外科/乳腺外科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:137

日本初のDOAC特異的中和剤イダルシズマブ、承認取得

 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:青野吉晃)は、2016年9月28日、直接トロンビン阻害剤ダビガトラン(商品名:プラザキサ)の特異的中和剤であるイダルシズマブ(遺伝子組換え)(商品名:プリズバインド)の製造販売承認を取得したことを発表した。直接トロンビン阻害剤やXa因子阻害剤などの直接作用型経口抗凝固薬(DOAC:Direct oral anticoagulant)に対する特異的中和剤の製造販売承認取得は日本初である。なお、米国と欧州では昨年、承認を取得している。

がん患者の損傷リスクは診断の全過程で予防対策を/BMJ

 がん患者では、医原性損傷(iatrogenic injuries)および非医原性損傷(non-iatrogenic injuries)のリスクが、診断後だけでなく、診断前から上昇しており、診断の全過程を通じて予防対策を講じる必要があることが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のQing Shen氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年8月31日号に掲載された。大腸がん、前立腺がん、乳がんの患者では、医原性損傷による死亡の増加を認め、がん患者における非医原性損傷のリスク上昇も知られている。これまでに、がんの診断後や治療後の損傷のリスクは検討されているが、診断前のリスクの評価は行われておらず、本試験はがんの診断的検査による医学的合併症の疾病負担を総合的に検討した初めての研究だという。

早期乳がんの遺伝子診断で過剰な術後化療を回避/NEJM

 遺伝子診断の導入により、臨床リスクが高い乳がん患者の半数近くが、術後の化学療法は不要と判定され、毒性を伴う化学療法による過剰治療の回避につながる可能性があることが、ポルトガル・Champalimaud臨床センターのFatima Cardoso氏らが行ったMINDACT試験で示された。研究の成果はNEJM誌2016年8月25日号に掲載された。早期乳がん患者への術後補助療法の適用は、腫瘍および患者の特性に基づく臨床リスクで決定される。これらの特性を判定する診断ツールのアルゴリズムは、個々の患者の腫瘍の生物学的特性を考慮していないため、多くの患者が過剰治療となり、効果のない治療による毒性のリスクに曝されている可能性があるという。70遺伝子シグニチャー検査(MammaPrint)は、早期乳がん女性の臨床アウトカムの予測を改善することが示されている。

顔面移植術後の長期アウトカムは?/Lancet

 顔面移植では術前の十分な手術可否の検討と、術後の長期的なサポートプログラムが必要であることを、フランス・パリ第5大学のLaurent Lantieri氏らが単施設において前向きに追跡した結果、報告した。顔面移植は2005年以降に30件以上が実施されているが、これまでに長期追跡の報告論文はなかった。Lancet誌オンライン版2016年8月24日号掲載の報告。

高齢者の術後せん妄、デクスメデトミジンで予防可能/Lancet

 非心臓手術後ICU入室の65歳超高齢患者に対して、α2作動性鎮静薬デクスメデトミジン(商品名:プレセデックス)を予防的に低容量で行う静注投与は、術後のせん妄発症を有意に抑制することを、中国・北京大学第一医院のXian Su氏らが無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、報告した。せん妄は、65歳超高齢患者において頻度の高い術後合併症であり、有害アウトカムに結び付きやすいが、700例を対象とした今回の検討において、7日時点の投与群のプラセボ群に対するオッズ比(OR)は0.35であり、安全性も確認されたという。著者は、「ただし、長期的アウトカムへの改善に結び付くかは不明のままである」と指摘し本報告をまとめている。Lancet誌オンライン版2016年8月16日号掲載の報告。

健康効果に寄与する総身体活動量の上限は?/BMJ

 現行推奨レベルよりも数倍多い総身体活動量を達成している人の5疾病(乳がん、大腸がん、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性脳卒中)のリスクは、有意に低いことが明らかにされた。米国・ワシントン大学のHmwe H Kyu氏らが、システマティックレビューとベイジアン用量依存メタ解析による世界の疾病負担研究2013の結果、明らかにした。これまでに多くのコホート研究およびメタ解析で、身体活動の健康効果が示され、WHOの最小身体活動量推奨値の提示(週に600MET分)に結び付いている。しかし、必要とされる総活動量の上限値は明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2016年8月9日号掲載の報告。

第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会【開催のご案内】

 一般社団法人 日本がんサポーティブケア学会は、2016年9月3日(土)~4日(日)に「第1回 日本がんサポーティブケア学会学術集会」を開催する。テーマは「副作用を制するものはがん治療を制する 医はいたわりの心から始まる~学と術と道~」。多職種・多領域の参加者のもと、がん治療の副作用マネジメントのみならず、原病や治療の合併症、後遺症、サイコオンコロジー、リハビリテーション、がんサバイバー・就労支援など、多方面にわたる演題が発表される予定となっている。

高齢がん患者、認知機能障害だと2年死亡率が6倍

 高齢がん患者でがん治療開始時に認知機能障害であった場合、生存率にはどのくらい影響するのだろうか。ベルギー・ブリュッセル自由大学のYves Libert氏らは、縦断的な2年間の追跡調査により、認知機能障害のある高齢患者はそうでない患者に比べ、がん治療開始後の2年間で死亡するリスクが6倍であったことを報告した。著者らは、高齢患者の罹患率と死亡率を減らすための介入ができるように、がん治療開始時に認知機能障害についてスクリーニングすべきとしている。PLOS ONE誌2016年8月1日号に掲載。

クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔、開発中のCx601が有用/Lancet

 クローン病に伴う肛囲複雑瘻孔の治療薬として開発中の同種異系脂肪由来幹細胞の懸濁剤Cx601について、第III相二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果、有効性、安全性が確認されたことが、スペイン・Centro Investigacion Biomedica en Red Enfermedades Hepaticas y DigestivasのJulian Panes氏らにより報告された。試験は、従来療法(抗菌薬、免疫修飾薬など)および生物学的製剤(抗TNF薬)治療で効果が認められない難治性の患者212例を対象に行われた。クローン病に伴う肛囲瘻孔は頻度が高く、診断後20年で最高推定28%の患者が症状を有するとされ、そのうち70~80%が複雑性であり、その治療には困難が伴う。Cx601は病変注入という新しいアプローチの治療薬である。Lancet誌オンライン版2016年7月28日号掲載の報告。