米食品医薬品局(FDA)は1月11日、気管支収縮の治療または予防と喘息発作リスクの低減を目的に、18歳以上の成人喘息患者が利用できる吸入薬Airsupra(一般名albuterol and budesonide)を新たに承認した。
Airsupraは、β2アドレナリン受容体作動薬であるalbuterol(アルブテロール、日本ではサルブタモール)と副腎皮質ステロイドのブデソニドの合剤。吸入ステロイド薬(ICS)と短時間作用型β2刺激薬の合剤の米国での承認は、今回が初めてである。また、喘息症状の長期管理薬としてではなく、発作治療薬として吸入ステロイド薬を含有する薬剤が米国で承認されたのも、今回が初めてである。
喘息は、気道の炎症および狭窄を引き起こす長期的な疾患で、発作が起こると、咳、喘鳴、胸部圧迫感、息切れなどが生じる。米国での喘息患者の数は2400万人に上る。症状は患者によってさまざまであり、時間とともに変化することもある。
今回の承認に先立ち、FDAは中等症から重症の喘息患者を対象とする多施設共同ランダム化二重盲検対照試験(MANDALA試験)で、重度の喘息発作の低減に対する同薬の有効性を評価した。対象患者を、Airsupra(180μg/160μg)、またはalbuterol(180μg)を投与する群にランダムに割り付け、24週間以上にわたり治療を実施した。Airsupraは2回の経口吸入により投与した。有効性の主要評価項目は、重度の喘息発作が生じるまでの時間とされた。重度の喘息発作は、3日以上のステロイド薬の全身投与を要する喘息症状の悪化または発症、救急外来受診とその後の3日以上のステロイド薬の全身投与、喘息による24時間以上の入院と定義された。最初の重度の喘息発作が起きるまでの時間で評価した結果、Airsupra群ではalbuterol群に比べて、重度の喘息発作が起きるリスクが28%低減したことが明らかになった。
Airsupra群に特によく生じた副作用は、頭痛、口腔カンジダ症、咳嗽、発話困難であった。FDAによると、Airsupraは24時間に6回(計12回の吸入)を超えて使用すべきではないという。また、心血管疾患、けいれん性疾患、甲状腺機能亢進症、糖尿病およびケトアシドーシスのある患者は慎重に使用する必要がある。さらに、albuterol、ブデソニド、その他の添加成分に対する過敏症のある患者も、Airsupraの使用を避ける方がよいとされている。
[2023年1月12日/HealthDayNews]Copyright (c) 2023 HealthDay. All rights reserved.利用規定はこちら