ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:63

急性期脳梗塞の欧州人患者、血管内治療前のアルテプラーゼは不要か/NEJM

欧州人の急性期脳梗塞患者の治療において、血管内治療(EVT)単独はアルテプラーゼ静注後にEVTを行う通常治療と比較して、90日後の修正Rankin尺度で評価した機能障害に関して優越性も非劣性もみられず、死亡や症候性脳出血の発生にも両群間に差はないことが、オランダ・アムステルダム大学のNatalie E. LeCouffe氏らが実施した「MR CLEAN-NO IV試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2021年11月11日号に掲載された。  本研究は、急性期脳梗塞の欧州人の患者の治療におけるEVT単独の有効性と非劣性をアルテプラーゼ静注後のEVTと比較する医師主導の非盲検(エンドポイント評価者盲検)無作為化試験であり、2018年1月~2020年10月の期間に、オランダ、ベルギー、フランスの20の病院で参加者の登録が行われた(オランダCollaboration for New Treatments of Acute Stroke consortiumなどの助成を受けた)。

ステージ4のCKD、クロルタリドンで血圧コントロール改善/NEJM

 進行した慢性腎臓病(CKD)を有し高血圧のコントロールが不良の患者において、クロルタリドン(国内販売中止)による降圧治療はプラセボと比較して12週時点で血圧コントロールを改善したことが、米国・インディアナ大学医学部のRajiv Agarwal氏らによる検討で示された。これまでに、進行したCKD患者の降圧治療においてサイアザイド系利尿薬の使用を支持するエビデンスは、ほとんど示されていなかった。NEJM誌オンライン版2021年11月5日号掲載の報告。 プラセボ対照で12週までの24時間ASBP値の変化を評価 研究グループは、ステージ4のCKDで、高血圧のコントロールが不良(24時間自由行動下血圧モニタリング[ABPM]で確認)の患者を無作為に1対1の割合で2群に割り付け、一方には、chlorthalidoneを投与(12.5mg/日で開始し4週ごとに増量、必要に応じて最大投与量は50mg/日とする)またはプラセボを投与し、有効性と安全性を評価した。無作為化では、ループ利尿薬の使用有無による層別化も行った。  主要アウトカムは、ベースラインから12週までの24時間自由行動下収縮期血圧(ASBP)値の変化。副次アウトカムは、尿中アルブミン/クレアチニン(A/C)比、NT-proBNP値、血漿レニン値とアルドステロン値、および身体容積(total body volume)のベースラインから12週までの変化であった。安全性も評価した。

非透析腎性貧血、ダプロデュスタットはESA薬に非劣性/NEJM

 透析治療を受けていない貧血を有する慢性腎臓病(CKD)患者において、ダプロデュスタットは、ダルベポエチン アルファと比較して、ベースラインからのヘモグロビン値の変化および心血管アウトカムに関して、非劣性であることが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAjay K. Singh氏らによる検討で示された。ダプロデュスタットは、経口の低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素阻害薬(HIF-PH阻害薬)。これまで非透析CKD患者において、既存の赤血球造血刺激因子(ESA)薬ダルベポエチン アルファと比較した有効性および安全性は検討されていなかった。NEJM誌オンライン版2021年11月5日号掲載の報告。

FFRガイド下PCI vs.CABG 、3枝冠動脈疾患/NEJM

 3枝冠動脈疾患患者において、冠血流予備量比(FFR)ガイド下での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、1年時点の死亡・心筋梗塞・脳卒中・再血行再建術の複合イベントの発生について、冠動脈バイパス術(CABG)に対する非劣性は示されなかった。米国・Stanford Cardiovascular InstituteのWilliam F. Fearon氏らが、欧米などの48施設で実施した多施設共同非劣性試験「Fractional Flow Reserve versus Angiography for Multivessel Evaluation(FAME)3試験」の結果を報告した。3枝冠動脈疾患患者では、PCIと比較しCABGの転帰が良好であることが知られていたが、FFRガイド下PCIに関する研究はなかった。NEJM誌オンライン版2021年11月4日号掲載の報告。  主要評価項目は、1年以内の主要心脳血管有害事象(MACCE:全死亡、心筋梗塞、脳卒中、再血行再建術)の発生で、CABGに対するFFRガイド下PCIの非劣性マージンはハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限が1.65未満とした。副次評価項目は死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合および各イベントなどで、安全性についても評価した。

