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2024/06/27
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ジャーナル四天王(NEJM ・ Lancet ・ JAMA ・ BMJ )最新ニュース|page:329

アスピリン抵抗性は心血管系死亡のリスク?

アスピリンによる抗血小板作用が通常ほど見られない「アスピリン抵抗性」の存在が知られているが、20試験2,930例を解析したところ、心血管系疾患患者の28%に「抵抗性」が見られ、それらの患者では「非抵抗性」患者に比べ心血管系イベントリスク、死亡ともにオッズ比が有意に増加しているとの報告がBMJ誌2008年1月26号に掲載された(オンライン版1月17日付)。University Health Network(カナダ)のGeorge Krasopoulos氏らが報告した。

第X凝固因子阻害剤idraparinuxの心房細動患者塞栓症抑制への有用性認められず:Amadeus試験

抗トロンビン作用を有する抗凝固剤ximelagatranの臨床応用が見送られ、非弁膜性心房細動患者の脳塞栓症を抑制しうる新薬の登場が期待されているが、第X凝固因子阻害剤であるidraparinuxは、安全性の面でワルファリンに劣るようだ。Lancet誌2008年1月26日号に掲載された、無作為化非盲検化試験Amadeusでは塞栓予防作用はワルファリンと同等ながら、出血リスクは有意に増加していた。

経口避妊薬は、市販後50年で約10万人の卵巣癌死を予防

経口避妊薬の使用により卵巣癌の発生率が低下することが知られている。卵巣癌は若年女性では少なく、加齢とともに増加するため、発生率低下の公衆衛生面への影響は使用中止後のリスク低下効果の持続時間に依存するという。Collaborative Group on Epidemiological Studies of Ovarian Cancerの研究グループは45の疫学研究のデータを解析、経口避妊薬は市販後約50年の間に約20万人の女性の卵巣癌罹患を予防し、約10万人が卵巣癌による死亡から救われたと推計している。Lancet誌2008年1月26日号掲載の報告。

適応外使用にはベアメタルステントよりは薬剤溶出性ステント

最近、薬剤溶出性ステントの適応外使用と有害事象発生率増加の関係を示唆する報告が見られたが、従来のベアメタルステントとの比較はなかった。そこでピッツバーグ大学心臓血管学部門のOscar C. Marroquin氏らは、ベアメタルステントと薬剤溶出性ステントの適応外使用を受けた患者の1年後を比較。死亡または心筋梗塞のリスクに差はないが、血行再建術の再施行率は有意に低いとして、適応外使用には薬剤溶出性ステントを使うことを支持すると結論付けている。NEJM誌2008年1月24日号より。

多枝冠動脈疾患には依然としてCABGがステントより有利

 多枝冠動脈疾患の競合的な治療法として、冠動脈バイパス術(CABG)と冠動脈ステント留置術はこれまでにも多くの比較研究が行われてきたが、薬剤溶出性ステントが登場してからは、CABGとの比較研究はほとんど耳にしなくなった。ニューヨーク州立大学オールバニー校公衆衛生部門のEdward L. Hannan氏らによる本研究は、CABGと薬剤溶出性ステント留置術を受けた患者の有害転帰を追跡調査したもので、CABGは依然として薬剤溶出性ステント処置より死亡率が低いだけでなく、心筋梗塞発生率や血行再建術の再施行リスクも低いと報告している。NEJM誌2008年1月24日号より。

NPPA遺伝子変異型の降圧剤への効果と関連性

 高血圧治療は近年優れた薬剤の登場でコントロールが可能となってきているが、ミネソタ大学薬理学のAmy I. Lynch氏らは「患者個々の遺伝子特性に合わせた治療が可能となれば、心血管疾患(CVD)罹患率および死亡率をもっと低下することができるのではないか」と考えた。その可能性をALLHAT(Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial)の高血圧患者のデータを利用し解析。JAMA誌2008年1月23日号に結果が掲載された。

