転移を有するHER2+乳がん、トラスツズマブ+カペシタビンにtucatinib追加でPFS改善/NEJM
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トラスツズマブ、ペルツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)の治療を受けた、脳転移を含む転移のあるHER2陽性乳がん患者に対して、トラスツズマブ+カペシタビンにtucatinibを追加投与することはプラセボの追加投与と比較して、無増悪生存(PFS)および全生存(OS)アウトカムが良好であったことが示された。ただしtucatinib追加投与群では下痢とALT値上昇のリスクが高かった。米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのRashmi K. Murthy氏らによる国際共同無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年12月11日号で発表された。また同日、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)にて発表された。転移のあるHER2陽性乳がん患者で、複数のHER2標的薬で治療後に病勢進行が認められた場合の治療選択肢は限られる。tucatinibは開発中の高度に選択的な経口HER2阻害薬。第Ib相の用量漸増試験で、脳転移を含む転移のあるHER2陽性乳がん患者において、トラスツズマブ+カペシタビンへの併用が抗腫瘍効果を示し有望視されていた。