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- 2024/12/20
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生体吸収性マグネシウムスキャフォールドの有用性をヒトで確認/Lancet
第2世代の薬剤溶出生体吸収性金属スキャフォールド(DREAMS 2G)は、冠動脈デノボ病変の治療デバイスとして施行可能であり、良好な安全性と性能を有することが、ドイツLukaskrankenhaus GmbHのMichael Haude氏らが実施したBIOSOLVE-II試験で示された。生体吸収性スキャフォールドは、従来の非吸収性の金属ベース薬剤溶出ステントの限界の克服を目的にデザインされ、現時点で市販されているのはポリマースキャフォールドのみである。これに代わるデバイスとして、金属スキャフォールドの開発が進められており、第1世代のマグネシウムスキャフォールドは、安全性は良好であるものの、性能が従来の薬剤溶出ステントに及ばないことが報告されている。Lancet誌オンライン版2015年10月12日号掲載の報告。
生体吸収性スキャフォールド、ABSORB IIIの結果/NEJM
エベロリムス溶出生体吸収性スキャフォールド(BVS)の有用性を検討した大規模な多施設共同無作為化試験の結果が報告された。非複雑性閉塞性冠動脈疾患(CAD)患者2,008例を対象に、エベロリムス溶出コバルトクロム合金ステントと比較した試験ABSORB IIIの結果、1年時点の標的病変不全の発生に関する非劣性が確認された。米国・クリーブランドクリニックのStephen G. Ellis氏らが報告した。金属製の薬剤溶出ステント埋設したCAD患者においては、有害事象として遅発性の標的病変不全が報告されている。金属製のステントフレームが血管壁に存在し続けることが関連している可能性があり、長期転帰を改善するためBVSが開発された。NEJM誌オンライン版2015年10月12日号掲載の報告。
大腸腺腫の再発予防にビタミンD、カルシウムは有効か/NEJM
大腸腺腫の切除術後の再発予防に、ビタミンD3およびカルシウムの摂取は有効ではないことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のJohn A Baron氏らの検討で示された。疫学データや前臨床データでは、ビタミンDの摂取量や血中濃度が高いほど、またカルシウムの摂取量が多いほど大腸新生物のリスクが低いことが示唆されている。また、これらを併用すると、相乗的な化学予防効果が得られる可能性が指摘されていた。NEJM誌2015年10月15日号掲載の報告より。
高出血リスク患者へのPCI、薬剤被膜ステントが優れる/NEJM
経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた出血リスクが高い患者について、ポリマーフリーumirolimus(バイオリムスA9)被覆ステントの有効性および安全性をベアメタルステントと比較した結果、前者の優越性が認められたことを、スイス・ラ・トゥール病院のPhilip Urban氏らLEADERS FREE試験グループが報告した。高出血リスク患者のPCIではベアメタルステントを用い、術後1ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法を行う頻度が高い。この場合、出血リスクは最小化されるが、再ステント術や再介入を要するリスクも高く、研究グループは、ポリマーフリーかつ抗体フリー薬剤被膜ステントでumirolimusを血管壁へ1ヵ月間送達させることについて検討を行った。NEJM誌オンライン版2015年10月14日号掲載の報告。
急性冠症候群疑い、受診時トロポニン値5ng/L未満は入院不要/Lancet
急性冠症候群(ASC)疑いで受診するも退院可能であった心臓イベント低リスク患者のうち、約3分の2の患者の高感度心臓トロポニン値Iが低値(血漿中濃度5ng/L未満)であったことが確認された。英国・エディンバラ大学のAnoop S V Shah氏らが、6,304例について行った前向きコホート研究の結果、報告した。ASC疑いは緊急入院の理由として最も多く、医療の大きな負担となっている。そのため即時退院が適切な低リスク患者を特定する戦略が、大きな有益性をもたらすとして検討されている。今回の結果を踏まえて著者は、「高感度トロポニン値Iを評価するというアプローチは、入院を大きく減らし、患者と医療従事者双方に大きなベネフィットをもたらすと思われる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2015年10月7日号掲載の報告。
外傷性脳損傷への低体温療法、有益性なし/NEJM
外傷性脳損傷で頭蓋内圧亢進の認められる成人患者に対する低体温療法は、臨床転帰を悪化させる可能性があることが報告された。英国・ウェスタン総合病院のPeter J.D. Andrews氏らが、400例弱を対象に行った無作為化比較対照試験の結果、明らかにした。これまで、外傷性脳損傷における低体温療法は、頭蓋内圧亢進を低下することは知られていたが、機能的アウトカムへの有益性は不明であった。NEJM誌オンライン版2015年10月7日号掲載の報告。
高齢者の服薬、併存疾患の組み合わせの確認を/BMJ
