世界全体では毎年、膨大な数の手術が行われ、大手術(major surgery)の手技に起因する高い死亡率および合併症発生率ゆえに、いまや手術の安全性は国際的な公衆衛生学の実質的な懸案事項とすべきことが、「WHO患者安全プログラム」の一環として実施された調査で明らかとなった。手術のニーズは工業化に伴う疾病パターンの転換に伴って医療資源の多寡にかかわらず急激に増加した。この、いわゆる「疫学的な過渡期」ゆえに公衆衛生における手術の役割も増大してきたが、その安全性の改善やサービスの不足を補うためにも、手術的介入の総数、配分状況を把握する必要があるという。米国Harvard大学公衆衛生学部のThomas G Weiser氏がLancet誌2008年7月12日号(オンライン版2008年6月24日号)で報告した。