前立腺癌への放射線+ホルモン治療のリスクを調査

進行性前立腺癌に対しては、放射線治療(RT)+ホルモン治療(アンドロゲン抑制治療:AST)がスタンダードになっている。しかし一方で、大規模患者コホート試験によって、ASTによる心血管イベント増大の可能性が示されている。そこでブリガム&ウーマンズ病院/ダナ・ファーバー研究所(アメリカ、マサチューセッツ州ボストン)癌放射線部門のAnthony V. D’Amico氏らは、RT単独治療とRT+AST(6ヵ月)治療とで、心血管イベントと全死亡率との関連性を調査した。JAMA誌2008年1月23日号に掲載。

現行転倒予防介入のエビデンスは乏しい

高齢者にとって転倒は深刻な健康問題である。最近では転倒による死亡および罹患率の高まりから多因子リスク評価と介入による転倒予防プログラム戦略が提示されている。 ワーウィック大学(イギリス)医科大学校臨床試験部門のS Gates氏らは、システマティックレビューおよびメタ解析によりそれら既存戦略の効果のエビデンスを検討。結果がBMJ誌オンライン版2007年12月18日付け、本誌2008年1月19日号で報告されている。

複数の微量栄養素補給を受けた妊婦の子は早期死亡率が低い

開発途上国における妊婦の栄養補給は一般に鉄および葉酸に限られている。胎児および新生児の死亡を防ぐには複数の微量栄養素を補給するほうが有効と考えられるが、エビデンスがほとんどないため普及していない。Supplementation with Multiple Micronutrients Intervention Trial (SUMMIT)の研究グループは、通常の妊婦管理サービスにおいては、鉄+葉酸に比べ複数の微量栄養素を補給するほうが新生児の死亡率を低下させることを明らかにした。Lancet誌2008年1月19日号掲載の報告。

放出調節性プレドニゾンの就寝前服用が、関節リウマチの朝のこわばりを改善

関節リウマチ患者はサーカディアンリズムに変調をきたしている。新たに開発された放出調節性の薬剤送達法は、投与されたグルココルチコイドの放出を内因性コルチゾールおよび症状発現のサーカディアンリズムに適合させることで、関節リウマチに対するグルココルチコイド治療の効果を改善するという。Frank Buttgereit氏(ドイツ、Chariteベルリン医科大学)らは、新規の放出調節性プレドニゾンの効果および安全性の評価を行い、従来の即放性プレドニゾンに比べ関節の朝のこわばり(morning stiffness)の臨床的低減が得られたことを、Lancet誌2008年1月19日号で報告した。

エタネルセプトは小児・思春期の尋常性乾癬にも有効

わが国では関節リウマチ薬として販売されているエタネルセプトは、成人の尋常性乾癬の重症度を軽減することが示され、欧米では承認されている。本論は、小児・思春期の中等度~重度の尋常性乾癬に対する有効性と安全性について評価した、Etanercept Pediatric Psoriasis Study Groupによるフェーズ3の治験報告。NEJM誌2008年1月17日号に掲載された。

地域救急医療システムの有効稼働には救急救命士の力が必要

ST上昇型心筋梗塞に対する、冠動脈カテーテル治療(PCI)実施のガイドラインは90分以内とされている。この基準に関して、よく訓練された救急救命士によって指定されたPCI専門センターに直接患者を搬送したほうが、救急治療部の医師が仲介をして転送した場合よりも達成率が高く、PCI実施のための地域体制構築の重要なポイントであることを、カナダ・オタワ大学心臓学研究所のMichel R. Le May氏らが報告した。NEJM誌2008年1月17日号より。