米国・イェール大学医学部のMary E Tinetti氏らは複数の慢性疾患を有する高齢者の、ガイドラインに基づく服薬と死亡の関連を調べた。その結果、とくに心血管薬の生存への影響は、無作為化試験の報告と類似していたが、β遮断薬とワルファリンについて併存疾患によりばらつきがみられたことを報告した。また、クロピドグレル、メトホルミン、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)は、生存ベネフィットとの関連がみられなかったという。結果を踏まえて著者は、「併存疾患の組み合わせによる治療効果を明らかにすることが、複数慢性疾患を有する患者の処方せんガイドになるだろう」とまとめている。BMJ誌オンライン版2015年10月2日号掲載の報告より。
心臓手術におけるRIPC、臨床転帰は改善するか/NEJM
心肺バイパスを要する待機的心臓手術において、遠隔虚血プレコンディショニング(RIPC)を行っても、臨床転帰は改善しないことが示された。ドイツ・フランクフルト大学病院のPatrick Meybohm氏らが、約1,400例を対象に行った多施設共同前向き無作為化二重盲検試験の結果、報告した。心臓手術患者へのRIPCにより、虚血・再灌流傷害バイオマーカーの低下が報告されていたが、臨床転帰については不明なままだった。NEJM誌2015年10月8日号(オンライン版2015年10月5日号)掲載の報告。
生体弁で弁尖運動が低下、脳卒中・TIAリスク増大の可能性も/NEJM
大動脈生体弁の植込みをした患者について調べた結果、弁尖運動の低下が認められ、その発生率はワルファリンによる抗凝固療法を行った患者のほうが、抗血小板薬2剤併用療法を受けた患者に比べ低率であることが判明した。弁尖運動の低下は、抗凝固療法により改善することも確認されたという。米国・Cedars–Sinai Heart InstituteのRaj R Makkar氏らが、約190例の患者について調べ報告した。弁尖運動の低下は、脳卒中や一過性脳虚血発作(TIA)の発生リスクを増加する可能性も示唆され、著者は「今回発見した所見の臨床的アウトカムへの影響について、さらなる調査を行う必要がある」と指摘している。NEJM誌オンライン版2015年10月5日号掲載の報告。
インフルエンザ関連肺炎患者に多いワクチン未接種/JAMA
市中肺炎で入院した小児および成人を対象に、インフルエンザ関連肺炎患者群と非関連肺炎患者群のインフルエンザワクチン接種率を調べた結果、前者のほうが低く未接種者の割合が多かったことが示された。米国・ヴァンダービルト大学医学部のCarlos G. Grijalva氏らが、市中肺炎入院を評価する多施設共同前向き観察研究Etiology of Pneumonia in the Community(EPIC)のデータを分析し、報告した。これまで、インフルエンザワクチン接種と、インフルエンザの重篤合併症の肺炎との関連を評価した研究はほとんど行われていなかった。JAMA誌2015年10月13日号掲載の報告。
ICU免疫不全患者の急性呼吸不全、非侵襲的換気療法の有効性/JAMA
急性呼吸不全で低酸素血症を呈するICU入室の免疫不全患者において、早期の非侵襲的換気療法は酸素療法単独と比較して28日死亡率を低下しなかったことを、フランス・Saint-Louis University HospitalのVirginie Lemiale氏らが無作為化試験の結果、報告した。ただし、試験の検出力は限定的なものであったとしている。同患者に対しては、死亡率を低下するとして非侵襲的換気療法が推奨されている。一方で、その有効性については不明なままでもあった。JAMA誌オンライン版2015年10月7日号掲載の報告。
乳がん診断時の腫瘍ステージ、生存に有意に影響/BMJ
オランダ・エラスムス大学医療センターのSepideh Saadatmand氏らは、現時点での、乳がん検出時の腫瘍病期の生存への影響を調べた。17万強を対象とする前向き住民ベース研究の結果、現状で効果があるとされる全身療法で有意に生存に影響することを報告し、「早期での診断が不可欠である」と指摘した。BMJ誌オンライン版2015年10月6日号掲載の報告。
食事性Caを増やしても骨折予防せず/BMJ
食事性のカルシウム摂取増量が骨折を予防するとの臨床試験エビデンスはなく、食事性カルシウム摂取と骨折リスクは関連が認められないとの見解を、ニュージーランド・オークランド大学のMark J Bolland氏らが、システマティックレビューの結果、報告した。また、カルシウムサプリメントの骨折予防もエビデンスは弱く、一貫性がみられないと報告している。高齢男女には骨折予防として、1日少なくとも1,000~1,200mgのカルシウム摂取が推奨されている。多くの人がこの推奨達成のためにカルシウムサプリメントを服用しているが、最近の試験で、カルシウムサプリメント摂取の安全性に関する懸念が持ち上がった。そこで専門家はサプリメントではなく食事性のカルシウム摂取増量を奨励するようになったが、食事性カルシウム摂取増量の骨折予防効果については明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。
収縮期血圧20mmHg上昇でPADリスク63%増大/BMJ
収縮期血圧値が標準よりも20mmHg高いと末梢動脈疾患(PAD)リスクは63%上昇することが、英国・オックスフォード大学のConnor A Emdin氏らによる大規模コホート研究の結果、示された。これまで、血圧上昇とPADリスク増大の関連に関するエビデンスは限定的なものであった。今回、研究グループは、23年間約420万人分の英国プライマリケアの電子カルテ記録を基に分析した。結果を踏まえて著者は、「血圧上昇は幅広い患者群の強いリスク因子である」と結論し、「臨床医は、PADは慢性腎臓病、虚血性心疾患、心不全、心房細動、脳卒中などその他の血管イベントのリスクを増大することを認識しなければならない」と述べている。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。
