当時29歳の米国ニュージャージー州の女性、Bethany Moeddelさんは、夜のパーティーに参加した翌日、吐き気と頭痛を感じた。二日酔いだと判断した。とはいえ、ボーイフレンドの弟が、カトリック教徒になるための重要な儀式である初聖体が予定されていたため、寝て過ごすわけにはいかなかった。
教会に到着しいったんは礼拝堂の席に着いたが不快感は続いていた。礼拝堂の中で嘔吐してしまわないように、席を外して車に戻った。暑い日だったので、車のドアを開けたままにして休んだ。次に彼女が覚えているのは、救急隊員の声である。「リビング・ウィルはありますか?」と隊員が尋ねた。彼女が「なぜ? 私は死ぬの?」と聞き返すと、「分かりません」という答えが返ってきた。
2日後、Moeddelさんは集中治療室(ICU)で目覚めた。左半身を動かすことができなかった。ベッドサイドに親友が座っていて、脳卒中が起きたことを伝えられた。より正確には、脳の右側の額の近くに1カ所、耳の後ろ辺りに1カ所、計2カ所の梗塞巣が確認されていた。医師から「腕を上げてみて」などの指示が立て続けに出され、Moeddelさんは混乱し、苛立ちと怒りを感じた。彼女は自分の体に何が起こっているのかをまだ十分理解していなかった。