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの成績(BELLINI)/Lancet Oncol

 再発難治性多発性骨髄腫に対するベネトクラクス+ボルテゾミブ+デキサメタゾン療法(VBd療法)の、第III相多施設共同二重盲検無作為化試験「BELLINI試験」の結果が、米国・メイヨー・クリニックのShaji K. Kumar氏らにより論文発表された。VBd療法は、第I相試験で忍容性と安全性が確認され、臨床効果が示唆されていた。BELLINI試験は16ヵ国90病院で行われ、VBd療法はボルテゾミブ+デキサメタゾン療法(Bd療法)と比較して、主要評価項目である無増悪生存(PFS)期間を有意に改善することが示された。ただし、主に感染症の発現増加によりVBd療法において死亡の増加がみられ、著者は「VBd療法については患者を適切に選択することが重要である」とまとめている。Lancet Oncology誌オンライン版2020年10月29日号掲載の報告。

がん治療の進歩で注意すべき心血管リスクとその対策/日本医療薬学会

 近年、腫瘍循環器学という新しい概念が提唱されている。10月24日~11月1日にWeb開催された第30回日本医療薬学会総会のシンポジウム「腫瘍循環器(Onco-Cardiology)学を学ぼう~タスクシェア・シフト時代にマネジメントする薬剤師力の発揮~」において、腫瘍循環器領域の第一人者である向井 幹夫氏(大阪国際がんセンター成人病ドック科主任部長)が「腫瘍循環器学とは?臨床現場で薬剤師に求めること」と題し、腫瘍循環器学における新たな視点について語った。

がん治療は4週遅れるごとに死亡率が高まる/BMJ

 がん治療が4週間遅れるだけで、手術、全身療法、放射線療法の適応となる7つのがんで全体の死亡率が上昇する。カナダ・クイーンズ大学のTimothy P. Hanna氏らが、がん治療の遅延と死亡率上昇との関連を定量化する目的で実施したシステマティックレビューとメタ解析の結果を報告した。がん治療の遅れは転帰に悪影響を及ぼす可能性があるが、その影響の標準推定値はなく、これまでのメタ解析で治療の遅れと死亡/局所管理との関連が示されていたものの、各報告のばらつきが大きくメタ解析に限界があった。著者は、「世界的にがん治療の遅れは医療制度に問題がある。がん治療開始の遅れを最小限にするシステムに焦点を当てた政策が、集団レベルでの生存転帰を改善できるであろう」とまとめている。BMJ誌2020年11月4日号掲載の報告。

nabパクリタキセルは既治療のNSCLCの標準治療となるか、ドセタキセルとの比較(J-AXEL)/日本肺癌学会

 九州大学・米嶋 泰忠氏が、既治療の非小細胞肺がん(NSCLC)におけるドセタキセル単剤に対するnabパクリタキセルの効果と安全性を検証したJ-AXEL試験の結果を第61回日本肺癌学会学術集会にて発表した。J-AXEL試験はわが国の8つの臨床試験グループが参加した無作為比較第III相である。 対象:既治療(2レジメン以内)の進行NSCLC患者 試験群:nabパクリタキセル(n-PTX) 対照群:ドセタキセル(DTX) 評価項目: [主要評価項目]全生存期間(OS)非劣性検証 [副次評価項目]無造悪生存期間(PFS)、全奏効割合(ORR)、安全性、QOLなど

オシメルチニブ、T790M変異陽性NSCLCの2次治療のOS結果(AURA3最終)/Ann Oncol

 第3世代EGFR-TKIオシメルチニブについて検討した、AURA3試験の最終解析結果が報告された。同試験においてオシメルチニブは、既治療のEGFR T790M変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対して、プラチナ併用化学療法と比較し、無増悪生存(PFS)期間および奏効率を有意に改善することが示されていた。今回、米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのV A Papadimitrakopoulou氏らは、最終的な全生存(OS)期間について解析を行い、オシメルチニブ群とプラチナ+ペメトレキセド群に統計学的な有意差は認められなかったと発表した。ただし、示された結果について著者は、プラチナ+ペメトレキセド群からオシメルチニブ群へのクロスオーバーが高率であったことを反映している可能性があると指摘している。Annals Oncology誌2020年11月号掲載の報告。

ニボルマブ+イピリムマブ+2週間化学療法の肺がん1次治療、アジア人の成績は?(CheckMate9LA)/日本肺癌学会

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療において、PD-L1阻害薬ニボルマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブに2週間の限定化学療法を追加治療を評価する第III相非盲検無作為化試験CheckMate9LA試験。そのアジア人サググループの解析を、第61回日本肺癌学会学術集会で、埼玉がんセンターの酒井洋氏が発表した。 ・対象:未治療のStage IVまたは再発NSCLC患者(PS0~1) ・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群) ・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群) ・評価項目:

ペムブロリズマブ+アキシチニブ、腎細胞がん1次治療のOS延長持続(KEYNOTE-426)/Lancet Oncol

 化学療法未治療の進行性腎細胞がん患者に対する、ペムブロリズマブ+アキシチニブ併用とスニチニブ単独の有効性を比較したKEYNOTE-426試験の長期有効性・安全性を支持する結果が示された。同試験の中間解析では併用群が優れていることが示されているが、英国・Barts Cancer CentreのThomas Powles氏らは長期追跡の探索的解析を行い、その優れた有効性が維持されていたと発表した。結果を踏まえて著者は、「今回示された結果は、進行性腎細胞がんの標準治療としてのペムブロリズマブ+アキシチニブ併用による1次治療を、さらに支持するものである」とまとめている。Lancet Oncology誌オンライン版2020年10月23日号掲載の報告。

HPVワクチン、国は積極的勧奨を早急に再開すべき/日本癌治療学会

 7月に9価HPVワクチンが国内承認され、10月に4価HPVワクチンの有効性を確認した論文がNEJM誌に掲載されるなど、今年に入ってHPVワクチンに関連する動きが出ている。10月に開催された第58回日本癌治療学会学術集会では、こうした動向を踏まえ、会長企画シンポジウム「HPV関連癌の疫学からみる予防戦略」が開催された。  この中で、大阪労災病院の田中 佑典氏は「HPV感染から見る子宮頸癌の現在の問題点と予防対策」と題し、国内のHPVワクチン接種に関するこれまでの経緯を振り返り、今後の予防戦略をどう行っていくべきかをテーマに講演を行った。

PALB2病的変異を有する遺伝性乳がん、日本での臨床的特徴は/日本癌治療学会

 PALB2はBRCA2と相互作用するDNA修復に関連する分子で、PALB2遺伝子変異は乳がん、卵巣がんのリスクを増加させ、すい臓がんとの関連も指摘される。PALB2生殖細胞系列病的遺伝子変異(pathogenic or likely-pathogenic germline variant: PGV)を有する女性の70歳までの乳がんリスクは約35~50%、生涯の乳がんリスクは約5~8倍とされるが1)、その臨床的特徴に関する知見は限られる。樋上 明音氏(京都大学乳腺外科)らは、日本人乳がん患者約2千例を調査し、PALB2 PGV症例の頻度と臨床的特徴について、第58回日本癌治療学会学術集会(10月22~24日)で報告した。