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- 2024/12/20
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EV71ワクチン、乳幼児の手足口病に効果、中国発/NEJM
中国で開発されたエンテロウイルス71(EV71)ワクチンの、乳幼児における手足口病またはヘルパンギーナに対する有効性、安全性および免疫原性について、中国疾病予防管理センター(CDC)のFengcai Zhu氏らが、第III相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を発表した。プラセボ群との比較で、ワクチンの有効率は94.8%と有意に高く、一方で重篤な有害事象の発生は同程度であり、接種後56日時点で2回接種により98.8%に免疫応答が認められたことを報告した。またEV71関連疾患の入院、および神経合併症を伴う手足口病については100%の予防効果が認められたという。著者は、「乳幼児におけるEV71関連の手足口病またはヘルパンギーナは、EV71ワクチン接種によって予防された」と結論づけている。NEJM誌2014年2月27日号掲載の報告より。
薬剤溶出ステントの直接比較、1年と5年では異なる結果に/Lancet
ゾタロリムス溶出ステントとシロリムス溶出ステントを直接比較した多施設共同オープン無作為化試験SORT OUT IIIの1年時点と5年時点の臨床転帰を検証した結果、1年時点ではシロリムスの優越性が有意であったが、5年時点ではシロリムスの優越性が失われていたことが判明した。薬剤溶出ステントの直接比較試験では、主要エンドポイントの評価は伝統的に9~12ヵ月時点で行われてきたが、この時期での評価が最適なのかについては不明なままであった。デンマーク・オーフス大学病院のMichael Maeng氏らによる報告で、Lancet誌オンライン版2014年3月13日号で発表された。
無作為化試験の中断、最も多い理由とは/JAMA
無作為化試験(RCT)の中断頻度は高く、その理由として最も多いのは被験者不足であることが明らかにされた。スイス・バーゼル大学病院のBenjamin Kasenda氏らが、スイス、ドイツ、カナダの6つの研究倫理委員会がプロトコルを承認した全無作為化試験(RCT)を、レトロスペクティブに調査し報告した。RCT中断は、倫理に対する懸念をもたらし、また乏しい研究資源をすり減らすが、中断された試験がどれほどあるのか、また中断理由などの“疫学”は不明であった。JAMA誌2014年3月12日号掲載の報告より。
身近にファストフード店が多いほど肥満になりやすい/BMJ
宅周辺、職場周辺、通勤経路別に、ピザやバーガーといったいわゆるファストフード店への曝露と、それら食品のテイクアウト消費および体重との関連について調べた結果、用量依存の有意な関連があることが明らかにされた。英国・ケンブリッジ大学医学部のThomas Burgoine氏らが、ケンブリッジシャー州で行った住民ベースの断面調査研究の結果、曝露が大きいほど消費量、体重は増加し、曝露環境別では職場周辺の関連が最も強かったことを報告した。また3つの環境曝露を複合し四分位範囲で分類して評価した結果、最大曝露環境下の人は最小曝露環境下の人と比べて、BMIが相対指数で1.21倍高く、肥満リスクは1.80倍高かったことも示されている。BMJ誌オンライン版2014年3月13日号掲載の報告。
メタ解析の新たな問題/BMJ
ネットワークメタ解析からの所見報告は、記述方法が不均一であることが、フランス・オテル=デュー病院のAida Bafeta氏らによる系統的レビューの結果、報告された。著者は、背景には報告要項に関するコンセンサス不足があるのではないかとして、執筆者および読者がネットワークメタ解析の報告を批判的に検証できるよう、報告書に関するガイドライン整備の必要性を提言した。ネットワークメタ解析の所見については、臨床医および担当医がどう解釈をしたらよいのか困難な場合がある。また、報告書式の不備が解析に影響をもたらす可能性や、臨床研究者をミスリードする可能性もあることから本検討は行われた。BMJ誌オンライン版2014年3月11日号掲載の報告より。
深部静脈血栓症の除外診断で注意すべきこと/BMJ
WellsルールとDダイマー検査による深部静脈血栓症(DVT)除外診断は、性別やDダイマー検査の種別、プライマリ・ケアか入院時かなどを問わず、がん患者を除き有効であることが示された。ただしDVT再発が疑われる場合には、Wellsスコアに1ポイント加えるといった注意が必要となる。オランダ・ユトレヒト大学医療センターのG J Geersing氏らが、13試験についてメタ解析を行った結果、報告した。これまでの試験結果から、患者全般についてWellsルールとDダイマー検査がDVT除外診断に有効であることは知られていたが、がん患者などのサブグループについての有効性については議論が分かれていた。BMJ誌オンライン版2014年3月10日号掲載の報告より。
高度貧困地域からの転出、男児は精神障害リスクが増大/JAMA
