急性腎障害の予後に、蛋白尿、eGFRは影響するか?

急性腎障害(acute kidney injury)による入院のリスクは、蛋白尿が重篤なほど、また推定糸球体濾過量(eGFR)が低下するほど上昇することが、カナダ・カルガリー大学のMatthew T James氏らが行ったコホート試験で明らかとなった。eGFRの低値は急性腎障害を示唆し、蛋白尿は腎疾患のマーカーであるが、急性腎障害のリスクの予測におけるeGFRと蛋白尿双方の意義は明確ではなく、急性腎障害や有害な臨床アウトカムには先行する腎疾患は影響しないとの見解もある。さらに、急性腎障害のリスクやアウトカムの評価には蛋白尿やeGFRは寄与しないとする最近の報告もあるという。Lancet誌2010年12月18/25日号(オンライン版2010年11月22日号)掲載の報告。