ワクチン接種はコロナ重症化リスクを減らすか?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン接種は、COVID-19による入院ならびにCOVID-19入院患者の死亡/人工呼吸器装着への進行を有意に低下させる可能性が認められた。米国疾病予防管理センターのMark W. Tenforde氏らが、米国の21施設で実施した症例コントロール研究の結果を報告した。COVID-19ワクチン接種の有益性を包括的に理解するためには、ワクチン接種にもかかわらずCOVID-19を発症した人の疾患重症度が、ワクチン未接種者よりも低いかどうかを判断する疾患軽減について検討する必要があった。著者は、「今回の結果は、ワクチン未接種の場合と比較すればワクチン接種後のブレークスルー感染のリスクが低いことと一致している」とまとめている。JAMA誌オンライン版2021年11月4日号掲載の報告。  研究グループは、2021年7月14日までに登録され、2021年3月11日~8月15日の期間に入院し、死亡と人工呼吸器装着の28日転帰に関するデータを入手できた成人4,513例について解析した。最終追跡調査日は2021年8月8日。

サクビトリル・バルサルタンvs.ラミプリル、心不全歴のない心筋梗塞患者/NEJM

 左室駆出分画低下や肺うっ血を伴う心筋梗塞の患者において、サクビトリル・バルサルタンはラミプリルと比べ、心血管死・心不全リスクを低下しなかったことが、米国・ハーバード・メディカル・スクールのMarc A Pfeffer氏らが約5,700例を対象に行った、多施設共同無作為化二重盲検試験で示された。症候性心不全の患者において、サクビトリル・バルサルタンはACE阻害薬と比べて入院や心血管死のリスクを低下することが示されている。一方で、急性心筋梗塞の患者を対象とした比較検討は行われていなかった。NEJM誌2021年11月11日号掲載の報告。

5~11歳へのファイザー製ワクチンの安全性と有効性~第II/III相試験/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の5~11歳への投与(21日間隔で10μgを2回投与)は、安全で、免疫原性を有し、有効率も約91%と高いことが示された。米国・Duke Human Vaccine InstituteのEmmanuel B. Walter氏らによる、5~11歳を対象とした第I相および進行中の第II/III相の無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2021年11月9日号で発表された。  第I相無作為化試験は2021年3月24日~4月14日に米国内4地点でスクリーニングをして包含した5~11歳の48例を対象に行われた。1対1対1の割合で3群に無作為に割り付け、BNT162b2ワクチン10μg、20μg、30μgをそれぞれ投与し、安全性と免疫原性の所見から適切な投与量を決定した。

STEMI患者 、COVID-19合併で院内死亡率上昇/JAMA

 ST上昇型心筋梗塞(STEMI)では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の診断を受けた患者は、過去1年間にCOVID-19の診断を受けていない患者に比べ院内死亡率が有意に高く、死亡、脳卒中、心筋梗塞の複合アウトカムも不良であることが、米国・ブラウン大学Warren Alpert医学校のMarwan Saad氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2021年10月29日号に掲載された。  研究グループは、STEMI患者において、COVID-19の有無別の患者の特徴や治療、転帰の比較を目的とする後ろ向きコホート研究を行った。  解析には、米国のVizient Clinical Databaseに登録された509施設のデータが用いられた。対象は、2019年1月1日~2020年12月31日の期間に、これらの施設に入院した院外または院内のSTEMI患者(18歳以上)であった。院外例は入院時にSTEMIが認められた患者、院内例は入院中にSTEMIを発症した患者と定義された。

2020年の平均余命、コロナ影響で多くの国が低下/BMJ

 2020年に、世界31ヵ国で2,800万年を超える損失生存年数(YLL)の超過が発生し、発生率は女性よりも男性で高く、この年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行に関連した超過YLLは、2015年の季節性インフルエンザの5倍以上に達することが、英国・オックスフォード大学のNazrul Islam氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2021年11月3日号に掲載された。  研究グループは、COVID-19の世界的大流行に関連する2020年の平均余命およびYLLの変動を評価する目的で、37の国と地域の時系列分析を行った(特定の研究助成は受けていない)。

妊娠中の抗うつ薬、子供の数学の成績に影響か/JAMA

 妊娠中に抗うつ薬を処方された母親の子供は、処方されなかった母親の子供と比較して、数学のテストの点数は2点低く有意差が認められ、国語のテストの点数には差がなかったことが、デンマーク・オーフス大学のJakob Christensen氏らの調査で示された。結果について著者は、「数学の平均点は曝露群で低かったが、差は小さいことから臨床的な意義は不確実である。この研究結果は、妊娠中の母親にうつ病治療を行うことの利点と比較して検討する必要がある」としている。JAMA誌2021年11月2日号掲載の報告。

