日本人若年性認知症、診断1年後の離職率は 若年性認知症(65歳未満で発症する認知症)は、患者や家族の就労に影響を及ぼす。医療経済研究機構の佐方 信夫氏らは、勤労者自身やその家族が若年性認知症と診断を受けた後、どの程度離職するかを明らかにするため検討を行った。Journal of Alzheimer's Disease誌2017年11月7日号の報告。
化学療法制吐薬としてのオランザピンの本邦第II相試験/IJCO 近年、がん化学療法に対する制吐薬としてのオランザピンの研究結果が報告されている。本邦においても、高度催吐性化学療法に対する、オランザピンの多施設無作為化二重盲検第II相用量設定試験が行われ、国立がん研究センター中央病院の矢内 貴子氏らがInternational Journal of Clinical Oncology誌に結果を報告した。
フルーツ摂取量が多いほど喘息や鼻炎を予防:日本の小学生 日本の小学生を対象とした研究で、フルーツの摂取量が多いほど、呼吸器アレルギー症状を予防できる可能性があることが、滋賀県立小児保健医療センターの楠 隆氏らによる研究で明らかになった。Pediatric allergy and immunology誌オンライン版2017年10月11日号の報告。
日本人男性、不眠でうつ病リスクが10倍にも 椙山女学園大学の西谷直子氏らは、男性労働者における不眠症とうつ病発症との関連を調査し、不眠症の重症度とうつ病発症との関連を明らかにするため、3年間のコホート研究を行った。International journal of public health誌オンライン版2017年10月20日号の報告。 男性労働者を対象に、うつ病と不眠症に関する自己管理アンケートを3年間実施した。うつ病はうつ病自己評価尺度(CES-D)を用いて評価し、不眠症はアテネ不眠尺度(AIS)を用いて評価した。ベースライン時にうつ病でない男性840例について分析を行った。 主な結果は以下のとおり。 ・113例にうつ病が認められた。 ・Cox回帰分析では、ベースライン時に不眠症(AISスコア1以上)であった男性は、うつ病発症リスクが7倍以上高かった。 ・さらに、不眠症ではなかった男性(AISスコア0)と比較し、AISスコア1~3の男性のうつ病リスクは5.2倍高く、AISスコア4以上の男性はうつ病リスクが約10倍高かった。 著者らは「本研究による新たな知見は、不眠症の重症度とともにうつ病発症リスクが増加することであった」としている。
日本人の飲酒量とインスリン分泌不全/抵抗性の発症率が相関 日本人において、飲酒量とインスリン分泌不全およびインスリン抵抗性の発症率が正相関することが、佐久研究における帝京大学の辰巳友佳子氏らの検討により示された。Diabetes research and clinical practiceオンライン版2017年10月27日号に掲載。
20歳からの体重減少、認知症リスク高い?~日本人コホート わが国で認知症発症に影響を及ぼしうる因子を特定するための研究は、これまでほとんど行われていない。そこで、新潟大学の北村香織氏らが、日本人の中高年期の体格や生活習慣が認知機能障害と関連するかどうかを検討した。PLoS One誌2017年10月12日号に掲載。
日本の喫煙者のがんリスク、禁煙何年で喫煙歴ゼロと同じに? 日本人のがん罹患リスクは、男性で21年以上、女性で11年以上禁煙すれば、喫煙歴のない人と同レベルまで低下することが、東京大学の齋藤 英子氏らによる研究で明らかになった。男性では、20 pack-year以上のヘビースモーカーにおいても同様の結果であるという。早いうちに禁煙することが、がん予防への近道であると考えられる。Cancer epidemiology誌オンライン版2017年11月2日号の報告。
特定の歯周病菌感染が頻脈性不整脈の進行に影響か 頻脈性不整脈の患者は、徐脈性不整脈の患者と比較して、唾液中から特定の歯周病原菌が多く検出されることが、神奈川歯科大学の青山 典生氏らの研究により示された。BMC cardiovascular disorders誌 2017年10月17日号の報告。
O型女性は胃十二指腸潰瘍リスクが高い~日本ナースヘルス研究 ABO式血液型でO型の日本人女性は、他の血液型の女性よりも胃十二指腸潰瘍の発症リスクが有意に高いことが、群馬大学のLobna Alkebsi氏らの研究により明らかになった。また、1955年以前に出生した群は、それ以降に出生した群よりも高リスクであった。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年10月28日号の報告。
