整形外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:70

人工股関節、24%が臨床的有用性不明/BMJ

 整形外科医が現在、臨床で使用可能な人工股関節のうち、24%は臨床的有用性についてエビデンスがないものであることが、英国・クイーン・エリザベス病院のF Kynaston-Pearson氏らによるシステマティックレビューの結果、判明した。一部のmetal-on-metal人工股関節で高頻度の再置換発生率がみられることから、インプラントの十分なエビデンスを求める声が高まっていることを受けて本検討は行われた。整形外科医が使用可能なインプラントは多数あるが、その使用を支持する臨床的有用性エビデンスを有するものが、どれくらいあるのかはこれまで不明であったという。BMJ誌オンライン版2013年12月19日号掲載の報告より。

脊柱管狭窄症の硬膜外ステロイド注射、より有効な注射経路は?

 腰部脊柱管狭窄症において、硬膜外ステロイド注射は短期的な疼痛改善に有効であることはよく知られているが、その注射経路によって効果に違いがあることがギリシャ・ヨアニナ大学病院のAvraam Ploumis氏らの研究で明らかになった。坐骨神経痛を有する腰部脊柱管狭窄症患者を対象とした検討で、注射6ヵ月後の疼痛改善は、仙骨注射より経椎間孔注射のほうが優れていた。Pain Medicine誌オンライン版2013年12月16日の掲載報告。

子だくさんの女性は変形性膝関節症を発症もしくは増悪しやすい

 変形性膝関節症(OA)のリスクを有する高齢女性は、経産回数がX線学的OA(ROA)や人工膝関節置換術(KR)と関連することが明らかになった。米国・カリフォルニア大学デービス校のBarton L. Wise氏らが、OAおよびそのハイリスク患者を対象とした多施設変形性関節症研究MOST(Multicenter Osteoarthritis Study)を解析したもので、とくに4人を超える子供を有する女性で強い関連がみられるという。

腰痛の程度、配偶者のネガティブな態度で負のスパイラルに

 慢性腰痛患者の疼痛の程度は、配偶者のネガティブな態度と非常に密接に関係していることが明らかとなった。米国・ラッシュ大学のJohn W. Burns氏らが患者とその配偶者を対象とした前向き研究の結果、報告した。著者は、「慢性筋骨格系疼痛の治療効果に夫婦間の相互作用が影響を及ぼす可能性があり、これまでまったく関心がもたれなかった領域も治療の標的とするためのさらなる研究が望まれる」とまとめている。

筋肉痛の熱感受性に神経成長因子生成が関与?

 遅発性筋肉痛(いわゆる筋肉痛)は、伸張性収縮負荷によって筋侵害受容器の機械感受性が増大することで生じることが知られている。今回、中部大学生命健康科学部のFernando Queme氏、同教授の水村和枝氏らは、ヒトにおいて遅発性筋肉痛時に熱感受性の増大はみられないことを示すとともに、遅発性筋肉痛ラットモデルによる検討で、伸張性収縮による神経成長因子(NGF)の生成量が不十分な場合は熱感受性が増大しない可能性があることを明らかにした。

人工股関節と膝関節置換術、肺塞栓症発生率はどちらが高いか?

 これまで、米国における、待機的初回人工股関節/膝関節置換術における入院中の肺塞栓症発生率は不明であった。以前の研究ではがん、外傷または再置換術の患者が含まれていたためである。今回、米国・メリーランド大学メディカルセンターのUsman Zahir氏らが行った後ろ向きコホート研究の結果、膝関節置換術は股関節置換術より入院中の肺塞栓症の発生率および発生リスクが高いことが明らかとなった。

首や腰の痛みと精神的苦痛は相互に関連する

 頚部や腰部の疼痛と精神的苦痛との相互作用に関する理解は、公衆衛生の観点から重要である。スウェーデン・カロリンスカ研究所のKari Paanalahti氏らは、大規模な地域住民を対象とした前向きコホート研究を行い、脊椎痛および精神的苦痛の併存は、女性に多く、男女いずれにおいても回復が不良で、脊椎痛と精神的苦痛は双方向の関連性があることを確認した。Spine Journal誌オンライン版2013年11月18日号の掲載報告。