腫瘍科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:137

HR-/HER2+乳がん術前治療、トラスツズマブ+ペルツズマブ±PTXの予後(ADAPT)/ASCO2021

 ホルモン受容体陰性HER2陽性(HR-/HER2+)の乳がん患者に対する、トラスツズマブ+ペルツズマブ±パクリタキセルによる術前療法の予後に関する有望な結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、ドイツ・West German Study Group(WSG)のNadia Harbeck氏から報告された。  このADAPT試験はWSGにより実施されたオープンラベルの第II相無作為化比較試験である。この試験のpCR率の結果は2017年に公表されており、今回はその生存に関する報告である。また、本試験と同じデザインでのHR-/HER2+集団に対するpCR率の良好な結果は2020年ESMOで公表されている。

PSMA標的治療薬ルテチウム-177、去勢抵抗性前立腺がんの予後改善(VISION)/ASCO2021

 複数の治療歴を有し、転移もある去勢抵抗性前立腺がん患者(mCRPC)に対し、前立腺特異的膜抗原(PSMA)に選択的に結合するリガンドに放射線核種のルテチウム-177を結合させた177Lu-PSMA-617を用いた、大規模国際共同試験(VISION試験)の結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのMichael J. Morris氏より発表された。  本試験はオープンラベル第III相ランダム化比較試験である。

HR+/HER2-乳がんに対するパルボシクリブ+フルベストラントの長期予後追跡結果(PALOMA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がんに対する国際共同大規模臨床試験PALOMA-3(パルボシクリブ+フルベストラント併用療法)の長期追跡結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern UniversityのMassimo Cristofanilli氏から発表された。  本試験は二重盲検の第III相無作為化比較試験であり、2018年にその試験プロトコールに則った結果発表がなされており、今回はその後の長期予後追跡結果の報告である。

非小細胞肺がんに対するKRAS G12C阻害薬sotorasib第II相試験の追跡結果(CodeBreaK100)/ASCO2021

 既治療のKRAS p.G12C変異非小細胞肺がん(NSCLC)の第II相 CodeBreaK100試験のアップデート結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。これにsotorasib初の全生存期間(OS)結果も含まれた。 ・対象:KRAS p.G12C変異を有する既治療(3ライン以下)の局所進行または転移のあるNSCLC ・介入:sotorasib 960mg/日、PDとなるまで投与 ・評価項目: [主要評価項目」盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価の奏効率(ORR) 「副次評価項目]奏効期間(DoR)、疾患制御率(DCR)、初回奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性など [探索的研究]バイオマーカー  主な結果は以下のとおり。

アテゾリスマブの免疫関連有害事象と有効性の関係〜第III相試験プール解析/ASCO2021

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるアテゾリズマブの有効性と免疫関連有害事象(irAE) の関連を検討した第III相試験( IMpower130、IMpower132、 IMpower150)の統合解析の結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。  IMpower130、IMpower132、IMpower150はいずれも未治療Stage IV非扁平上皮NSCLCを対象にアテゾリズマブ含有レジメンを化学療法±ベバシズマブと比較した無作為化第III相試験。これらの試験のデータを統合し、治療(アテゾリズマブと対照)とirAE ステータスの関係を、Coxハザードモデルとランドマーク解析(1、3、6、12ヵ月)を用いて調査した。

肝発がんのリスク評価で共同声明/日本肝臓学会・日本糖尿病学会

 5月20日~22日まで完全WEB開催で開催された「第64回 日本糖尿病学会年次学術集会」(会長:戸邉 一之氏)の中で「第7回 肝臓と糖尿病・代謝研究会」(会長:同)が22日に併催された。その中で、日本肝臓学会(理事長:竹原 徹郎氏)と日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)の共同声明が発表された。  両学会は 2012 年より合同で委員会を設置し、研究会の開催のほか、共同研究として糖尿病外来における肝がんの発生実態の調査、糖尿病外来における肝がん高危険群の同定を目的とし、糖尿病外来における肝細胞がん発生の実態調査を行ってきた。

BRCA変異陽性HER2-早期乳がんへの術後オラパリブ、iDFS改善(OlympiA)/ASCO2021

 生殖細胞系列のBRCA遺伝子(gBRCA)変異のあるHER2陰性早期乳がんに対する、術後のオラパリブ投与が、無浸潤疾患生存期間(iDFS)および遠隔無再発生存期間(DDFS)を有意に改善した。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で、英国・The Institute of Cancer Research and King's College LondonのAndrew Tutt氏が、日本を含む23ヵ国420施設参加の第III相国際多施設共同無作為化プラセボ対照試験(OlympiA試験)の中間解析結果を発表した。なお、この結果はNEJM誌オンライン版2021年6月3日号に同時掲載された。

HR+/HER2-進行乳がんへのribociclib+フルベストラント、OSの最新データ(MONALEESA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性の閉経後進行乳がんに対するribociclib+フルベストラント併用療法の全生存期間(OS)におけるベネフィットが、観察期間中央値56.3ヵ月時点でも維持されたことが、第III相MONALEESA-3試験の最新の解析で示された。米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・David Geffen School of Medicine at UCLAのDennis J. Slamon氏が発表した。OSベネフィットは1次治療、2次治療の両方で認められ、さらに化学療法開始までの期間が大幅に延長することも示された。

ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法のNCSLS1次治療、2年フォローアップ(CheckMate 9LA)/ASCO2021

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法の無作為化第III相CheckMate9LA試験の2年間のフォローアップデータが米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。結果、同併用による生存ベネフィットが引き続き観察されている。  発表者のドイツ・Martin Reck氏は、この2年間のフォローアップ結果は、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法が、進行NSCLCに対する有効な1次治療であることを支持するものだと述べた。

がん通院中患者の新型コロナ抗体量は低値、投与薬剤によって差も/国がん

 国立がん研究センターとシスメックスは、2021年6月2日、がん患者における新型コロナウイルスの罹患状況とリスクを評価するため、2020年8月から10月にかけて500人のがん患者と1,190人の健常人について新型コロナウイルスの抗体保有率と抗体量を調査した。  その結果、新型コロナウイルスの罹患歴のない対象では、がん患者、健常人共に抗体保有率は低く、両群で差がないことがわかった。一方、抗体の量は、健常人と比較し、がん患者で低いことが明らかになった。これは年齢、性別、合併症の有無、喫煙歴といった因子で調整しても有意な差を認めた。