泌尿器科の海外論文・最新ニュースアーカイブ|page:9

前立腺がん治療10年後の排尿・性機能、治療法による違いは?/JAMA

 限局性前立腺がん患者の治療後10年間の追跡調査の結果、ベースラインで受けた治療に応じて予後良好群に分類した患者では、前立腺全摘除術は外照射放射線療法(EBRT)または積極的監視療法と比較し、尿失禁が悪化したが性機能の悪化は認められなかった。予後不良群に分類した患者では、前立腺全摘除術はEBRT+アンドロゲン除去療法(ADT)併用療法と比較し、尿失禁が悪化したが性機能の悪化は認められなかった。しかし、EBRT+ADT併用療法は前立腺全摘除術と比較し、排便およびホルモン機能の悪化がみられたという。米国・バンダービルト大学医療センターのBashir Al Hussein Al Awamlh氏らが、観察コホート研究「CEASAR研究」の結果を報告した。JAMA誌2024年1月23・30日号掲載の報告。

3月3日開催『第4回アンチエイジングセミナーin鹿児島』【ご案内】

 2024年3月3日(日)、鹿児島市医師会館において『第4回アンチエイジングセミナーin鹿児島』が開催される。参加費は無料で、医師、歯科医師、研究者、メディカルスタッフほか、医療関係者であれば誰でも参加ができる。なお、申込締切は2月26日(月)で、定員100名に達し次第、締め切りとなる。  “最先端の抗加齢医学に触れてみませんか!”と題し、アンチエイジングの分野をリードしてきた各領域のエキスパートが講演を行う。「老化研究の現状と展望」「循環器のアンチエイジング」「ホルモンとアンチエイジング」「自らの行動変容を促す健康教室」など、アンチエイジングにとって重要なテーマを取りそろえており、最新の知識を学び、予防医療への未来へ一歩リードできるようなセミナーを目指している。

転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに対するカボザンチニブ+アテゾリズマブの結果、ASCO GUで発表(CONTACT-02)/武田

 新規ホルモン療法による1回の治療歴があり、転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)を対象に、カボザンチニブ+アテゾリズマブと、2剤目の新規ホルモン療法(アビラテロン+プレドニゾンまたはエンザルタミド)を比較した、国際共同臨床第III相CONTACT-02試験の結果が、2024年米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)で発表された。  追跡期間中央値14.3ヵ月におけるITT集団の無増悪生存期間(PFS)中央値は、カボザンチニブ+アテゾリズマブ群で6.3ヵ月であったのに対し、2剤目の新規ホルモン療法群は4.2ヵ月であった(ハザード比[HR]0.65、95%信頼区間[CI]:0.50~0.84、p=0.0007)。

性腺機能低下症のテストステロン補充、骨折リスクを増大/NEJM

 性腺機能低下症の中年以上の男性において、テストステロン補充療法はプラセボと比較し臨床的骨折の発生率を低下させることはなく、むしろ同発生率は数値的には増加していた。米国・ペンシルベニア大学のPeter J. Snyder氏らが、テストステロン補充療法の心血管安全性を評価した無作為化二重盲検プラセボ対照試験「TRAVERSE試験」のサブ試験の結果を報告した。性腺機能低下症の男性におけるテストステロン補充療法は、骨密度や骨質を改善することが報告されているが、骨折リスクを減少させるかどうかの判断には十分な症例数と期間による試験が必要であることから、TRAVERSE試験のサブ試験として検討が行われていた。NEJM誌2024年1月18日号掲載の報告。

PARP阻害薬タラゾパリブ、BRCA変異陽性乳がん、前立腺がんに承認/ファイザー

 ファイザーは2024年1月18日、PARP阻害薬タラゾパリブ(商品名:ターゼナ)について、同剤の単剤療法による「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」、および同剤とエンザルタミドとの併用による「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺癌」の治療薬として、国内における製造販売承認を取得した。

