上部消化管出血への輸血戦略、大規模RCTは可能か/Lancet
論争の的となっている急性上部消化管出血への輸血戦略について、大規模な非盲検集団無作為化試験の実行可能性を探るTRIGGER試験が英国・オックスフォード大学のVipul Jairath氏らにより行われた。その結果、試験は実行可能であることが示され、著者は、「臨床診療ガイドラインで、すべての上部消化管出血患者に対する制限輸血戦略を推奨するよう記述を変える前に、その効果を評価する大規模な集団無作為化試験は実行可能であり、実施が必須である」と指摘した。これまで、同戦略に関する検討は小規模試験3件と単施設試験1件のみである。単施設試験の所見では、制限輸血(限定的な赤血球[RBC]輸血)群で死亡の低下が報告されており、研究グループは、同所見が多施設の集団無作為化試験によって立証されるか否かを検討することを目的とした。Lancet誌オンライン版2015年5月5日号掲載の報告より。