米国医薬関連企業の4割で、学術機関関係者を管理職に採用/BMJ
株式を上場する米国医療関連企業のうち、役員に医学部長や非営利病院の最高経営責任者(CEO)など、学術機関に関与する人を含んでいるのは、4割余りであることが判明した。また、そうした企業からの年間報酬額の中央値は、約20万ドル弱、供与された株式の中央値は5万株であるという。米国・ピッツバーグ大学医療センターのTimothy S. Anderson氏らが横断研究を行い、明らかにした。BMJ誌オンライン版2015年9月29日号掲載の報告。
経橈骨動脈PCIの被曝量、経大腿動脈よりわずかに多い/Lancet
診断冠動脈造影と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う際、経橈骨動脈アクセスのほうが経大腿動脈アクセスに比べ、透視時間やカーマ面積量は大きいことが示された。カナダ・Laval UniversityのGuillaume Plourde氏らが行った、システマティック・レビューとメタ解析の結果、明らかになった。経橈骨動脈アクセスによる心臓カテーテル術は、経大腿動脈アクセスに比べ、出血や血管合併症が少ないことが判明している。同グループは、今回の結果について、経橈骨動脈アクセスは経大腿動脈アクセスに比べ被曝量がわずかに多いが、透視時間は短縮傾向にあり、経橈骨動脈アクセスの臨床的効用を上回ることはないだろうと結論付けている。Lancet誌オンライン版2015年9月24日号掲載の報告より。
高齢の治療抵抗性うつ病、アリピプラゾール増強療法が有効/Lancet
高齢の治療抵抗性うつ病患者に対し、アリピプラゾールを用いた増強薬物療法が有効であることが、米国・ワシントン大学のEric J Lenze氏らの検討で示された。高齢者では、治療抵抗性の大うつ病の頻度が高く、生命を脅かす可能性があるが、増強薬物療法のベネフィットとリスクはほとんど知られていないという。アリピプラゾールは第2世代の非定型抗精神病薬で、18~65歳(平均年齢30歳)のうつ病患者において選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)またはセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の増強療法として有効であることが報告されている。Lancet誌オンライン版2015年9月24日号掲載の報告。
重度肥満の男子で心血管代謝系リスクが増大/NEJM
小児および若年成人では、重度の肥満は心血管代謝系のリスク因子の保有率を増大させ、とくに男子でその傾向が強いことが、米国・ノースカロライナ大学チャペルヒル校のAsheley C Skinner氏らの検討で示された。近年、米国では小児・若年成人の重度肥満の有病率が上昇し、この年齢層の心血管および代謝系の健康状態への懸念が高まっているが、心血管代謝系のリスク因子の保有状況はよく知られていない。また、小児・若年成人では、過体重・肥満者はリスク因子の保有率が高いことが指摘されているが、従来の単一カテゴリーによる肥満分類では、肥満の多彩な重症度を説明するのは難しいという。NEJM誌2015年10月1日号掲載の報告。
非扁平上皮NSCLCの2次治療、ニボルマブがOS延長/NEJM
プラチナ製剤ベースの化学療法を行っても病勢が進行した非扁平上皮非小細胞肺がん(NSQ-NSCLC)の治療において、ニボルマブはドセタキセルに比べ、全生存期間(OS)を有意に延長することが、米国・フォックスチェイスがんセンターのHossein Borghaei氏らが行ったCheckMate 057試験で示された。NSCLCの2次治療では、新規薬剤であるペメトレキセドやエルロチニブは、標準治療薬であるドセタキセルよりも副作用プロファイルが良好だがOSの優越性は確認されていない。一方、完全ヒト型IgG4 PD-1免疫チェックポイント阻害抗体であるニボルマブは、第I相試験でNSCLCの全サブタイプで持続的な抗腫瘍効果と有望なOSが確認され、多くの前治療歴のある進行NSQ-NSCLCでは奏効率17.6%、1年OS 42%、3年OS 16%、1年無増悪生存率(PFS)18%と良好な成績が報告されている。NEJM誌オンライン版2015年9月27日号掲載の報告。
治療抵抗性高血圧、スピロノラクトン追加が有効/Lancet
スピロノラクトン(商品名:アルダクトンAほか)は、通常の降圧治療を受けている治療抵抗性高血圧患者への追加薬剤として高い効果を発揮することが、英国ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのBryan Williams氏らが実施したPATHWAY-2試験で確認された。国際的なガイドラインでは、3つの推奨降圧薬(ACE阻害薬/ARB、カルシウム拮抗薬、サイアザイド系利尿薬)の最大耐用量による治療でも、目標血圧でコントロールができない場合を治療抵抗性高血圧と定義している。スピロノラクトンは治療抵抗性高血圧に有効であることが、メタ解析で示唆されているが、既存のエビデンスの質は低いとされ、他の降圧薬と比較した試験はこれまでなかったという。Lancet誌オンライン版2015年9月20日号掲載の報告。