老いに対する概念そのものが老化しているようだ。何歳からを「老年」と見なすかという質問の回答を分析したところ、中高年の人は、数十年前の同世代の人よりも老年期の開始年齢を高く考えていることが、新たな研究で明らかになった。フンボルト大学(ドイツ)の心理学者であるMarkus Wettstein氏らによるこの研究の詳細は、「Psychology and Aging」に4月22日掲載された。
この研究では、German Ageing Survey(ドイツ加齢研究)の参加者1万4,056人のデータを用いて、老年期の開始年齢についての個人の認識が歴史的にどのように変遷したのかが調査された。対象者は、1911年から1974年の間に生まれ、1996年から2021年までの25年の間に最大で8回、調査に回答していた。なお、German Ageing Surveyには、研究期間を通して、中高年に達した新たな世代の調査参加者(40〜85歳)も新規登録されていた。