CAR-T療法における血球減少の頻度とパターン/日本血液学会
遷延性血球減少はCAR-T細胞療法の重篤な合併症の1つである。兵庫医科大学の吉原 享子氏は、実臨床における後方視的研究の結果を第86回日本血液学会学術集会で発表した。
CAR-T療法では、リンパ球除去療法の影響でCAR-T細胞投与後に血球減少がみられる。多くの場合改善するが、未回復のまま遷延する症例があり注意を要する。
血球減少にはQuick recoveryタイプ、Intermittant recoveryタイプ、Aplasticタイプがある。遷延性血球現象の発生機序は、前治療による骨髄予備能の低下、造血幹細胞のCHIPの出現、CAR-TによるCRSやそのほかの免疫学的機序、原疾患の状態などさまざまな機序が関与していると考えられている。