米国の高度貧困地域に住む子供が、家族と共に低所得者居住地域に引っ越すことで、男児では思春期におけるうつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった精神障害の発症リスクが2~3倍増大することが報告された。一方で女児については、同引っ越しにより、思春期のうつ病や行為障害の発症リスクが4~9割減少した。米国・ハーバードメディカルスクールのRonald C. Kessler氏らが、小児約3,700例について行った前向き無作為化比較試験の結果、報告した。高度貧困地域の子供は思春期に心の問題を抱える青少年が多い。本検討は、地域への介入について、地域が与える影響を理解することを目的に、小児期への住環境介入とその後の思春期の精神障害との関連を調べた。JAMA誌2014年3月5日号掲載の報告より。
出生前検査、非侵襲的DNA検査は低リスク妊婦でも優れる/NEJM
低リスクを含む一般妊婦集団を対象に、出産前DNA検査について、大量並列塩基配列決定法による母体血漿無細胞DNA検査(cfDNA検査)と標準的スクリーニングの検出力を比較検討した結果、同集団でもcfDNA検査群のほうが、21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)の偽陽性率は有意に低く、陽性適中率は有意に高いことが明らかにされた。米国・タフツ大学病院のDiana W. Bianchi氏らが、全米14州21施設から登録された妊婦1,914例を対象とした検討の結果、報告した。非侵襲的な出生前検査であるcfDNA検査は、高リスク妊婦においては胎児の常染色体異数性を正確に検出することが知られる。しかし、低リスク妊婦における同検出力については不明であった。NEJM誌2014年2月27日号掲載の報告より。
大腸がんスクリーニング、年齢で推奨するのは不適切/BMJ
大腸がんスクリーニングの実施を年齢ベースで推進することは適切ではないことを、米国・退役軍人(VA)アナーバーヘルスケアシステムのSameer D Saini氏らが、後ろ向きコホート研究の結果、報告した。米国で最大の統合ヘルスケアシステムのVAヘルスケアシステム加入者を対象に行った検討において、75歳以降では実施が顕著に低下しており、75歳で健康に問題がある人では過剰に、76歳で健康な人では過小に行われているなどの状況が示されたという。現在、同システムでは50~75歳でのスクリーニング実施が推奨されており、全米、英国でも同様に広く行われている。しかし、今回の結果を踏まえてSaini氏は、単に年齢ではなく、もっと個々人の臨床的なリスク・ベネフィットに着目した質的指標を開発すべきであると述べている。BMJ誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。
気道感染症への抗菌薬治療 待機的処方 vs 即時処方/BMJ
気道感染症に対する抗菌薬治療では、即時的処方に比べ待機的処方で抗菌薬服用率が顕著に低いが、症状の重症度や持続期間に差はないことが、英国・サウサンプトン大学のPaul Little氏らの検討で示された。同国のプライマリ・ケアでは、気道感染症の治療の際、抗菌薬の不必要な使用を抑制するために非処方または待機的処方という戦略が一般に行われている。一方、文献の系統的レビューでは、待機的処方は即時的処方に比べ症状の管理が不良であり、非処方よりも抗菌薬の服用率が増加する可能性が示唆されている。待機的処方には、服用に関する指示書を付して処方薬を渡したり、再受診時に渡すなどいくつかの方法があるが、これらの戦略を直接に比較した試験は、これまでなかったという。BMJ誌オンライン版2014年3月5日号掲載の報告。
早期前立腺がん、根治切除の長期生存ベネフィットが判明/NEJM
根治的前立腺切除術は、前立腺がん患者の長期的な生存を実質的に改善することが、スウェーデン・ウプサラ大学のAnna Bill-Axelson氏らが進めるScandinavian Prostate Cancer Group Study Number 4(SPCG-4)の最長23年以上に及ぶ追跡調査で確認された。SPCG-4は前立腺特異抗原(PSA)の臨床導入以前に診断された患者を対象とし、すでに15年のフォローアップにおける根治的前立腺切除術の生存ベネフィットが示されている。一方、PSA検査導入初期に行われたProstate Cancer Intervention versus Observation Trial(PIVOT)では、手術による12年後の全死亡、前立腺がん死の改善効果は得られておらず、PSA検診の影響の大きさが示唆されている。NEJM誌2014年3月6日号掲載の報告。
糖尿病による脳卒中リスクに男女差はあるか?/Lancet
脳卒中のリスク因子としての糖尿病について、性差による違いがあるかどうかを調べた結果、男性よりも女性のほうが受ける影響が強いことが明らかになった。オランダ・ユトレヒト大学のSanne A E Peters氏らがシステマティックレビューとメタ解析にて、被験者77万5,385例、うち脳卒中1万2,539例を含む64コホートを分析し報告した。糖尿病は脳卒中の強力なリスク因子であるが、これまで性差により違いがあるのかについては検討されていなかった。Lancet誌オンライン版2014年3月7日号掲載の報告より。
どのCKDステージにおいてもワルファリンは有用/JAMA
慢性腎臓病(CKD)で急性心筋梗塞後に心房細動を呈した患者へのワルファリン治療は、CKDの重症度にかかわらず、出血リスクを高めることなく転帰を改善することが、スウェーデン・カロリンスカ研究所のJuan Jesus Carrero氏らによる2万4,317例を対象とした多施設共同前向き観察試験の結果、示された。ワルファリン非使用群と比べた1年時点の複合アウトカム(死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中)ハザード比(HR)は0.57~0.87であり、出血リスクのHRは0.52~1.10だった。これまで、CKDが進行した心房細動患者に対する、ワルファリン治療と死亡・虚血性脳卒中発生との関連については、相反するエビデンスが報告されていた。JAMA誌2014年3月5日号掲載の報告より。
