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- 2024/12/20
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未治療の高齢CLL、オファツムマブ併用でPFS延長/Lancet
未治療の高齢者または併存疾患を有する慢性リンパ球性白血病(CLL)の治療において、標準治療薬であるクロラムブシル(国内未承認)にオファツムマブ(商品名:アーゼラ)を併用すると、臨床転帰が大きく改善され副作用プロファイルは管理可能であることが、英国・セントジェームズ大学病院のPeter Hillmen氏らが行ったCOMPLEMENT 1試験で示された。若年者や他の疾患がみられないCLL患者の標準治療は、プリン類似体であるフルダラビンをベースとする多剤併用レジメンであるが、高齢者や併存疾患を有する患者の多くは耐用不能である。オファツムマブは、リツキシマブとは異なる作用機序を持つヒト型抗CD20モノクローナル抗体であり、臨床試験でフルダラビン抵抗性CLLへの有効性が確認されている。Lancet誌オンライン版2015年4月13日号掲載の報告より。
身長とCADリスクとの関連が大規模研究で判明/NEJM
遺伝的に低身長であることと冠動脈疾患(CAD)リスク増大との関連が、英国・レスター大学のChristopher P Nelson氏らによる大規模な調査の結果、明らかにされた。これまで、身長とCADリスクに負の相関があることは知られていたが、メカニズムについては不明であった。なお、関連の一部は低身長と脂質プロファイル異常との関連で説明されることも示され、著者は、成人身長と動脈硬化の進展プロセスを調べることで、関連の一部を説明できるのではないかと述べている。NEJM誌オンライン版2015年4月8日号掲載の報告より。
巨大児出産、分娩誘発のほうが安全?/Lancet
巨大児出産が疑われる場合には、自然分娩よりも分娩誘発を行うほうが肩甲難産や関連疾患のリスクを低下することが、スイス・ジュネーブ大学のMichel Boulvain氏による無作為化試験の結果、示された。分娩誘発は、帝王切開となるリスクを増大することなく自然経腟分娩の尤度を改善することも示されたという。結果を踏まえて著者は、「早期分娩誘発の影響とバランスをみながら検討すべきである」とまとめている。巨大児については、肩甲難産のリスクが高いことが知られている。Lancet誌オンライン版2015年4月8日号掲載の報告より。
BRCA遺伝子、変異型・部位の違いで乳がん・卵巣がんリスク異なる/JAMA
BRCA遺伝子の変異型とヌクレオチド配列部位によって、乳がんや卵巣がんリスクが異なることが明らかにされた。米国・ペンシルベニア大学のTimothy R. Rebbeck氏らが、33ヵ国のBRCA1/2変異を持つ女性について行った観察研究の結果、報告した。これまで同遺伝子キャリアに関するがんリスクについては、限定的であり、研究グループは大規模な検討を行い、特有のがんリスクの特定を試みた。今回の結果を踏まえて著者は、「確証が得られれば、BRCA1/2変異のキャリアに対してリスク評価とがん予防への意思決定に寄与する知見となるだろう」とまとめている。JAMA誌2015年4月7日号掲載の報告より。
市中肺炎へのβラクタム系抗菌薬、単独療法でも有効/NEJM
成人市中肺炎疑い患者へのβラクタム系抗菌薬単独療法は、マクロライド系抗菌薬との併用療法やフルオロキノロン系抗菌薬単独療法に比べ、90日死亡率に関して非劣性であることが示された。オランダ・ユトレヒト大学メディカルセンターのDouwe F. Postma氏らが、3群で約2,300例の患者を対象に行った試験の結果、報告した。NEJM誌2015年4月2日号掲載の報告より。
切除不能大腸がん、CAPOX-B後の維持療法でPFS延長/Lancet
切除不能大腸がんの1次治療において、カペシタビン+オキサリプラチン+ベバシズマブ(CAPOX-B)による導入療法に加えカペシタビン+ベバシズマブによる維持療法を行うと予後が改善することが、オランダ・アムステルダム大学のLieke H J Simkens氏らオランダ大腸がん研究グループ(DCCG)が実施したCAIRO3試験で示された。切除不能大腸がんに対する化学療法薬の間欠投与は持続投与に比べて生存期間が劣らず、OPTIMOX1試験ではフルオロウラシル+ロイコボリンの継続投与下にオキサリプラチンを休薬し、病勢進行(PD)後に再投与しても生存期間は持続投与と同等であることが報告されている。一方、分子標的薬であるベバシズマブは、PD後も継続的に投与することで予後の改善をもたらすことが示唆されている。Lancet誌オンライン版2015年4月7日掲載の報告より。
心臓手術の輸血、赤血球保存期間の違いで転帰は?/NEJM
輸血用赤血球の保存期間と多臓器機能障害スコア(MODS)変化に、関連はないことが示された。米国・ミネソタ大学フェアビューメディカルセンターのM.E. Steiner氏らが、12歳以上の高難度の心臓手術を受ける患者を対象に行った多施設共同無作為化試験の結果、報告した。10日以下vs. 21日以上を検討したが差はみられなかったという。これまで一部の観察研究で、保存期間が2~3週を超えると、ときに致死的となる重大な有害転帰と関連するとの報告があった。NEJM誌2015年4月9日号掲載の報告より。
