VATSと開胸手術の気胸再発率は同等とする見解は誤り
気胸の再発予防手術(胸膜癒着術)は良性胸膜疾患の手術法として最も施行頻度の高い手技である。2002~2005年のイギリスおよびアイルランドの調査では、より侵襲性の低いビデオ支援下胸腔鏡手術(VATS)の施行数は開胸手術の約3倍にも達しており、その理由として再発率が同等で術後疼痛や入院日数が少ない点が挙げられている。しかし、その論拠とされる研究には無作為化試験が少なく、しかも検出パワーが低いため、これらのエビデンスは疑問視されている。 イギリス・ケンブリッジ市のPapworth病院心臓胸郭手術部のAllanah Barker氏らは、VATSと開胸手術の気胸再発率のより厳密な比較を目的に、無作為化試験および非無作為化試験の体系的なレビューおよびメタ解析を実施、その結果を7月28日付Lancet誌上で報告した。