ACTH非依存性クッシング症候群に関与する遺伝子変異が判明/NEJM
プロテインキナーゼA(PKA)の触媒サブユニットの遺伝子変異が、両側性副腎過形成や片側性コルチゾール分泌副腎皮質腺腫に関与していることが、ドイツ・ヴュルツブルク大学のFelix Beuschlein氏らが行った検討により判明した。副腎皮質の腫瘍や過形成は、コルチコトロピン非依存性のクッシング症候群を引き起こす。しかし、その分子学的発生機序は解明されていなかった。NEJM誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。
川崎病、インフリキシマブ併用も治療抵抗性は減少せず/Lancet
急性川崎病の一次治療においてインフリキシマブ(商品名:レミケード)を併用しても、治療抵抗性は減少しなかったことが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のAdriana H Tremoulet氏らによる第III相無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。ただしインフリキシマブ投与の安全性および忍容性は高く、また発熱期間、C反応蛋白などいくつかの炎症マーカー、左冠動脈前下行枝(LAD)Zスコア、静脈免疫グロブリン反応速度については有意な減少がみられた。Lancet誌オンライン版2014年2月24日号掲載の報告より。
米国で試行のメディカルホーム、その効果は?/JAMA
米国では、チーム医療でより質の高いプライマリ・ケアを、効果的に実施することを目的とした「メディカルホーム」が試験的に行われている。米国・RAND CorporationのMark W. Friedberg氏らによる検討の結果、従来型のプライマリ・ケアに比べ、その効果は限定的であることが報告された。結果を踏まえて著者は、「メディカルホームの仕組みについて、改善する必要があるようだ」と述べている。JAMA誌2014年2月26日号で発表した。
MMR生ワクチンは不活化混合ワクチンより全感染症入院を減少/JAMA
麻疹・流行性耳下腺炎・風疹(MMR)生ワクチン接種は、最新のワクチンである不活化混合ワクチン(DTaP-IPV-Hib)接種と比べて、全感染症入院の減少と関連することが示された。デンマーク・Statens Serum Institute社のSigne Sphirup氏らがデンマークの小児コホートを対象とした分析の結果、報告した。これまで、低所得国において、生ワクチンMMR接種が麻疹以外の感染症死亡率を低下したことが報告されている。研究グループは、「そのような非特異的なワクチン効果が、高所得国における小児の健康についても重要な意味をもたらす可能性がある」として検討を行った。JAMA誌2014年2月26日号掲載の報告より。
学士号取得看護師60%で看護体制6対1なら院内死亡約30%減/Lancet
コストカット目的での看護スタッフ減員は、患者アウトカムに悪影響をもたらす一方で、学士号取得の看護師配置を手厚くすると院内死亡は減少するという研究報告が発表された。米国・ペンシルベニア大学看護学部のLinda H Aiken氏らが、ヨーロッパ9ヵ国で行った後ろ向き観察研究の結果、明らかにした。病院の支出リスクを最小とするための厳格な尺度とヘルスケアシステムの再構築は、患者アウトカムに悪影響を与えることが示唆されている。Aiken氏らは、患者対看護職員比率(看護体制)、および看護師の教育レベル(看護師配置)を調べ、院内死亡率との関連について調べた。Lancet誌オンライン版2014年2月26日号掲載の報告より。
前立腺がん、全摘vs.放射線療法/BMJ
非転移性の前立腺がんについて、根治的前立腺摘除術を受けた患者のほうが放射線療法を受けた患者よりも長期の生存アウトカムは良好であることが示された。スウェーデン・カロリンスカ大学病院のPrasanna Sooriakumaran氏らが、同国で行われた15年間の観察研究に基づき報告した。結果を踏まえて著者は、「より若く、併存疾患が少なく、中程度~重度リスクの局所前立腺がんを有する患者では、全摘のほうがより大きな恩恵を受けると思われる」とまとめている。BMJ誌オンライン版2014年2月27日号掲載の報告より。
NSCLCに対する術前化学療法によって5年生存率改善/Lancet
切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の“術前”化学療法は、全生存、遠隔再発までの期間、無再発生存を有意に改善することが、英国・NSCLCメタ解析共同研究グループによる検討の結果、示された。これまで同患者について、“術後”化学療法のメタ解析において生存を改善することは示されていた。解析には、無作為化試験被験者の92%のデータが組み込まれ、stage IB~IIIAの患者が主であったことなどを踏まえて、研究グループは「今回の結果は、術前化学療法が有効な治療オプションとなりうることを示すものである」とまとめている。なお、毒性作用については本検討では評価できなかった。Lancet誌オンライン版2014年2月24日号掲載の報告より。