非重症妊娠高血圧、早期分娩は早計か?/Lancet
妊娠34~37週、非重症の妊娠高血圧症候群の妊婦について、早期の分娩は母体の有害アウトカムリスクを、わずかだが減少する可能性がある一方、新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome:RDS)のリスクが有意に増大することが示された。オランダ・フローニンゲン大学のKim Broekhuijsen氏らが非盲検無作為化試験HYPITAT-IIの結果、報告した。結果を踏まえて著者は「ルーチンな早期分娩が正しいとはいえない」と述べ、臨床症状の悪化がみられるまで待機的モニタリング戦略を考慮すべきであるとまとめている。Lancet誌オンライン版2015年3月24日号掲載の報告より。
研究の無駄は簡単・安価な補正で回避可能/BMJ
研究が無駄になるのは、方法論が不十分であることと関連しており、簡便かつ安価な補正により一部は回避できるとする報告が、フランス国立保健医学研究所(INSERM)のYouri Yordanov氏らにより発表された。2009年に発表された先行研究で、研究の85%が無駄になっており、大部分が不十分な方法論と関連しているとする報告があった。BMJ誌オンライン版2015年3月24日号掲載の報告より。
PCI前の出血リスク予測は有用/BMJ
ST上昇型心筋梗塞でPCI実施が予定されている患者に対し、術前に周術期出血リスク予測を行うことで、出血回避戦略の実施率が上がり、出血リスクが減少することが明らかにされた。米国Saint Luke’s Mid America Heart InstituteのJohn A Spertus氏らが、1万例超について行った前向きコホート試験の結果、報告した。BMJ誌オンライン版2015年3月24日号掲載の報告より。
頭蓋内動脈狭窄へのバルーン拡張型ステントは転帰不良/JAMA
頭蓋内動脈狭窄症の患者に対し、内科的治療+バルーン拡張型ステント治療は、内科的治療のみに比べ、12ヵ月間の同一部位の脳卒中やTIAのリスク増大、また30日間のあらゆる脳卒中やTIAのリスク増大に至ったことが報告された。米国・ウィスコンシン医科大学のOsama O. Zaidat氏らが無作為化比較試験の結果、示された。これまで、無作為化試験による、同比較の検討は行われていなかったという。著者は今回の結果について、「症候性頭蓋内動脈狭窄症の患者には、バルーン拡張型ステントの使用を支持しないものであった」とまとめている。JAMA誌2015年3月24・31日号掲載の報告より。
僧帽弁術中のアブレーション、術後に好影響/NEJM
僧帽弁手術を受ける持続性心房細動患者に対し、術中に外科的心房細動アブレーションを行うことで、術後6ヵ月および12ヵ月の心房細動の無発生率が大幅に増大することが示された。ただし、永久ペースメーカー植込みリスクも上昇が示された。米国・クリーブランドクリニックのA. Marc Gillinov氏らが、260例の心房細動患者について行った無作為化比較試験の結果、報告した。僧帽弁手術を受ける患者のうち30~50%に心房細動がみられる。心房細動に対する外科的アブレーションは広く行われているが、安全性、有効性に関するエビデンスは限定的であった。NEJM誌2015年4月9日号(オンライン版2015年3月16日号)掲載の報告より。
CADへのエベロリムスPCI vs.CABG~アジアでのRCT/NEJM
多枝冠動脈疾患の患者へのエベロリムス溶出ステントによる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、冠動脈バイパス術(CABG)に比べ、長期アウトカムが不良であることが明らかにされた。韓国・蔚山大学校のSeung-Jung Park氏らが、880例の患者について行った無作為化非劣性試験の結果、報告した。これまで多くのPCI対CABG比較試験が行われているが、第2世代薬剤溶出ステントを用いた検討は行われていなかった。NEJM誌2015年3月26日号(オンライン版2015年3月16日号)掲載の報告より。
アリロクマブ併用による長期のLDL-C改善効果/NEJM
米国・アイオワ大学のJennifer G Robinson氏らODYSSEY LONG TERM試験の研究グループは、心血管リスクの高い患者の治療において、新規LDLコレステロール(LDL-C)低下薬アリロクマブ(alirocumab、国内未承認)を最大耐用量のスタチンと併用すると、長期にわたりLDL-C値が有意に減少し、心血管イベントが抑制されることを確認した。アリロクマブは、前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に対するモノクローナル抗体であり、第II相試験では短期的投与(8~12週)により、スタチン治療を受けている患者のLDL-C値を40~70%減少させることが示されている。NEJM誌オンライン版2015年3月15日号掲載の報告より。
CADへのエベロリムスPCIの長期転帰、CABGと同等か/NEJM