コロナワクチン、高齢ほど感染・入院リスク低下/Lancet

 米国では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種プログラムの導入の初期段階に、高齢者におけるCOVID-19患者数やCOVID-19による救急診療部受診数、入院者数が減少し、ワクチン接種の寄与は不明なものの死者数も減少したことが、米国疾病予防管理センターのLucy A. McNamara氏らの調査で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年11月3日号で報告された。  米国では、2020年12月中旬に、緊急使用許可(EUA)下に最初のCOVID-19ワクチンの使用が可能となった。2021年6月8日の時点で、全人口の52%が少なくとも1回のワクチン接種を受け、42%は2回の接種を完了しており、このうち65歳以上の接種率はそれぞれ86%および76%に達している。

ファイザー製ワクチン有効性、3回接種vs.2回接種/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)の3回接種は、2回接種(5ヵ月以上前に接種完了)と比較して、COVID-19の重症化予防に有効であることが認められた。イスラエル・Clalit Research InstituteのNoam Barda氏らが、同国半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析を行い報告した。多くの国でSARS-CoV-2のデルタ(B.1.617.2)変異株によるCOVID-19の再流行が発生しており、これらの国では、経時的に免疫が減弱しデルタ変異株に対する有効性が低下する可能性があるため、ワクチン3回目接種を検討している。Lancet誌オンライン版2021年10月29日号掲載の報告。  研究グループは、イスラエル国民の半数以上が加入している同国最大の医療保険組織「Clalit Health Services」のデータを用い、2020年7月30日~2021年9月23日にBNT162b2ワクチンの3回目接種を受けた人(3回接種群)、ならびに人口統計学的および臨床的特徴をマッチングさせた3回目ワクチン未接種者(対照群)について解析した。  適格基準は、5ヵ月以上前に2回接種を完了しており、SARS-CoV-2感染歴がなく、直近3日以内に医療施設を受診していないこととし、医療従事者、長期療養施設の居住者および自宅療養者は除外された。

脳卒中再発予防、チカグレロルvs.クロピドグレル/NEJM

 中国人のCYP2C19機能喪失型対立遺伝子を有する軽度虚血性脳卒中/一過性脳虚血発作(TIA)患者において、90日時点の脳卒中再発リスクは、クロピドグレルと比較しチカグレロルがわずかに低かった。また、中等度~重度出血リスクは両群間に差はなかったものの、すべての出血イベントはクロピドグレルと比較してチカグレロルで増加した。中国・首都医科大学のYongjun Wang氏らが、中国の202施設で実施した無作為化二重盲検プラセボ対照試験「CHANCE-2試験」の結果を報告した。これまで、CYP2C19機能喪失型対立遺伝子保有者の脳卒中再発予防に関して、チカグレロルとクロピドグレルを比較した研究はほとんど実施されていなかった。NEJM誌オンライン版2021年10月28日号掲載の報告。  研究グループは、CYP2C19機能喪失型対立遺伝子を有する40歳以上の軽度虚血性脳卒中/TIA患者(NIHSS≦3、ABCD2スコア≧4)を、発症後24時間以内にチカグレロル群(チカグレロルを1日目に180mg、2~90日目に90mg 1日2回、およびクロピドグレルのプラセボ)、またはクロピドグレル群(クロピドグレルを1日目に300mg、2~90日目に75mg 1日1回、およびチカグレロルのプラセボ)に、1対1の割合で無作為に割り付け、両群ともアスピリンを21日間併用投与した。

新型コロナのブレークスルー感染リスク、既感染者 vs.非感染者/JAMA

 カタールにおいて、2020年12月21日~2021年9月19日に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)または「mRNA-1273」(Moderna製)接種者におけるブレークスルー感染リスクは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)既感染者が非感染者と比べて統計的に有意に低かった。同国・Weill Cornell Medicine-QatarのLaith J.Abu-Raddad氏らが、接種者約153万例について行った適合コホート試験の結果を、JAMA誌オンライン版2021年11月1日号で発表した。

小児市中肺炎、退院後の経口アモキシシリン投与量と期間/JAMA

 救急部門または入院病棟から退院(48時間以内)した市中肺炎の小児患者において、外来での経口アモキシシリン投与は、低用量群は高用量群に対して、また3日間群は7日間群に対して、いずれも非劣性であることが示された。英国・ロンドン大学セントジョージ校のJulia A. Bielicki氏らが、患児824例を対象に行った多施設共同2×2要因デザイン非劣性無作為化試験の結果を報告した。なお著者は、「今回の試験結果の解釈については、重症度、治療環境、抗菌薬投与歴、非劣性マージンの受容性について考慮する必要がある」と指摘している。JAMA誌2021年11月2日号掲載の報告。

