慢性硬膜下血腫の穿頭ドレナージ術、洗浄なしvs.あり/Lancet
慢性硬膜下血腫に対する穿頭ドレナージ術について、硬膜下洗浄を行わない場合(洗浄なし群)の6ヵ月以内の再手術率は、行った場合(洗浄あり群)より6.0%ポイント高率であり、洗浄なし群の洗浄あり群に対する非劣性は示されなかったことを、フィンランド・ヘルシンキ大学のRahul Raj氏らFinnish study of intraoperative irrigation versus drain alone after evacuation of CSDH(FINISH)試験グループが報告した。慢性硬膜下血腫に対する穿頭ドレナージ術には、アクセス用穿頭孔の作成、硬膜下腔の洗浄、硬膜下ドレーンの挿入という3つの要素が含まれる。硬膜下ドレーンの有益性は確立されているが、硬膜下洗浄の治療効果は検討されていなかった。結果を踏まえて著者は、「機能的アウトカムや死亡率について群間差がなかったことを考慮すると、硬膜下洗浄を行うことを支持するものであった」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年6月6日号掲載の報告。