エムポックスワクチン、5分の1の投与量でも有効

 コンゴ民主共和国では2023年に入って以来、エムポックス(サル痘)の感染例が例年より大幅に多く、すでに何百人もの人が死亡している。こうした中、米ニューヨーク大学(NYU)の研究グループが、エムポックスワクチン(Jynneos)の5分の1の量を皮内接種することでも十分な感染予防効果が得られるとする研究結果を報告した。筆頭著者であるNYUグロスマン医学部の感染症専門医であるAngelica C. Kottkamp氏は、「ワクチン不足に直面した際の緊急措置として少量のワクチンを投与することの有効性が確認された」と述べている。この研究結果は、「The New England Journal of Medicine(NEJM)」12月14日号に掲載された。

尿が黄色くなるメカニズムが明らかに

 尿中の黄色色素としてウロビリンが同定されているが、この発見から125年以上の間、ウロビリンの産生に関与する酵素は不明とされていた。しかし、米国・メリーランド大学のBrantley Hall氏らの研究グループが腸内細菌叢由来のビリルビン還元酵素(BilR)を同定し、この分子がビリルビンをウロビリノーゲンに還元し、ウロビリノーゲンが自然に分解されることで尿中の黄色色素ウロビリンが産生されることを明らかにした。また、BilRは健康成人ではほぼ全員に存在していたが、新生児・乳児や炎症性腸疾患(IBD)患者で欠損が多く認められた。本研究結果は、Nature Microbiology誌2024年1月3日号で報告された。

プロテインサプリの生殖機能への影響、ほとんどの男性は認識せず

 体づくりのためにプロテインサプリメント(以下、プロテインサプリ)を摂取している男性の多くは、このサプリが生殖機能に悪影響を及ぼす可能性について認識していないことが、英バーミンガム大学のMeurig Gallagher氏らの調査から明らかになった。こうしたサプリには、生殖機能に影響を及ぼす可能性がある女性ホルモンのエストロゲンが高用量含まれている。しかし調査からは、ジムに通う男性の約5人に4人(79%)がフィットネス計画の一つとしてホエイプロテインや大豆プロテインなどのサプリを摂取しており、また、プロテインサプリの摂取が生殖機能に与える影響について考えたことがある男性はわずか14%にとどまることが示された。詳細は、「Reproductive BioMedicine」に10月18日掲載された。

尿のDNAメチル化検査で膀胱がんを検出可能

 尿のDNAメチル化検査により、血尿患者の膀胱がんを正確に検出できるという研究結果が、「The Journal of Molecular Diagnostics」9月号に掲載された。  Genomictree社(韓国)のTae Jeong Oh氏らは、血尿患者において膀胱がんを検出するための尿を用いたDNAメチル化検査の導入と検証を実施した。この検査は、線形ターゲットエンリッチメント後に定量的メチル化特異的PCRを行い、尿DNA中のPENKメチル化を検出するもの。まず、膀胱がんのある血尿患者175人と膀胱がんのない血尿患者143人を対象とした症例対照研究で同検査を導入した後、膀胱鏡検査の予定されている血尿患者366人を対象とした臨床研究でその精度を検証した。

ミシガン州の5人の女性で眼梅毒、感染源は同一の無症候性梅毒男性

 「Morbidity and Mortality Weekly Report」11月24日号に、米ミシガン州で2022年3月から7月の間に5人の女性において確認された眼梅毒の症例に関する報告書が掲載された。この報告書をまとめた、米カラマズー郡保健地域サービス局(KCHCSD)のWilliam Nettleton氏らは、これらの女性がいずれも、無症候性梅毒の同一の男性と性的関係を持っていたこと、および眼梅毒自体が非常にまれなことから、この男性が持っていた梅毒菌(Treponema pallidum)の株が眼合併症のリスクを高めたのではないかと見ている。  梅毒菌は、感染しても多くの場合、症状がすぐに現れることはないため、気付かないうちに他者を感染させてしまうことがある。梅毒の症状は、時間とともに全身に進行していき、視力の永久的な損傷など深刻な神経症状を引き起こす可能性がある。