入院COVID-19の生存日数は?デキサメタゾン6mg vs.12mg/JAMA

 重度の低酸素血症を呈する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の成人入院患者において、デキサメタゾンの12mg投与は6mgと比較して、28日後の生命維持装置を使用しない生存日数を改善せず、28日と90日後の死亡率にも差はないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のMarie W. Munch氏らCOVID STEROID 2 Trial Groupが実施した「COVID STEROID 2試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2021年10月21日号で報告された。  本研究は、重度の低酸素血症を有するCOVID-19患者におけるデキサメタゾン12mgと6mgの有効性の比較を目的とする医師主導の二重盲検無作為化試験であり、2020年8月27日~2021年5月20日の期間に、4ヵ国(デンマーク、インド、スウェーデン、スイス)の26病院で行われた(Novo Nordisk財団などの助成を受けた)。  対象は、年齢18歳以上、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染が確定されて入院し、(1)酸素補充療法(流量≧10L/分)、(2)低酸素血症に対する非侵襲的換気または持続陽圧呼吸療法、(3)侵襲的機械換気のいずれかを受けている患者であった。

認知症の焦燥性興奮にミルタザピンの効果は?/Lancet

 ミルタザピンは、欧州で高齢者や認知症患者に最も一般的に処方されているノルアドレナリン作動性/特異的セロトニン作動性抗うつ薬である。英国・プリマス大学のSube Banerjee氏らは、「SYMBAD試験」において、認知症患者の焦燥性興奮の治療におけるミルタザピンの効果について検討し、プラセボと比較して有効性は認められず、確定的ではないものの死亡率を高める可能性があることを示した。研究の詳細は、Lancet誌2021年10月23日号に掲載された。  研究グループは、認知症患者の焦燥性興奮の治療におけるミルタザピンの有効性と安全性の評価を目的に、英国の国民保健サービス(NHS)下の26の施設で二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験を行った(英国国立健康研究所[NIHR]医療技術評価[HTA]プログラムの助成を受けた)。  対象は、非薬物療法に反応しない焦燥性興奮がみられるアルツハイマー型認知症(probableまたはpossible)で、コーエン・マンスフィールド焦燥評価票(CMAI)スコアが45点以上の患者であった。

変異株流行期はワクチン接種率高くても制限解除は難しい?/Lancet

 集会の中止・禁止や教育施設の閉鎖、出入国制限、個人の移動制限、都市封鎖、個人用保護具の供給量増などの非医薬品介入(NPI)時期とワクチン接種状況とのバランスを慎重に調整すれば、NPIの緩和が原因となる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者急増のリスクは大幅に軽減される可能性があるものの、デルタ変異株については、ワクチン接種率が高くても、イングランドでの入院や死亡の再急増(第3波)を招くことのないNPIの全面解除はできなかった可能性があることが、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのRaphael Sonabend氏らが実施した数理モデル解析で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2021年10月27日号に掲載された。  研究グループは、英国のコロナ対策ロードマップ、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のデルタ変異株の影響、および将来に起こりうる感染流行の軌跡を評価する目的で、疫学的数理モデルを用いた後ろ向き研究を行った(英国国立健康研究所[NIHR]などの助成を受けた)。

リサンキズマブ、重症喘息への有効性は?第IIa相試験/NEJM

 重症喘息の治療において、抗インターロイキン-23p19モノクローナル抗体リサンキズマブに有益性はなく、プラセボと比較して初回の喘息悪化までの期間が短く、喘息悪化の年間発生率が高いことが、英国・レスター大学のChristopher E. Brightling氏らの検討で示された。研究の詳細は、NEJM誌2021年10月28日号に掲載された。  本研究は、重症喘息の成人患者におけるリサンキズマブの有効性と安全性の評価を目的とする24週間の第IIa相二重盲検無作為化プラセボ対照比較試験であり、9ヵ国48施設が参加し、2015年8月~2018年2月の期間に実施された(AbbVieとBoehringer Ingelheimの助成を受けた)。  対象は、年齢18~75歳、スクリーニングの少なくとも1年前に喘息と診断され、中~高用量の吸入コルチコステロイドと、1種以上の長期管理薬(controller)の投与を受けている患者であった。  被験者は、リサンキズマブ90mgを4週ごとに皮下投与する群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。治療期間は24週で、観察期間は16週であった。

中等症~重症喘息へのitepekimabの有効性と安全性~第II相試験/NEJM

 中等症~重症の喘息患者において、抗IL-33モノクローナル抗体itepekimabはプラセボと比較し、喘息コントロール喪失を示すイベントの発生率を低下させ、肺機能を改善することが、米国・National Jewish HealthのMichael E. Wechsler氏らによる第II相の多施設共同無作為化二重盲検プラセボ比較対照試験で示された。itepekimabは、上流のアラーミンであるIL-33を標的とした新規開発中のモノクローナル抗体である。これまで、喘息患者におけるitepekimab単剤療法、あるいはデュピルマブとの併用療法の有効性と安全性は不明であった。NEJM誌2021年10月28日号掲載の報告。