多枝冠動脈疾患に対するエベロリムス溶出ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の長期的な死亡リスクは、冠動脈バイパス術(CABG)とほぼ同等であることが、米国・ニューヨーク大学のSripal Bangalore氏らの検討で示された。多枝冠動脈疾患患者の長期的死亡率は、CABG施行後のほうがPCI施行後よりも低いことが、臨床試験や患者登録研究で報告されているが、それらの解析では第2世代薬剤溶出ステントによるPCIの評価は行われていないという。NEJM誌2015年3月26日号(オンライン版2015年3月16日号)掲載の報告より。
エボロクマブ追加でLDL-Cが長期に減少/NEJM
脂質異常症の標準治療に新規のLDLコレステロール(LDL-C)低下薬であるエボロクマブ(承認申請中)を追加し約1年の治療を行うと、標準治療単独に比べLDL-C値が有意に減少し、心血管イベントが 抑制されることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のMarc S Sabatine氏らOSLER試験の研究グループの検討で明らかとなった。エボロクマブは、前駆蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)を阻害する完全ヒト型モノクローナル抗体であり、短期的な臨床試験でLDL-C値を約60%減少させることが確認されていた。NEJM誌オンライン版2015年3月15日号掲載の報告より。
末期腎臓病への腎代替療法が急増中/Lancet
2010年に、末期腎臓病(end-stage kidney disease)で腎代替療法(renal replacement therapy:RRT)を受けていた患者は世界で260万人以上に上り、2030年にはこれが倍以上に増加する可能性があることが、オーストラリア・シドニー大学のThaminda Liyanage氏らの検討で示された。末期腎臓病は世界的に発症率が高く、主要な死亡原因であり、今後、数十年で有病率およびRRTの施行数が急激に増加すると予測されている。患者へのサービス供給戦略を確立するには、疾病負担やRRTの施行状況を知り、将来のRRTの需要を予測する必要がある。Lancet誌オンライン版2015年3月13日号掲載の報告より。
重症大動脈弁狭窄へのTAVR、5年転帰良好/Lancet
手術非適応の重症大動脈弁狭窄(AS)に対する経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)vs. 標準治療を検討した無作為化試験PARTNER1の5年アウトカムが、米国・クリーブランドクリニックのSamir R Kapadia氏らにより報告された。TAVRの有益性が示され、著者は、非手術適応患者の生存および機能を改善するためにTAVR施術の検討を強化すべきであると提言している。また、患者の適切な選択により、TAVRの有益性を最大限に引き出すことになり、重篤な併存疾患による死亡を抑制することにもつながるだろうと述べている。すでにPARTNER試験の早期評価の結果で、TAVRが重症AS患者で手術非適応の患者について忍容性のある治療であることは報告されているが、より長期の臨床アウトカムに関する情報は限定的であった。Lancet誌オンライン版2015年3月15日号掲載の報告より。
乳房生検、病理医による診断の精度は?/JAMA
乳房生検について、病理医による診断vs. 参照診断の一致率は75.3%であったことが、米国・ワシントン大学のJoann G. Elmore氏らにより報告された。検討は、病理医115人が行った240症例のスライド標本の診断6,900件について、3人のエキスパート病理医から成るコンセンサスパネルが下した診断との一致を調べて行われた。一致率は、浸潤がんで高く、非浸潤性乳管がん(DCIS)や異型過形成では低いことも判明した。結果を踏まえて著者は、「さらなる検討を行い、これら一致率と患者マネジメントとの関連について理解する必要がある」と述べている。乳房の病理診断の結果は、治療やマネジメント決定の根拠となるが、その精度については十分に解明されていなかった。JAMA誌2015年3月17日号掲載の報告より。
PCI前の血栓除去は有効か?RCTの結果/NEJM
プライマリPCIを受けるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者への、ルーチンの用手的血栓除去の実施は、180日間の心血管死や心筋梗塞の再発などの複合アウトカムを改善しなかったことが示された。一方で、30日以内の脳卒中発生率は、用手的血栓除去により約2倍増大した。カナダ・ハミルトン総合病院のS.S. Jolly氏らが、1万732例について行った無作為化試験の結果、報告した。プライマリPCI時の用手的血栓除去は遠位塞栓を抑制し、微小血管の循環を改善するとされる。先行研究の小規模試験では、血栓除去による臨床転帰の改善が示唆されたが、大規模試験では相反する結果が報告されていた。NEJM誌2015年4月9日号(オンライン版2015年3月16日号)掲載の報告より。