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飲酒でのフラッシング反応別の膀胱がんリスク~JPHC研究

 わが国の多目的コホート研究(JPHC研究、主任研究者:津金昌一郎氏)において、飲酒量と膀胱がんの関連を、アセトアルデヒド代謝能の代用マーカーであるフラッシング反応を含めて検討した。その結果、フラッシング反応のある男性では、飲酒量と膀胱がんリスクとの間に逆U字型の関連を示した。また、飲酒とフラッシング反応との交互作用は有意傾向を示し、飲酒によるアセトアルデヒドが膀胱がんリスクと関連するという仮説を支持する可能性を示した。International journal of cancer誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。

第2世代ALK-TKI既治療のNSCLCにおけるlorlatinibの成績/ESMO2017

 ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)では、クリゾチニブによる1次治療で耐性獲得後、セリチニブ、アレクチニブ、brigatinibといった第2世代ALK-TKIが用いられる。この間、患者は臨床的恩恵を受けることができるが、ほとんどの場合、耐性を発症してしまう。lorlatinibは、脳への移行性を示す、次世代ALK-TKIであり、第1世代、第2世代TKIの耐性変異に対して活性がある。スペイン・マドリードにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)では、第2世代TKIの治療歴を有するALK陽性NSCLCおけるlorlatinibの抗腫瘍活性および安全性について、スペイン Vall d’Hebron Institute of OncologyのE. Felip Fon氏らが発表した。

日本人女性、GIの高い食事はうつになりにくい?

 西洋諸国よりも食事のグリセミックインデックス(GI)と血糖負荷(GL)が高いアジア人集団において、これらとうつ症状との関連についての疫学的エビデンスは限定的であり、結論は出ていない。今回、東京大学の研究グループの横断研究で、日本人の若年および中年女性において、食事のGIがうつ症状と逆相関し、GLとは関連がなかったことが示された。European journal of nutrition誌オンライン版2017年7月20日号に掲載。

緑内障患者の自己眼圧測定、約7割で成功・受容

 自己眼圧測定は、眼圧の頻繁な測定と、最高眼圧および眼圧変動の理解を高めることに寄与するが、英国・エディンバラ大学のSavva Pronin氏らによる検討の結果、大部分の緑内障患者が、反跳式眼圧計を用いて自ら眼圧測定を行うことができ、反復測定を受け入れ可能であることが示唆された。著者は、「自己眼圧測定は患者の関与を改善する可能性があり、自己眼圧測定によって眼圧の経時的な変動の全体像をより詳しく把握することもできる」とまとめている。JAMA Ophthalmology誌オンライン版2017年8月31日号掲載の報告。

オランザピン誘発性体重増加のメカニズム

 オランザピンなどの非定型抗精神病薬は、過度な体重増加や2型糖尿病を誘発することがある。しかし、これらの薬物誘発性代謝異常の根底にあるメカニズムは、あまりわかっていない。米国・テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンターのCaleb C. Lord氏らは、オランザピン誘発性代謝異常のメカニズムについて、動物実験により検討を行った。The Journal of clinical investigation誌オンライン版2017年8月14日号の報告。

HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017

 EGFR変異陽性進行NSCLCの1次治療として、第1世代EGFR-TKIによる標準治療に比べ、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が病勢増悪および死亡のリスクを54%減少させた。第Ⅲ相ランダム化比較試験FLAURAの結果に基づき、米国Winship Cancer Institute of Emory UniversityのSuresh Ramalingam氏がスペイン・マドリードにおける欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)のPresidential Symposiumで報告した。

厳格降圧はCKD患者の死亡リスクを下げるのか~メタ解析

 高血圧患者における試験では、厳格な降圧が心血管疾患死や全死亡のリスクを低下させる一方、慢性腎臓病(CKD)の発症や進行のリスクを高める可能性が示唆されている。これまで、一般的なCKD患者において厳格な降圧が死亡におけるベネフィットと関連するのかどうか不明である。今回、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のRakesh Malhotra氏らが無作為化試験(RCT)の体系的レビューとメタ解析を行った結果、高血圧とCKD(ステージ3~5)の併存患者において、厳格な降圧が低強度の降圧より死亡リスクが低かった。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。

アトピー性皮膚炎へのPDE4阻害薬軟膏、長期安全性を確認

 慢性炎症性皮膚疾患のアトピー性皮膚炎(AD)に対しては、しばしば長期にわたる局所治療が必要となるが、ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害薬のcrisaborole軟膏は、長期投与においても治療関連有害事象の発現率が低いことが示された。米国・カリフォルニア大学のLawrence F. Eichenfield氏らが、2件の第III相試験を完遂後のAD患者を対象とした48週間の延長試験で明らかにした。なお、本試験では、長期有効性については解析されていない。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2017年8月17日号掲載の報告。

出生年代別にみた認知症の発症率

 経年的な認知症発症の傾向をよりよく理解するためには年齢とコホート効果を分ける必要があるが、この手法を用いた先行研究はほとんどない。今回、米国・アルベルト・アインシュタイン医学校のCarol A. Derby氏らが、アインシュタイン・エイジング研究に登録された70歳以上の参加者において認知症発症率および心血管系合併症の有病率の傾向を調べた結果、認知症発症率の低下が確認された。しかしながら、著者らは「人口の高齢化を考慮すると、発症率の低下が認知症負担の軽減につながるかどうかは不明」と述べている。JAMA neurology誌オンライン版2017年9月5日号に掲載。

摂食障害への薬物療法、最新知見レビュー

 摂食障害治療では、一般的に薬物療法が行われる。米国・コロンビア大学のHaley Davis氏らは、神経性過食症、過食性障害(BED)、神経性やせ症の治療に用いられる薬剤に関してレビューを行った。最近の研究開発に焦点を当てつつ、適切な場合には、薬理学的薬剤を用いた摂食障害治療のための現在のエビデンスベースの概要を検討するため、古い研究から重要な知見を加えてレビューを行った。Current opinion in psychiatry誌オンライン版2017年8月12日号の報告。