慢性期統合失調症、陰性症状の予測因子は:県立広島大 県立広島大学の藤巻 康一郎氏らは、統合失調症患者の長期入院に対する、陰性症状と主要な指標との関連を調査した。また、陰性症状の臨床的決定要因の解明についても検討を行った。Psychiatry research誌オンライン版2017年9月24日号の報告。
日本人男性、ストレスでがんリスクが増加~JPHC研究 がん発症リスク因子としてのストレスについての報告は一貫していない。今回、1990~94年に40~69歳の10万1,708人を登録したJPHC研究(Japan Public Health Center-based Prospective Study)のデータから、知覚されたストレスレベルが高いと男性のがん罹患率が増加する可能性が示唆された。Scientific Reports誌2017年10月11日号に掲載。
うつ病リスクが低下する日本人に適切な魚類の摂取量は 魚類の消費やイコサペント酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのn-3多価不飽和脂肪酸(PUFA)レベルがうつ病のリスク低下と関連していることが、観察研究のシステマティックレビューにより明らかとなっている。また、n-3PUFAの逆J字型効果が示唆されている。しかし、魚類の消費量の多い集団からのエビデンスは限られており、うつ病の標準的な精神医学的ベースの診断を用いた研究はない。国立がん研究センターの松岡 豊氏らは、日本人における魚類、n-3PUFA、n-6PUFAの消費とうつ病リスクとの関連を、集団ベースのプロスペクティブ研究にて調査を行った。Translational psychiatry誌2017年9月26日号の報告。
日本人自閉スペクトラム症に対するアリピプラゾールの長期効果は 東京都立小児総合医療センターの市川 宏伸氏らは、日本人小児(6~17歳)の自閉スペクトラム症に伴う易刺激性の治療に対する、アリピプラゾールの長期安全性および有効性を評価した。Psychiatry and clinical neurosciences誌オンライン版2017年9月23日号の報告。
糖尿病のリスクが放射線によるがんリスクより増加 2011年の福島原発事故は、住民の生活習慣病や放射線被ばくなどの複数のリスクの増加と恐怖を引き起こした。福島県立医科大学の村上 道夫氏らが、原発事故関連の放射線によるがんリスクと糖尿病リスクの増加について損失余命(LLE)を用いて評価したところ、糖尿病関連のLLEが放射線被ばくによるがん関連のLLEを大きく上回った。PLOS ONE誌2017年9月28日号に掲載。
LDL-Cが低い人でもスタチンは有用か LDLコレステロール(LDL-C)の管理とスタチン治療戦略に関する推奨は、ガイドラインによって異なる。国立国際医療研究センターの辻本 哲郎氏らの前向きコホート研究の結果、スタチン治療はLDL-C値が低い場合も高リスク患者の全死亡率を下げるために有効であることが示唆された。The American Journal of Cardiology誌オンライン版2017年8月30日号に掲載。
ランジオロールの心臓手術後AF抑制作用 ランジオロールは、心臓手術後1週間以内の心房細動(AF)発症を抑制することが、高知医科大学の田村 貴彦氏らによる研究で明らかになった。また、ランジオロール非投与群と比較して、院内死亡率および合併症発症率に有意な差は認められなかった。Journal of Clinical Anesthesia誌2017年11月号(オンライン版2017年7月21日号)の報告。
統合失調症とω3脂肪酸:和歌山県立医大 統合失調症患者の機能的アウトカムに認知機能障害は強く関連しているが、その病態生理はよくわかっていない。健常人および精神神経疾患患者の認知機能に対するω3脂肪酸の関与が注目されている。和歌山県立医科大学の里神 和美氏らは、統合失調症患者におけるω3脂肪酸と認知機能、社会的機能、精神症状との関連を調査した。Schizophrenia research誌2017年5月18日号の報告。
気温低下の4日後に脳内出血が起こりやすい? 脳卒中発症にさまざまな気象条件が影響し、気温が大きく低下した4日後に脳内出血の発症頻度が増加する可能性があることを、広島「救急と気象」研究(HEWS)の脳卒中研究グループが報告した。PLOS ONE誌2017年6月2日号に掲載。