ICD+CRTは死亡・心不全入院率を低下するが有害イベント増加も
植込み型除細動器(ICD)に心臓再同期療法(CRT)を追加した治療を行うと、心不全による死亡および入院の割合が減少したことが示された。ただしこの改善には有害イベントの増加も伴っていた。報告は、カナダ・コロンビア大学のAnthony S.L. Tang氏ら「RAFT」試験グループが、軽症~中等症(NYHA心機能分類IIまたはIII)の心不全でQRS幅が広く(内因性120msec以上またはペーシング200msec以上)左室収縮機能不全を呈する患者1,798例を、平均40ヵ月間追跡した結果によるもので、NEJM誌2010年12月16日号(オンライン版2010年11月14日号)で発表された。CRTは、QRS幅が広く左室収縮機能不全を呈する患者にベネフィットがあることが明らかになっている。そしてそれら患者の大半がICD適応の患者であることから、ICD+CRTと至適薬物療法により死亡・罹患率が低下するかが検討された。