新規髄膜炎ワクチンMenACWYは乳児にも忍溶性が高い

全米で青少年に推奨される髄膜炎の予防ワクチンは四価複合ワクチン(血清A、C、W、Y)だが、乳児期における免疫原性が十分ではない。この点を改良した新規四価複合ワクチンMenACWYに関して、オックスフォード大学ワクチングループが行った乳児期の免疫原性に関するフェーズ2(無作為化非盲検コントロール試験)の結果が、JAMA誌2008年1月9日号で公表されている。

オピオイド鎮痛薬の処方増大と処方格差の実態

1990年代後半に全米で推進された質改善の動きによって起きたことの一つに、オピオイド鎮痛薬の処方増が挙げられている。しかしそれに関して、救急部門において疼痛治療のためのオピオイド処方が増えたのか、またオピオイド処方をめぐる人種・民族間の格差に関する状況は明らかにされていなかった。そこでカリフォルニア大学疫学・バイオ統計学部のMark J. Pletcher氏らが調査を実施。JAMA誌2008年1月2日号で報告した。

最重症肺炎患児に対するアンピシリン+ゲンタマイシンの有効性を確認

種々のバクテリアによって引き起こされる最重症市中肺炎は死亡率が高く、クロラムフェニコールの注射が標準治療とされるが厳格な検証はなされていない。Rai Asghar氏(パキスタン、ラワルピンディ総合病院)らは、医療資源が乏しい状況において最重症市中肺炎に罹患した生後2~59ヵ月の患児に対しては、アンピシリン+ゲンタマイシンがクロラムフェニコールよりも有効なことを明らかにした。BMJ誌2008年1月12日号(オンライン版1月8日号)掲載の報告。

手洗い、マスクは、呼吸器系ウイルス感染の拡大防止に有効

 鳥インフルエンザや重症急性呼吸器症候群(SARS)などのウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)に対する社会的な関心が高まっている。Cochrane Vaccines Field所属の研究者である Tom Jefferson氏(イタリア、アレッサンドリア)らは、呼吸器系ウイルスの拡大を防止する物理的介入法の効果に関するエビデンスを系統的にレビューし、パンデミックへの備えとしての手洗いやマスクの着用など簡便で低コストの方法の有用性を明らかにした。BMJ誌2008年1月12日号(オンライン版2007年11月27日号)掲載の報告。

入院を要する新生児疾患を同定する簡便なアルゴリズムを確立

新生児期(生後28日間)の死亡数は全世界で毎年400万人にのぼると推定され、その約75%は生後1週間以内に死亡している。ミレニアム開発目標4(2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の1/3に減少させる)を達成するには、低~中所得国の新生児死亡率を低減する必要がある。Young Infants Clinical Signs Study Groupは、臨床症状や徴候から入院を要する重篤な新生児疾患を検出する簡便なアルゴリズムを開発、Lancet誌2008年1月12日号で報告した。

ICU患者に対し、鎮静中断による毎日の自発覚醒法+自発呼吸法が有効

ICUに収容された重症患者に対し機械的人工換気を施行する際は、ほとんどの場合大量の鎮静薬を要するが、これらの併用により多くの合併症が引き起こされるため、鎮静および機械的人工換気の低減に向けさまざまなアプローチが試行されている。Timothy D. Girard氏(アメリカ、バンダービルト大学健康サービス研究センター)らは、鎮静中断による毎日の自発覚醒法(SAT)と自発呼吸法(SBT)の併用が、鎮静とSBTによる通常ケアに比べ患者のアウトカムを改善することを明らかにした。Lancet誌2008年1月12日号掲載の報告。

敗血症に対するヒドロコルチゾン療法は無効

敗血症性ショックに対するステロイド療法であるヒドロコルチゾン投与(コルチコステロイド治療)の有益性はこれまでも論議されてきたが、CORTICUS研究グループ(Corticosteroid Therapy of Septic Shock)が多施設共同無作為二重盲検プラセボ対照試験の結果、本剤投与は生存率や回復を改善しないと報告した。NEJM誌2008年1月10日号に掲載された。